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OPENINGPHASE04 ボルト-幼少期-

2017/2/27 誤字訂正

GM:さて、次がオープニング最後のシーンだ。シーンプレイヤーはワット。他PCは登場不可ね。


ワット:俺?なんだろう。


GM:ちょっと君の過去について演出したくてね。ほら、ハンドアウトに書いてあっただろ?


ワット:あぁ、実は俺が帝都の生まれだって話か。


GM:そうそれ。その辺の話をもう少し深く掘り下げようと思ってね。


ワット:……というと?


GM:君がまだ子供だった頃のヴァンスター帝国の情勢について話をしようと思う。


フィル:情勢?(少し考え)…あー、もしかしてワットさんが子供だった頃ってヴァンスターの大陸進出の時期と重なる?


GM:その通り。よく気づいたな。


ワット:大陸進出?


GM:神聖ヴァンスター帝国は現在エリンディル大陸で最も広い国土を有している国なんだけど、実はそのほとんどはここ20年くらいの間で広げた領土なんだよね。


スイレン:ちなみに以前の領土は大陸の端っこにポツンと浮かぶ小さな島のみで、名前も「神聖」が付かない、ただの「ヴァンスター帝国」でした。


フィル:しかし現在の皇帝ゼダン様に皇位が継承されてから状況が一変。ゼダンはそのカリスマ性を遺憾なく発揮し、ドゥアン天翼族(オルニス)の飛行兵力や錬金馬による騎兵などを中心とした大部隊を瞬く間に作り上げ、国を大改造。さらに国名を「神聖ヴァンスター帝国」と改め大陸進出に踏み出したんだ。


ワット:強気だなぁ。


GM:そして連勝に連勝を重ねわずか10年足らずで今の領土を手にしました。


ワット:強………は?


フィル:…うん。たった10年で地域一の領土を誇る大国へと成長なされたのです。


GM:これ、公式設定ね。基本ルールブック①とかに載ってる。


ワット:えぇ……とんでもねぇな。


GM:…と、まぁそんな帝国の大陸進出の時期と君の幼少期が重なるという話だったのだが…要するに君は毎日のように戦勝報告が入ってきて連日お祭り騒ぎの帝都で育ったということを言いたかったのだ。「号外!号外ー!またディアモン少佐が敵国の砦をワンパンチで破壊したぞ!!」


一同:何やってんだよ伯父さん!?(一同大爆笑)


ルーン:そ、そうか…当時から軍に所属してたんだな……


ワット:なるほど(笑)だいたいわかった。


スイレン:んー、でもそれを聞くと帝都に行くことを憂鬱に思う理由がわかりませんね。不謹慎かもしれませんけど、かなり賑わっていて楽しそうじゃないですか。


GM:うん。まぁ不謹慎はしょうがないとして、事実、当時の帝都はとても賑わっていた。街には錬金術師や傭兵、武器職人なんかも増え、国民そのものの数もどんどん増えていって、ヴァンスターの最盛期と言っても過言ではなかっただろう。だからワットは帝都自体に嫌な感情を持ったりはしていない。一応ハンドアウトにも載せたはずだが、帝都に帰るのが憂鬱なのは…ワットが親に勘当されているからだ。


スイレン:あぁ、そうだった。そういう話でした。


ワット:親か。どういう人だったんだろう。


GM:…と、ここで少し描写を挟もう。フィルがソーレさんからとんでもない仕事を言い渡されているころ、ワットはルーン&スイレンと別れ、一旦宿へと戻って来ていた。


ワット:おや、現代の描写?てっきり過去かと。…まぁいいや、では扉を開けて宿に入りますよ。ただいま帰りましたー。


GM:すると宿の一階のバーには君たちより先に神殿を出たディアモンが居り、まだ昼間だというのに豪快に酒をあおっている。(一同大爆笑)


ワット:ぶっ!!??


ルーン:いると思ったよー(笑)お酒飲んでるイメージめっちゃあるもんなー。


ワット:な、なんでいるんだよ!?怖いのでさっさと二階に上がろうとするよ。


GM:うん、それで構わない。ただ二階に上がる前に、ディアモンとマスター・ポテトフライの会話が耳に入ってくるね。


ワット:お、おう。なんて?


