佐藤一郎の日常、そして、ゲーム2日目
今回も少々長いです。
高校時代懐かしがりながら書いてみました。
「お父さん、お母さんおはようございます。」
佐藤一郎は朝起きてから、両親に挨拶した。
「おはよう、昨日はゲームを遅くまでしていたみたいだが、学生は学業と部活が本職だからな。学業や部活が疎かになるなら取り上げるからな。」
と父親だ。
「おはよう。朝ごはんまだだから、素振りしてきなさい。」
と母親だ。
ごく普通の田舎の高校生だから仕方ない。
いつもどおり朝5時に起きて朝練として、3kmの走りこみから素振り1000回を行った。いつも通りなので1時間少々で終わり、朝6時にご飯だ。うちは基本的に和食なので、ご飯と味噌汁、焼き魚等のおかずできちんと食べた。
そして、6時30分には朝の予習だ。一応進学校なので、勉強はきちんとしないといけないので30分かけて予習をしている。
その後、父親の出勤に合わせて駅まで送ってもらい、電車と駅からの歩きの時間もあり、1時間の通学だ。
いつもはそこで小説など見たりしているけど、昨晩1時間遅く寝たので、今日は電車の中で睡眠だ。
いつのまにか友達に起こされ、電車を降りて歩いていた。友達とは雑談をしつつのんびり通学をしている。
今日は普段ならその日の授業がいやとかあの女の子可愛いとかそういったことを話しているのだが、今日は違う。
「そういえば、イチローは昨日ゲーム買った?」
と聞いてきたのは、高橋寛和君だ。同じ電車での通学で、1年の途中から仲良くなった友達だ。
「一応は買ったけど。寛和は買った?」
と聞いてみた。
「もちろん買って、昨日やり始めたよ。イチローはもうやった?」
と聞いてきた。
「一応少しだけやったかな。昨日出された宿題をやるのに少し時間がかかったから、少ししか出来なかったよ。」
と答えた。
「あ!わりぃ、イチロー宿題後で見せて。やり忘れてた!!」
と寛和君の言葉だ。寛和君は非常に面白いが、勉強は苦手で、テスト前に勉強しながら通学していた僕に勉強の話題で最初話しかけたのがきっかけで仲良くなった。でも、寛和君は非常に勉強の効率が悪く、悪戦苦闘していたが、勘が鋭く、勉強が出来なくてもテストで赤点を取ることなく、無事進学したけど、勉強の伸びに悩んでいたみたいだ。
おっちょこちょいな部分もあり、宿題を忘れたりもするどうしようもないやつだけど、友達だからこそ仕方ないと思う部分もある。
「今日の早弁おごってくれるなら宿題見せるよ?」
と聞いてみた。成長期なので、昼の弁当だけでは足りないので、毎日2時間目と3時間目の間の休み時間で購買にて小さい弁当を買って食べるため、その分は小遣いから捻出しているのためだ。
「いつもの事だからいいよ。学校に着いたらよろしくね。」
と言ってきた。
寛和君はよく宿題を忘れる。最初の頃は普通に見せていたが、いつも悪いからといってきて、早弁をおごってもらったのから始まったが、宿題を忘れると毎回早弁をおごってもらうようになっていた。これはよくないけど、ある意味対価だからね。
「そういえば、ゲームの中だと勉強とかしやすそうだけどやってみようかな?」
と言ってみたら、
「ゲームの中にまで勉強を持っていきたくないよ。」
と返された。
でも、テスト前ならありだと思った。ゲーム内での体感時間が通常の時間の5倍くらいに感じたので、ある意味時間の有効活用が出来そうな気がしたのだが…。その辺はシャインさんに聞いてみようかな?
と思っていたら、学校に着いた。
「じゃあ、すぐ見に行くからよろしくね。」
と寛和君が言って、教室に走っていった。
そして、教室内でも皆はゲームの話で話題騒然となっていた。中には朝までやっていて眠いとか言っている人もいた。ある意味すごいと思いつつ、授業が始まった。
もちろん、授業中はみんな真面目に受けているが、朝までやっていた人は寝ていた。
さすがに先生も怒ってはいたけど、大丈夫かな?
