遊ぼう……
ということで何を隠そう、自分はスロットをやる人間だ。世の中にはスロットで稼ぐ奴とかが居るらしい。けども、自分は遊びに来た身だ。かと言ってもスロットをやる技術は持っているから半々の身なのかもしれない。自分は某週間少年雑誌の警官に似てるのかもしれない。
「おっと……アイツ居るじゃないか」
と、お見えになったのは友人の鷹見 亨
鷹見とは高校時代に席が隣通しになった仲だ、学校の食堂で
「隣いいか?」
「おう、別に」
という会話からこいつとの付き合いが始まった、自分自身オーバーに好きって訳じゃないから友人止まりだ。
そして、自分は隣の台に座る
一言
「うぃーす」と大きな声で鷹見に喋りかけた。
スロット店というのはジャンジャンバリバリとうるさい所であるのでかなり大声を出さないと聞こえない。聞こえてもかすり声ぐらいにしか聞こえないが
「おぅ、名柄川じゃないか、どうした」
「自分も暇になってな」
「お前毎日暇じゃないのか……」
「まぁな」
そして名柄川羽海はスロット台のデータカウンターの更なる上、箱が置いてある所に目をつけた。
「一箱出てるじゃないか、それなのに続いてねぇのか?」
「うーん、それなりに出てたけどね」
「ほほぅ、朝から並んで打ってると見た」
鷹見はウッと顔を顰める
「それで失った諭吉さんをこの台に掛けてると見た」
「お前には敵わないな、その通り」
「じゃあ自分は隣で打つから」
自分もスロット台の右隣にあるサンドという機械に一万円を入れ打ち始める。勿論、鷹見と同じスロット台のスペックである。
――三時間後
スロット台というのは前者に言ったスペックというものがあり、一見同じように言えるが、一台毎に中身が違う、ある人は調子と考えるが、それも言える。だが、中身を変えてるのは人間である。サイコロの様に設定が1~6とあり、最低が1で最高が6そして人間の運で左右される、用語で言うと「引き」というものである。
そう、名柄川羽海は引きが強い、そして鷹見亨は引きが弱い。それから名柄川羽海のが設定というのが高く、鷹見亨のは微妙だったらしい。
名柄川羽海 ドル箱 三箱
鷹見亨 ドル箱 無し
結果は見て当然だった。