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第二章〜犠牲〜

敗戦から一年が経過した。

この日、レオンは地下街でホーンデット軍に対抗するために武器の制作をしていた。

「あともう少し………よ〜し出来たぞぉ〜名付けて、ザードブレード。」

レオンはこれを含めて、五つ目になる武器を開発した。

だがレオンが作った武器はどれも普通の剣で、得に

「ホーンデット軍に対抗できる」

って訳でもない。その時、後ろのドアの所で笑い声が聞こえた。

「またしょうもないやつ作りやがって。」

レオンの友達、ランセンが言った。

「何がしょうもないだ!この剣は凄いんだぞ」

怒鳴り気味でレオンは言った。

「凄い?魔法でも使えるのかい?」

この一言でレオンは黙り込んでしまった。

沈黙が流れる……。だがすぐに沈黙は破られる。コンコン。

「中に入るぞ」

ドアが開いた。レオンの親友、ディニーだ。

「地下連合本部に続く穴が完成したぞ」

ディニーが言った。その時にランセンは、部屋から何も言わず出て行ってしまった。

「チッ何だよ」

ディニーは言った。ディニーはレオンの顔を見て、どんな状況だったかすぐに理解した。

「ランセンとケンカしたんだな?どうして?」

「べっ別にたいしたことないよ!それと、もう俺…武器を開発するの辞めるよ……」

レオンが言った。

「何で?続けろよ!」

ディニーは強く言った。返事はなく、レオンは再び、黙り込んでしまった。

「なぁ!レオ…」

「一人にしてくれないか?ゴメン」

割り込むようにレオンは、言った。

「分かったよ。でも開発やめんなよ。」

ディニーが言った。

しかしレオンの返事は無かった。

ディニーが部屋から出て行くと、そのままベットに飛び込んで寝てしまった…。

その頃、ランセンは地下街の中央ホールの休憩所の椅子にもたれ掛かって、考え込んでいた。

「あんなガラクタでホーンデットの野郎に勝てる訳ねぇだろ。何考えてるんだアイツ」

独り言をつぶやいていた。その時、

「ここに居たのか、ランセン!探したんだぞ。」

ディニーが随分探したような顔をした。

そのままランセンの隣に座って、バーのマスターにワインを注文した。

「何の用だ?さっきのことか?」

ランセンがディニーに聞いた。

「そうだ、どうしてケンカをした?」

するとランセンが

「レオンは、ホーンデットの奴らを舐めてる。あんなガラクタ同然の物で勝とう、何て思ったら必ず命を落とす、俺の親父みたいにな!」

「親父?どういうことだ?」

ディニーが言った。

「俺の親父は一年前の戦争の時に、第一騎士団の隊長をやっていたんだ、戦争に行く前は、悪魔なんて弱いもんだとか抜かしていたが、いざ戦争になると苦戦をしいられ、あげくの果てには敗戦。結局、親父は二度と帰っては来なかった。俺は悪魔達を舐めてたから負けたんだと思っている。だからレオンにはそうなってほしくなかったんだ。」

