OPENINGPHASE03 ソーレ・クィン
2018/2/27 誤植訂正
GM:さて、このままフィルのシーンに入るぞ。他PCは登場不可ね。
一同:はーい
GM:ルーンやディアモンたちと別れた後、ノーチルとフィルは神官長室の扉の前までやって来た。テールもここにはついて来ておらず、完全に別行動中です。
フィル:…ん?部屋の前?入らないの?
GM:いや、今から入るところだけど…その前にノーチルが君に声をかけるね。「…フィルくん。くれぐれも、失礼のないようにな」
フィル:……へ?
GM:コンコン、ガチャ、「失礼します」……ノーチルは神官長室…つまり自分の部屋にノックをし、一声かけてから入室した。
フィル:なるほど、中に誰かいるのか。ボクも失礼しますと言って部屋に入るよ。
GM:御察しの通り。部屋に入ると、そこに2人の人がいることがわかるだろう。1人は身分の高い神官であることを表す帽子を被った高齢のヴァーナ兎族の女性。もう1人はヴァンスター神殿の紋章が刻まれた煌びやかな甲冑に身を包んだ男性のヒューリン騎士だ。
フィル:…?誰だろう。
GM:「連れて参りました。件の神官見習いです」ノーチルがその女性神官に対して頭を下げつつ報告する。すると女性神官は「まぁ、あなたがフィルくん?女の子みたいに可愛いのね」と、君の容姿を褒める。
フィル:あ、ありがとう…ございます。…えーと、失礼かと存じますが…あなた方は……?
GM:その質問にはノーチルが答える。「こちらはヴァンスター神殿神官長、ソーレ・クィン様。そして、ゴウラ騎士隊隊長のゴウラ・ノーザンレイドル殿だ」
フィル&スイレン:げぇーーーーーーーっ!!?
フィル:こ、公式キャラかよっ!?
スイレン:しかも結構やべぇの来たーーっ!?
ソーレ・クィン
神聖ヴァンスター帝国領内の全ての神殿を統括するヴァンスター神殿の神官長。公式サプリメント『エリンディル西方ガイド』にて紹介されている。
ゴウラ・ノーザンレイドル
ヴァンスター神殿の独自戦力である3つの騎士隊のうち1つの部隊で隊長を務める男。ソーレと同じく『西方ガイド』で紹介されている他、公式リプレイ『ルージュ』シリーズにも登場している。
GM:ソーレはフィルに優しく微笑みかける。「こんにちは。驚かせちゃったかしら?」
フィル:土下座します(一同大爆笑)
ワット:これはひどい(笑)
GM:え、えーと…じゃあ聖母のような微笑みで「お顔をお上げなさい」と言うかな。
フィル:は!立ち上がって姿勢を正します。
GM:「ごめんね、本当に驚かせちゃったみたいで」
フィル:いえいえそんな!こここちらこそごごご無礼をつかまつりそうろうしてあわあわ(一同爆笑)
ルーン:だ、ダメだこりゃ。
GM:えー、じゃあここでノーチルが「コホン」と咳払いをし、本題に入ろうとする。「さて、今回このソーレ様の元に君を呼び立てた理由を話したいのだが…その前にフィルくん、君は神殿がどこの国にも所属していない独立勢力であるということは知っているね?」
フィル:え? えぇ、それはまぁ。
ルーン:そうなの?
スイレン:実はそうなんです。神殿の総本山『ディアスロンド』はヴァンスター帝国外にありますしね。
フィル:ちなみにこれ、アリアンじゃ割と常識なので覚えておいた方が良い。
ワット:ほーん。
GM:「…ならば、今回の件がどういった問題なのか、わかるかい?」ノーチルがフィルに問う。
フィル:……?今回の件てディアモンさんのことですよね…?でもイルゼさんが止めたからあの人暴れてないし…
GM:「わからないか。…まぁ仕方のないことなのだろう。君はディアモンとはプライベートでの知り合いでしかないからね」
フィル:…? えっと、つまり?
GM:「ディアモンは『ルーンちゃんの伯父』であると同時に『神聖ヴァンスター帝国軍中将』だと言うことだよ」ノーチルが答える。「考えてごらん。土地的には自国内だとはいえ、我々のような独立勢力のもとに大国の軍の幹部が仕事として乗り込んで来たんだ。しかも会談とか、そういった平和的な要件ではなく、我々が独自に逮捕した『ナゲット団』を半ば強制的に連行するといった強引な理由でね。…これがどれほどの問題なのか、君にもわかるだろう?」
フィル:…え? 事前に話があった訳ではないんですか?
GM:「いきなりきた」
一同:えええ……(←困惑)
フィル:な、なるほど。それはたしかに問題ですけど…でも、この国(※ヴァンスター帝国は独裁政の軍事国家)なら前例がありそうな気もしますが…?