そうして、授業が終わり、宿題見せたり早弁したりしていて、部活の時間になった。
もちろん、部活も参加しているので、きちんと剣道をした。でも、やっぱりというか、伸び悩んでいるので、イマイチ気持ちが乗らなかった。
そんなこんなで、学校も終わり、家に帰った。もちろん、帰りの電車ではしっかり熟睡してしまっていた。おかげで乗り過ごすところだった。
そして、家に帰ってから学校の復習と宿題だ。もちろんそれをやらないとゲームをしていけないと自分で決めているので仕方ないのだ。
そして、勉強をし、晩御飯を食べ、待ちに待ったゲームの時間だ。
「お帰りなさいませ。シュガー様。」
そういってシャインは挨拶してきた。
「ただいま。何か変わった事とかありましたか?」
と聞いてみた。
「シュガー様宛に1通メールが来ています。内容は確認しておりませんが、他のプレイヤーからのメールと思われます。」
と答えてくれた。
「それはまだ中身を見ていないんですか?」
と聞いてみた。
「シュガー様宛なので見ていません。見たほうが宜しいでしょうか?」
と聞いてきた。
「一応今はまだ大丈夫ですね。では、その中身見ましょうか。」
と告げ、メールの確認をした。
〔こんにちわ。あなたの名前はわからないのですが、昨日助けていただいたリリアと言います。昨日はありがとうございました。正直死に戻りを覚悟していましたが、あなたに助けられ、無事戻れたことをうれしく思っています。
今後お会いする時があったら昨日のお礼をしたいので、気軽に声をかけてくれるとうれしいです。
リリア〕
とメールには書いてあった。
なるほど。でも、名前を判らないのにメール出せるのだろうか?と思って聞いてみた。
「シャインさん、メールって相手と面識なくても出せるものなんですか?」
と聞いてみた。
「一度話をしたことあるプレイヤー同士なら出来ます。もしくは相手の名前と種族がわかれば連絡できるとなっています。」
と答えてくれた。なるほど。だからか。
「判りました。リリアさんにメールしたいのですが、教えてもらっても良いですか?」
と聞いて、リリアさんにメールしてみた。
〔リディアさんへ
今回はお礼のメールありがとうございます。
僕はシュガーといいます。昨日はたまたまお会いして助けただけですので、気にしないでください。
お互いタイミングがあったら一緒にダンジョン攻略などしていきましょう。
シュガー〕
とメールをしてみた。
もちろんやり方などは調べながらだ。
そして、メール後色々聞いてみた。
「タイマーみたいなのありますか?現実時間のわかるやつですが・・・。」
と聞いてみた。
「あります。何時にセットしますか?」
と聞かれたので、
「23時でタイマーをお願いします。」
と答えた。
「かしこまりました。何か他にありますか?」
と聞かれたので、勉強のことを聞いたら、一応持ち込みはデータでは出来るといわれた。
「あと、昨日見つけたなぞの草を調べたいのですがどうすれば良いでしょうか?」
と聞いてみた。
「方法はいくつかありますが、大きく分けて2つが現在出来るやり方です。1つ目はお店で鑑定してもらうことです。もうひとつはご自身で鑑定される方法です。」
といわれた。
「自分でも出来るんですか?」
と聞いてみた。
「草を使用してみて判断するか、シュガー様自身が草を調べる方法です。安全なのは後者ですが、道具を少々必要になるので、最初のうちはお店で鑑定してもらい、ゼニーに余裕が生まれたら道具を購入して調査する方法がいいとおもいます。」
と教えてくれた。
「わかりました。では、今日は昨日の草の鑑定をしてもらい、またレベルアップをしようと思います。ちなみに、何かお勧めはありますか?」
と聞いてみた。
「畏まりました。では、道具屋で鑑定してもらい、レベルアップですね。」
とシャインが言ったら、メールの返事が来た
「シュガー様、リリア様よりメールが来ました。ご確認をお願いいたします。」
といわれた。
「わかった。ちょっと待っててね。」
と返事をし、メールの確認をしてみた。
〔親愛なるシュガー様へ
早速の返信嬉しいです。本日はシュガー様は予定はありますか?もし無いのでしたら一緒にレベルアップしませんか?一応私とサポートキャラの2人でするので、良かったらと思いまして連絡しました。ご返信いただけると嬉しいです。
リリア〕
というメールだった。
なるほど。彼女も一緒に行けば効率良いかな??
