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OPENING03 唐突に始まるパーティ 前編

GM:というわけで次のシーンだ。とりあえずルーンがスイレン&ワットを家に連れてきた所から始めるか。


ルーン:たっだいまーー!!


スイレン:前のシーンと全く同じ始まり方なのは何故だろう……


GM:「ルーン、おかえりなさい。そしてスイレンさんにワットさん、いらっしゃい」


ワット:あぁ、どうも…って違うその前に娘さんに縄を解くように言ってもらえませんかね?


GM:「もう、ルーン。キツく縛りすぎよ。もっと痛くないように縛ってあげないと」


ルーン:ごめんなさーい


一同:違ぇっ!!!(爆笑)


ワット:人の縛り方を語る母娘とか見たくねぇ!!


GM:まぁ、2人を縛り付けてる縄はルーン母が適当に解いてくれるよ。…ブチブチブチッ……!!


一同:引きちぎりやがった!!??


スイレン:さ、さすがルーンちゃんのお母さんといったところでしょうか……


GM:ま、まぁそんなところで…フィルくん、到着して。


フィル:はいはーい!食料たっぷり積んだオニオンフライ連れてやって来たよー!!


ルーン:あ、フィルくーん!!


フィル:やっほールーンちゃん。早速だけど、とりあえずこの食料中に入れようか。


GM:では勝手口的なところからバケツリレーで食料が運び込まれます。


ルーン:はいスイレンさん(←荷物を渡す)


スイレン:は、はい…(荷物をワットに渡そうとして)…ってどうして私たちも手伝わされてるんですか!?


ルーン:成り行き。


ワット:…諦めよう。スイレンさん。


スイレン:あ、はい。


GM:ではあっという間にパーティの準備が整いましたね。


スイレン:だから何でパーティ!?何を祝うの!?


GM:そこはご自由に。


スイレン&ワット:どういうことだよっ!?


ルーン:(←大爆笑している)




実を言うとこのシーンの演出はだいたいルーン(のプレイヤー)が考えたことであり、GMはその目的を把握していなかった。

GMとしてあまり褒められたことではないので読者の皆様はくれぐれも真似しないようお願いしたい(笑)




GM:で、えーと。…パーティ始まったけど?


ルーン:じゃあお母さんがお気に入りのお酒をスイレンさんとワットさんに振る舞う感じで。


スイレン:あ、ありがとうございます…って私お酒飲めるんですかね?


ルーン:お酒に弱かったらそれはそれで良いので。


スイレン:(少し考えて)…まぁ、ダイスで決めましょう。1,2,3で強く、4,5,6で弱い….(ダイスを振る)…2。強いですね。


ワット:じゃあ俺も同じように(ダイスを振る)…3。俺も強いな。


GM:ほう。2人とも強いと?


ルーン:じゃあお母さんが『秘伝・ベア殺し』っていうお酒を持ってくるよ!


一同:ベア殺し!?(爆笑)


フィル:そ、そんな…HP80点近いベアを一撃で殺す酒なんて…(わなわな)


ルーン(お母さんになって):「スイレンさん、これ私の大好きなお酒なんです〜♪ …ささ、飲んで飲んで」(←有無を言わさずコップに注ぐ)


スイレン:ちょっとぉーーーっ!!??(一同爆笑)


GM:ま、まぁ…収集つかなくなるのは避けないといけないので酔わなくていいよ(笑)


スイレン:あ、はい。では…普通にちびちび頂いておきます。


ルーン:さて、それじゃあそろそろ本題に入ろうか。


ワット:そうだ。そういえば俺たちまだこの家に連れてこられた理由を聞いてないぞ!?


フィル:そういえばボクもだ。


GM:(まぁGMが聞かされてないくらいだからな)


ルーン:あれ?言ってなかったっけ??今回は『PLとPCの間での認識の差を埋めよう』ってことだったので、ここで本腰入れて話し合おうと思って。


GM:(←お茶を吹く)


ルーン:…何やってんだよ汚ねぇな。


GM:い、いや…だって…まだオープニングぞ?いきなりそんな話から入るの!?