GM:こんな感じだ。


□■□


ディアモン「しっかし、フィルの奴も明るくなったな。昔は塞ぎ込んでいやがったのに」


マスター「あぁ、ルーンちゃんやテールちゃんのおかげだ。あの子らがいなかったらフィルは今でも塞ぎ込んでいただろうよ」


ディアモン「ルーンか。たしかにあいつはフィルの心を変えたかもしれない。でもな、長い間フィルを支えてきたのはポテト、お前だろう?フィルにとっちゃ、お前は第2の親みたいな存在なハズだぜ」


マスター「親…ね。(険しい表情になって)……その言葉、フィルの前じゃ絶対言うんじゃねぇぞ。明るくなったとはいえ、心の傷は今でもまだ残っているだろうからな」


ディアモン「……あーったよ。フィルの前では言わん。…でもなポテト、お前だって他人に誇って良いようなことをしてるってことだけは忘れんなよ」


マスター「……………」


□■□


ルーン:……え、何?マスター死ぬの?(一同爆笑)


フィル:てかさっきのシーンと言い今の会話と言い、今回何なの!?ボクの心抉りにきてるの!??


スイレン:というか、フィルくんの過去にいったい何があったというのか。


GM:さて、どうだろうね。あと、マスターは少なくとも今話中に死んだりはしねぇから安心しろ(笑)


ルーン:え、じゃあ次話にでも…?


スイレン:やめなさいルーンちゃん(笑)


GM:話を戻そう。このタイミングでディアモンがワットに「おい、兄ちゃんもそう思うだろ?」と話を振ってくる。


ワット:げ、やっぱりこっち来たか……


ルーン:伯父さん、お酒入ってるせいか絡み方が多少ウザいな。


ワット:マスターがフィルの第2の親ね…まぁ一緒に暮らしているし、そういうもんなのかもしれないけど


スイレン:というか、それ以上の何かがある気がしてならない。


ワット:親…親……か。


GM:………じゃあここで君の親に関する描写もやっておこうか。


ワット:……………


GM:君の父親、エレキ・アンペールはポーション錬金術で精製したポーションを販売する薬屋を営んでおり、。彼の作ったポーションは帝都で暮らす人達にとっては欠かせないものとなっていた。


フィル:ポーションアルケミか。ワットくんとは違った型だな。


GM:そんなエレキだが、どうやら君に家業を継がせようと思っていたらしく、君は幼い頃から錬金術のノウハウを叩き込まれていた。しかし、戦勝報告に沸き立つ軍事国家で育った君が薬屋に憧れるようなことはなく、男の子らしく、武器や兵器、戦いに憧れを持つようになる。君としても、ポーションなんかより鍛冶屋のおっちゃんから貰ったパーツでレールガンを作っていたほうが楽しいと感じていた。


一同:待てっ!?


ルーン:あのレールガン、自作だったのかよ!?


ワット:あ、そういえば俺 《ガンスミス》ってスキル持ってたな…


ルーン:まじで自作じゃん!?


フィル:あー、まぁ、錬金銃使いはもしかしたらみんなそうなのかもなぁ(苦笑)


GM:…と、まぁそんなわけで、結果として君は店を継がなかった。


ワット:………


GM:レールガンを手に「旅に出る」と告げたワットに対し、エレキが言った台詞はこうだ。



「戦争なんぞに憧れおって。お前なんかが大した戦果をあげられるはずも無いだろう。そのまま戦場で死んじまえ、二度と返ってくるな!」



スイレン:あぁ、そうやって売り言葉に買い言葉って感じで出て行ってしまったんですね…


GM:そうして勘当されたのが5年前。以来ワットは一度も帝都には戻っていない。


ワット:………なるほどね。


GM:そしてここで回想が終わり、バーの演出に戻る。「おい、兄ちゃん、急に黙りこくってどうしたんだ?」ディアモンが君に語りかけているね。


ワット:……それには一応笑顔を作って、ええ、マスターは間違いなくフィルくんの親御さんですよ。と答えておこう。


GM:「そうだろう!やっぱり兄ちゃんもそう思うだろう!!」何故にか上機嫌になり、高笑いしながら豪快に酒をあおるディアモン。


ワット:正直、今日はもうこれ以上付き合う気にはなれない。さっさと二階に上がって行っちゃうよ。


GM:OK。それじゃあ、帝都だの親だの、ワットが思い出したくないことを思い出してしまい、辟易としているままに、シーンを閉じようか。


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