「えっと、シャインさん。リリアという昨日の子からのメールで一緒にレベルアップしませんかという誘いですが、どうしますか?」
と聞いてみた。一応彼女も意思はあるので、嫌われたくないので聞いてみた。
「シュガー様が良いのでしたら一緒で大丈夫ですよ。」
といわれた。
ならばと思い、一緒に行くことにしました。
リリアとはこれからギルドでの待ち合わせにして、シャインさんと一緒に向かいました。
「あ、シュガー様。昨日はありがとうございました。」
と元気に挨拶されてしまった。
「リリアさん、昨日はお互い無事でよかったです。えっと、とりあえず討伐依頼受けましょうか?」
と聞いてみた。
「ハイ。お願いします。」
といわれ、依頼を受けることにした。
「シャインさん、今日はどれがいいですか?」
と聞いてみた。もちろん昨日もだが、彼女は色々教えてくれるので聞いてみた。
「今日は昨日と違い、人数も多いので、薬草の依頼の他にビックベアーの討伐依頼なんかはいかがでしょうか?」
といわれた。
リリアさんはそれを聞いて、少々引きつっていた。
「ビックベアーかなり強いよ。」
といわれた。
「リリアさんは装備整えれば強くなりますよ。僕もいるのでビックベアーと試しに戦ってみましょう。」
といい、ビックベアー討伐依頼最低3体(1体辺り50ゼニーの報奨金)と薬草採取依頼の最低10枚(1枚辺り10ゼニーの報奨金)を受けることにしたのだった。
そして、ギルドから出ると軽く雑談をしながら道具屋に向かっていった。
雑談の内容は、ゲームの事だったが、主にどうしてそれなりの武器をしているのか?という部分だった。
もちろん、リリアさんには正直に答えたが、リリアさんはメグミさんというサポートキャラに訓練所のことを教えてもらえなかったみたいで、彼女に対して少々にらんでいたのだった。
そんなこんながあり、無事に道具屋についた。もちろんリリアさん達も草の鑑定があったからついてきたのだった。
そして鑑定してもらったが、中々面白い結果になった。ちなみに、鑑定は一律20ゼニーだった。
なぞの草1×8枚は上薬草
なぞの草2×3枚は毒消し草
なぞの草3×2枚は加速草
という結果だった。
効果は文字のとおり回復と毒消しとスピード強化だ。
なるほど。いい結果ですね。
「こっちはいい状態だけど、リリアさんはどうですか?」
と聞いてみた。
「私は、上薬草とちょっとした強化用の草でした。とりあえずこれを売って防具と武器を買います・・・。」
と嘆き気味に言ってきた。
まぁ、最初のチュートリアルみたいなのを出来なかったので嘆きたくなる気持ちもわかるけどね。
そして、僕たちは武器屋に行くのだった。
「へい、らっしゃい。いい武器あるよ。って、昨日来たあんちゃんか。また買い物か?」
と言われたが、彼は本当にAIか?と思うくらいの会話力だ。
「今日は、矢を30本お願いします。後、彼女達にいい武器あればお願いします。」
とお願いしてみた。矢は合計で60ゼニーなので安心して購入できた。
「リリアさん、どうですか?」
と聞いてみた。
「私は最初に手に入れた剣で良いかなと思ったんだけどなぁ・・・。」
そういわれたので、念のための確認をしてみた。
「シャインさん、ほかの方の種族の情報ですが、聞いてもいいですか?」
と聞いてみた。
「シュガー様の聞きたいことですね。かしこまりました。小人族は短剣や弓矢、杖が向いています。ちなみに、リリア様的には魔法が良いと思いますので杖と弓矢がよろしいと思います。妖精族は短剣か杖になります。正直な話、結構バランス的に後衛が多くなり、シュガー様の仕事が増えてしまい、大変になるかと思いますが、両名とも杖をメインにしたほうが良いと思います。妖精族のメグミさんでしたね。あなたと私でリリア様に魔法を教えれば良いと思います。いかがでしょうか?」
といわれた。
このゲームのAIの育ちすごい。本当の秘書のような感じがしてきた。でも、彼女は俺の相棒だから避暑ではないんですがね。
「というわけだから、剣は短剣にして、弓矢と杖買ったほうがいいよ。もしあれなら回復アイテムはこっちの分をあげるからさ。」
と言ってあげた。
「良いの?でも、貰うのは悪いから、今度返すから貸してほしいな。」
といわれた。
「OK。アイテムのやり取りするからちょっとこっち来てもらっても良いですか?」
と言い、近くに来てもらい、薬草と回復薬を5個渡した。
「では、武器も良いかな?」
というと、みんなうなずいてくれた。
「そういえば、武器屋さん、ちょっと良いですか?」
と武器屋のご主人に声をかけた。
「なんだい。」
といわれたので、ちょっとした試しをしてみた。
「矢なんですが、鏃の金属をもう少し硬い素材に替えられませんか?ちょっとこれから先大変になると思うので・・・。」
と言ってみた。
「なるほどな。素材集めるが、あんちゃんのほうでも集めてほしいな。金属は何でもって訳にはいかないけど、鉄か銀が希望だな。」
といわれた。