ルーン:え?だってせっかく温泉行くなら小難しい話はさっさと片付けちゃいたいじゃん。


GM:そ、それはそうかもしれないが……




…実を言うとGMはミドルフェイズに行く温泉街ルネスにて、この手の会話イベントのタネをかなりの数(・・・・・)仕込んでおいたのだ。

しかしルーンの意図を組むとなると、その全てが無駄になってしまう。

…いや、100歩譲ってそれは良いとしよう。だがそれでも見過ごせない問題が1つだけ存在していた。それは…




GM:(…まずい。ここで全ての会話イベントを終わらせられたらミドルでやることがなくなっちまう…)




そう。シナリオ的に割と致命的な感じの危機が迫っていたのである。




フィル:なるほどねー。じゃあぼちぼち情報開示していくかー。


スイレン:むしろ何故今までやってこなかったのでしょう。


ワット:ノリと勢いで進んできてたからだろ。


GM:(いかん。皆乗り気だ。早く止めねば)


ルーン:ではお母さんが「そういえばお二人とルーンはどうやって出会ったの?」と話題を振ってきます。


GM:(お?その話題なら必要な情報は開示されないんじゃないか…?)


スイレン:私たちは『スキル珠』という不思議なアイテムを追ってアルディオン大陸からやってきたのですが、この街で偶然その『スキル珠』を見かけまして、それを追いかけていたところ、たまたまルーンちゃんとフィルくんに会ったんです。


ワット:そしてそのスキル珠がこれです。(←《タングル》のスキル珠を取り出す)


GM:(←お茶を吹く)


一同:そんな簡単に見せるなよっ!?(爆笑)


GM:(顔を引きつらせながら)「へ、へぇ…珍しい宝玉ね」と、ルーン母。


スイレン:それはもう。何せ私の実家の商社『水霊の憩い』が総力を尽くして追い求めている伝説のアイテムですから。


一同:お。


GM:(アーーーーーーーーーっ!!!??)




※開示情報① スイレンの実家。

『水霊の憩い』はスイレンの父、カイルが社長を務める、メルトランドの老舗商社である。

しかしこの商社、とあるプロジェクトのために雇っていた錬金術師団に夜逃げされ、没落している。

ちなみにその錬金術師団に所属していたのが前話のボス"黄香子イエロー"とPC④のボルト(ワットの本名)であり、PLがキャラクター間の人間関係の縺れを恐れてか、今までパーティ内で『水霊の憩い』の話題が上がることはなかったのだ。




GM:(こいつ…今まで散々勿体ぶってたのにこうもあっさりと…!?)


フィル:えーと、この情報は…全員初知りか。


ワット:あー、ついに知ってしまった。とりあえず、それを聞いて驚かないわけはないし、目を見開いています。


スイレン:私とワットくんの関係は1話ライフパスの段階でかなりごちゃごちゃしてましたからね。良い機会ですのでここでわかりやすくしておきましょう。


GM:(いやそれはそうしてもらいたいけれども!)




※補足

ボルトとスイレンは『水霊の憩い』で働いていた当時は顔見知りではなく、スイレンの方が一方的に『ボルト・W・アンペール』という錬金術師がいることを名簿を見ることにより知っていた。

2人が初めて出会ったのはボルトが夜逃げし、スイレンが旅に出た後となる。

その頃にはボルトは既に『ワット』という偽名を使っていたため、2人は自分たちの因縁に気づかなかったのだ。

うーん。複雑!!




スイレン:私たちの商社ではこの、一般人でもスキルが使えるようになるという便利なアイテムを量産し、人々の暮らしを豊かにしようと尽力してきました。


フィル:え?そうだったの?


GM:あぁ、そういえばそんな設定を後付けで許可した覚えが…


スイレン:しかぁっし!!!あの憎き錬金術師共め…よくも裏切りおってぇぇえええ!!!(一同爆笑)


ルーン:スイレンさん!!キャラが変わってる!!


ワット:ひ…ひぃっ!?


スイレン:あ、あぁ。これは失礼。….ところでワットくん。どうしてそんなに怯えているのですか?


ワット:い、いや〜?ナンデモナイヨー?


GM:まぁ、この状況下で「自分がその裏切った錬金術師だ!」なんて言えるわけないよな(笑)…そこはまだ誤魔化したままでいた方がいいかも。


スイレン:ですね。ではあまり気にしないようにしておきます。変なワットくん。


ワット:ほっ。


GM:(よし。今がチャンスだ)…まぁ、この話がこれ以上長引いてもワットの立場が危うくなるだけだし、この辺でそろそろ切り上げて…


ルーン:いやいや、まだまだ。お母さんが言うよ。「あらあら、スイレンさんはまだお若い大変だったのね。…ところでワットさんは昔何をやっていたの?」(一同爆笑)


GM:自分の母親に地雷踏ませるなよっ!!??


ワット:しかも俺に追い打ちかかってるし!!?


ルーン:あっはっは!!このシーンはそう簡単には終わらせないぞ〜!!




…というわけで、後編へ続きます(泣)


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