ランセンは真剣に言った。

「俺は、レオンが悪魔達を舐めてはいないと俺は思うがな。アイツはアイツなりに頑張ってるし」

ディニーが言った。

「どういうことだ?」

ランセンが聞いた。するとディニーが席を立ち

「もうそろそろ部屋に戻るわ!あと、レオンのことは自分で考えるんだな。」

そう言い残し、休憩所を後にした。

ランセンは再び、深く考えこんでしまった…。

そして、しばらくするとランセンは席を立ち自分の部屋に戻って行った。

その頃、レオンは眠りから覚め、自分の開発した五つの武器を眺めていた。

「しょうもないかぁ…俺の武器…」

レオンはため息をついた。そして、何かを思いついた顔をして

「よし!全部、土に埋めることにしよう。そうすれば、全部忘れることができるし」

レオンはベットから跳び起き、五つの武器が入る所を探していた。

「ここでいいかな。」

部屋のタンスをどかし、スコップで穴を掘り始めた。とっその時、

「ガツン!」

と鈍い音が鳴った。

「んっ?なんかあるのかな?」

レオンはスコップで掘るのを止めて、音が鳴ったと思われる所を手で掘り始めた。

しばらく掘り続けていると箱らしきものの角が見えてきて、箱だと確証した。

「何だ、ただの箱か…」

レオンは言った。

その箱は土がこびりついていて、レオンはその土を取るのにとても、てこずった。

だが数分が経つと、ようやく土が取れ、箱が開けれるようになった。

「ふぅ〜。やっと開いたか、早速開けるぞ。うん?もしかしたらお宝かも」

呑気なことを言いながら、箱を開けた。すると中から一冊の本が出てきた。

「なーんだお宝じゃねぇし。」

悲しそうな顔をして、箱から本をとり出し、手に持った。

その本は赤く、表紙に十字架が描かれていた。

「これ聖書かな?」

レオンは思った。そのままページをめくっていくと気になるページを見つけた。

「これって…悪魔に、似てるかも…」

レオンはそのページをさらに声に出して詳しく読み始めた。

「この世が再び闇にそまる時……人間達は、

「クロスレンズを開発し悪を封じ込め、この本を開けし者が世界を救う…。救う?開けし者…それってまさか…俺のこと?うそだろ?」

レオンの手は汗でにじんでいた。

「そ…そうだ、ランセンとディニーを呼んでこようっ」

レオンは聖書をベットの枕の下に隠し、走って部屋を出た。

最初に向かったのは、ランセンの部屋だった。

中央ホールを抜けて訓練所を右に曲がるとランセンの部屋が見えてくる。レオンはノックをしずにドアを開けた。

「ランセン!凄いの見つけたんだ、ついて来てくれ!」

ランセンはビックリしたのか、ビクっとドアを見た。

「ちゃんとノックしろよ!ビックリするじゃねーか。」

ランセンは怒鳴りながら言った。

「ゴメン、でも本当に凄いからお願い!」

「ったく、どんなものか知らねぇーけど分かったよ。」

「本当に?ありがと!」

レオンは言った。

ランセンとレオンは次にディニーの部屋に向かった。

部屋には着いたが、ディニーは居なかった。

しかたなく二人でレオンの部屋に行くことにした。

「ディニーどこにいったんだろ?ん?俺の部屋に誰か居るぞ?」

レオンは言った。部屋の中に居たのは、ディニーだった。

「ようレオン、部屋の前で呼んでも居なかったんで勝手に入ったよ。」

「別にいいよ。それより凄いの見つけたんだ!」

「さっきからこればかり言ってるんだ。」

ランセンが言った。レオンは枕の下に隠していた聖書を皆に見せた。

「クロスレンズ?何だそれ?」

ランセンが言った。

「悪に対抗出来るか…本当かな?」

ディニーは言った。さらに、

「世界を救う」

と書いてあるページを見せた。

「ふん、ばかばかしい。お前が世界を救うなど、有り得る訳がない。」

ランセンは微笑をしながら言った。

「そうだよレオン。あまり気にすんな」

ディニーはレオンの肩を叩きながら言った。

「そうだよね。だだの迷信に過ぎないよね」

レオンは安心したのか、ため息を吐いた。

「用件はそれだけか?ないなら部屋に戻る」

ランセンが言った。

「俺も帰るわ、それじゃまた今度来るわ」

皆が部屋から出ようとしたその時、ドーン。ものすごい大きな音が地下街に鳴り響いた。

「何だ今の音は?」

ランセンは部屋の外を見てみた。

すると、地下街の上部にぽっかりと大きな穴が開いていた。

「どうして穴が?」

地下街の住民は皆揃えて上を見上げている。

その時だった。

穴から、黒い何かが大量に落ちてきた。皆が恐れていたことがついに起こった。

「ホ、ホーンデット軍だ!」

ランセンは以上な反応を示した。

「マジかよ……」

ランセンはドアを閉め、タンスや椅子などをドアの前に置いた。

「何ぼーとしてんだよ!お前らも手伝えよ!」

レオン達はあまりの恐怖に足を動かすことが出来なかった。

「おい!」

この一言で、ようやく声に気付き、レオン達はベットなどをドアの前に運びだした。

「レオン!お前が作った剣を貸せ!」

ランセンは言った。

「わ、分かった、ディニーお前も俺の剣を持つんだ!」

レオンは捨てようとしていた剣を取り、一人づつ渡した。

「よし、もう一つのドアから、本部に繋がっているトンネルに向かうんだ!俺が援護する。それとレオン、聖書も一緒に持ってゆけ!」

レオン達はドアの前に立った。

「合図をだしたら、ダッシュで走るんだぞ!分かったな?行くぞ…1、2、3今だ!」

ドアを突き破り、トンネルに向かってダッシュに走り始めた。

後ろからついてくる、悪魔を一人、二人とランセンは切って行き、レオン達を援護した。

「よし、もうすぐトンネルだ!頑張れディニー」

レオンは言った。

第二ホールを左に曲がり、トンネルが見えてきた。

トンネルの入口では、地下街守備隊が必死にホーンデット軍の侵入を阻止していた。

レオン達の存在に気付いたのか、守備隊がレオン達をトンネルに入れるため、道を作り始めた。

「君たち!今がチャンスだ!早く中に入れ!」

レオン達は守備兵が作ってくれた道を通り、何とかトンネルにたどり着いた。

「駄目だ!これ以上耐え切れん!本部へ続くトンネルの門を閉める!」

守備隊長が言った。

「待ってください!まだ…ランセンが残っています!もう少し待って下さい!」

レオンは言った。

「スマンがそれは出来ない…本当にスマン…許してくれ…門を閉めろ!」

その時だった。第二ホールの横で立っているランセンが見えた。レオンは必死に叫んだ。

「ランセーン!何立ってんだ!早く走って来いよ!ラン……」


レオンは声が枯れていた。その時ランセンの声が聞こえた。

「ゴメン、レオン…俺はここでやらなきゃいけないことがある。だからそこには行けない……。あと、お前が作った剣なかなか良いじゃねぇか。それじゃ……バィバィ…」

ランセンは泣きながら言った。除々に門が閉じるなか、

「ランセン待ってくれ!お願いだから……」

レオンの目には大量の涙が溢れていた。

「そして門が閉まる瞬間、微かに、

「ありがとう…」

と言う声がした。

今の言葉を聞いて、レオンは泣きながらしゃがみ込んでしまった。

そして完全に門は締まってしまった…。

次の瞬間、ランセンが地下街を崩し本部への道を完全に閉ざした…。トンネル内は涙で溢れ帰っていた。そしてレオン達は本部へと歩き出した。

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