「わかりました。集められたら少しでも集めますが、今日はすでに別なクエストを受注しているので、そちらになりますが、明日以降徐々に集めさせていただきますね。」
といった。
「それで良いぜ。宜しくな。あんちゃん。」
と言われた。
「あ、僕の名前はシュガーです。改めて宜しくお願いします。」
と挨拶をした。
「お、了解。俺は武器屋の親父だが、名前はイフリートって名前だ。宜しくな。」
と言われた。
お互い握手をして、武器屋を出たのだった。
そして、そのまま防具屋に行ったが、女性3人が防具(見た目が変わるので洋服と捕らえてもらいたい)を買いに行ってるので、こっちは外で待っていた。もちろんノゾキなんかはしませんよ。男のロマンだとしてもね。
そして、少々明るい色の防具に身を纏った2人とシャインが出てきた。
出てきたころにはすごく仲良くなっていた。
そして、これからの討伐に向かうのだった。
道中は薬草を集めつつ向かっていった。
シャインとメグミはすでに14枚集めていた。
リリアもすでに11枚だった。
僕のみ5枚だった。
でも、上薬草が20枚採取していた。
もちろんほかの3人も集まっていたが、みんなは大体7枚とかだ。
「薬草どうする?私たちの渡そうか?」
といわれたが、悩んだ。そして、
「上薬草と交換でお願いします。」
とお願いして、薬草をノルマ分は確保したのだった。
そして、ノルマが終わったタイミングで小休憩を取ることにしたのだった。
「そういえば、空腹度と水分度ってシステムもなかなか面白いよね。」
とリリアだった。
「確かに。これは現実と思ってしまいそうになるんだよね。」
と僕が返事をした。
「だよね。そういえば、あくまでもうわさだけど、きちんとログアウトしないと24時間以上の人たちは一気に動きの速度や力が落ちて、体力とかも徐々になくなっていくというシステムだといううわさが流れてたよ。」
とリリアだ。彼女は僕と「町」で「町」あわせをしている時に、そう話している人がいたらしいのだった。
「そうなの?シャインさんやメグミさんのところにはそういった情報ありますか?」
と聞いてみた。
「私のほうには無いかな?シャインちゃんは?
とメグミさんだ。
「私のほうにはその情報入っていますね。管理者が無理をさせないための仕様らしいですね。」
とシャインさんだ。
「ちょっとごめんね。サポートキャラでも情報の量違うの?」
とリリアさんだ。
「わたしの場合は、シュガー様が興味を持つと聞かれる可能性が高いので、あらゆることを情報として持っています。今現在はどのサポートキャラよりも情報を持っていると思います。」
とシャキーンという音が似合うようなりりしさがある状態で答えてくれた。
「いろいろすいません。」
と謝っておいた。
「気にしないでください。いろいろな情報を集めることも楽しいので。」
といってくれた。
「ありがとう。本当に頼りにしてるね。」
と答えた。
シャインは少し頬が赤くなっていた。風邪かな?と思っていたら、リリアさんが
「私たちいるのにいちゃつかないでね。」
と言って来た。いちゃついているつもりは無いのになぁ・・・。
そんなこんなで休憩が終わり、待ちに待った狩りの時間だ。
「じゃあ、最初はみんなで矢で攻撃をして、近づいたら僕は剣で、リリアさんとシャインさんとメグミさんは魔法でお願いします。なるべく攻撃の的は僕がなるようにするから、無理そうなら逃げてね。」
といっておいた。
「私の場合は逃げるという選択肢は却下させて頂きます。」
というのはシャインさんだ。
「わかりました。でも、無理は絶対にだめですので気をつけてくださいね。」
と言っておいた。
そして、ビックベアーの狩りの時間になった。
予定通りみんなで矢で攻撃し、近くになったら僕は剣で、ほかのみんなは魔法で攻撃をしていた。
そして、時間はかかったが、予定より多くの時間がかかったが、8体倒したのだった。
「じゃあ、予定通り魔石は半分づつね。」
といい、4個をリリアに渡したのだった。
「私たちは3個でいいよ。活躍できてないし。」
とリリアは言って来た。
「仲間だからこそ差をつけないんだよ。これで僕が多くもらったらもう組みたくなくなるかも知れないし、対等の関係ではなくなってしまうのがいやなんだ。」
といい、リリアは少し不満がありそうだったが、納得はしてくれた。
「シュガー様、そろそろお時間がきておりますので、終わりませんか?」
とシャインさんだ。
もちろん、時間は睡眠時間だ。
「時間も時間だし、ギルドに報告して解散にしましょう。」
と言い、みんなでギルドに向かおうとしたときに言われた。
「シュガーさん、良かったらフレンド登録してもいいですか?弱いけどまた一緒にクエストとかしたいです。」
と言われた。
もちろん断るつもりはないので、即こちらから申請を送った。
「こっちこそ宜しくお願いします。」
といい、挨拶しながら、手を差し伸べた。
握手だ。
握手をし、そして、ギルドに向かい、報告後解散をし、僕はログアウトをしたのだった。