GM:それに対してはソーレさんが「たしかに、過去にも神殿と帝国が対立構図になることは何度かありました。しかしここまで強引に、且つ、なんの脈絡もなく要求をしてきたのは初めてです」と。
フィル:う、うーむ……これは結構深刻そうな問題だな……逆にボクに何ができるのかさっぱりわからないが。
GM:あぁ、この件に関しては「とりあえず、あちらの要求は飲むことにしたよ」と、ノーチルが言う。というのも、既に奴らから聞き出せる情報は聞き出し済みな上、ナゲットや武器、スキル珠等の荷物は全てディアスロンドに転送済み。とするとトラブルを避けるという点でもナゲットトリオを引き渡しちゃった方が無難だという結論に辿り着いたみたいだ。逮捕から時間が経っていたのが幸いした形かな。
フィル:え、じゃあこの問題は解決したのでは?
GM:「そんな簡単な話じゃあない」ここでゴウラが口を開く。「帝国側の目的が何なのかわからない以上、ただただ黙って奴らの言うことを聞いている訳にもいかないだろう。我々としては早急に奴らの狙いを見極める必要がある」
スイレン:まぁ、それはそうでしょうね。
GM:ここでノーチルが言葉を繋ぐ。「そこで白羽の矢が立ったのがフィルくん、キミだ」
一同:ん!?
フィル:……な、何故?
GM:「君は今回『ナゲット団を捕まえたギルドのメンバー』として帝国側から同行を求められているだろう?…つまり、正式なゲストとして帝都にある城に入ることができるのだ」
フィル:(←超嫌そうな顔をする)
スイレン:うわっ、待って…これ……
ワット:フィルくんすごい可哀想。
フィル:待って……待って待って………
GM:待たない。ノーチルが言い切る。「君には帝国側のこの件の担当者から話を聞いて、その内容を我々に報告してもらいたい」
フィル:嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!普通に考えてめっちゃヤベェ仕事だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
GM:ここでソーレさんも口を開く。「なにも気負うことはないし、深く探りを入れる必要もない。ただあなたには、帝都の城で聞いたことをヴァンスター神殿にいる私に報告してもらえればそれでいいの」
フィル:う、うぅ……
GM:「もちろんまだ神官見習いであるあなたに無理をさせるつもりはないし、できることだけやってくれればそれで十分。……やってくれる?」
フィル:つまり、ボクの任務は…
①お城で帝国のエライ人から話を聞く。
②聞いたことをそのままヴァンスター神殿にいるソーレさんに報告しに行く。
フィル:…この2点だと。
GM:そういうこと。
スイレン:…まぁ、そのくらいが妥当なのかも。プレッシャーがハンパないですが、やること自体は難しい感じじゃありませんしね。
フィル:まぁ、帝国にバレたら八つ裂きにされそうな気もするが…
GM:もちろん、危険だと判断したら神殿への報告を断念しても良い。本当に無理はしなくて良いということを強調してから、ソーレさんが再び君に「やってくれる?」と問いかけてくる。
フィル:うーん、そこまで言われると断りにくいしなぁ。…わかりました。話を聞く程度でしたらボクにもできると思います。この任務、引き受けさせていただきます。
GM:それを聞いてソーレは「ありがとう。お願いね」と言い、君の手を強く握った。
フィル:善処します。…と、空気的に退室して良さそうなら失礼しますって言って部屋から出たいんだけど、いいかな?
GM:そうだね。ノーチルもゴウラもソーレも他に話すことはなさそうだ。
フィル:じゃあ最後にペコリとお辞儀をして、部屋の扉をパタンと閉めます。……そして扉を背にズルズルとその場にへたり込みます(一同笑)
ルーン:そりゃへたり込むわ(笑)
フィル:嫌だよぉぉぉぉぉ!!なんでこんな仕事やんなきゃならないんだよおおおお!!!(一同爆笑)
□■□
GM:…さて、最後にフィルが退室したあとのノーチルとソーレの会話を少しだけ演出してこのシーンを閉じよう。ソーレが「まだ若いのにしっかりした子ね」と、フィルに抱いた印象を口にする。
フィル:……そうかぁ?(一同爆笑)
ルーン:自分で言うなや。
GM:対してノーチルは「えぇ、冒険者としての実績もある。今回の仕事もキッチリこなしてくれるでしょう。…ただ……」…と、煮え切らない返答をする。しかし、言わんとしていることはソーレにも伝わったようで… 兎耳の老神官は「えぇ」と応じ、ノーチルの言葉を引き継いだ。
「…あの子には何か、危うさのようなものを感じる。もし、あの子の心を支える者がいなくなってしまったら、あの子はいったいどうなってしまうのかしら…」