第1話 プロローグ
はじめまして。
2ツノ心と言います。初めて投稿する小説でとても緊張しています。
評価をよろしくお願いします。
プロローグ
広大な砂漠に囲まれた街がある。人々が憩いを求める街だ。
しかし、今は真黒な煙が街のいたるところで空にむかってたち昇っている。
黒い煙の合間から見える蒼い空には、幾重の機影を残して戦闘が繰り広げられている。戦闘の合間には爆弾が、地上を襲う。
地上で爆弾が炸裂するたびに、人々の叫び声が無かったかのように消されていく。石造りの家に爆弾が当たると、大きな塊となり逃げ惑う人々を容赦無く襲う。
人の姿がまばらになった通りには大きな穴がいくつも開いている。道の傍らには、大小のガレキが無惨な姿で散らばっている。
そんな中を、4才ぐらいの少女が泣きながらさまよっている。
「おとーさん。おかーさん。どこー」
少女の叫びは遠くまで響いている。
しかし、はぐれてしまった父と母の返事はない。聞こえてくるのは、戦闘の音だけだ。
「おと――」
少女がもう1回叫ぼうとしたとき男の大きな手が彼女の口をおさえた。
男の人は少女の口をおさえたまま脇に抱え上げ、通りから細い道へ連れ去ってしまった。
細い道は曲がりくねって迷路になっている。いくらか進むと、地下へ行く階段が見えてきた。男の人は少女を抱えたまま、その階段を降りて行った。
地下には、多くの人が避難している。男の人は脇に抱えてた、少女を地に降ろした。
1人の女の子が、放心してしまった少女に近づいて来た。そして、柔らかい声で少女を労った。
男の人は大人と話し合っている。そして、大人の1人が、意を決した顔でここにいる人に聞こえる小さな声で何かを言った。
そして、ここにいる人達が、男の人を残して地下の奥へ消えて行った。