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MAIN TRAFFIC1  作者: 浜北の「ひかり」
Kishikawa High School Episode:2
94/184

94列車 瀬戸学院で

 11月20日。今日は瀬戸学院(せとがくいん)大学のほうで文化祭がある。文化祭は明日の21日まで開催される。

 しかし、一つだけこちらとして嬉しいことがある。20日は第3土曜日。第3土曜日は90分授業があるため、とても面倒くさい。それを30分受けたらスルーできるのだ。

「先生。あの時間。」

旭川(あさひかわ)先生に話しかけづらいように話しかける。

「分かった。行って来い。」

旭川(あさひかわ)はそういうと僕たちにすぐに行けと命令した。

「じゃあ、行こうか。」

木ノ本(きのもと)が声をかける。

「おいおい。永島(ながしま)達ずるいぞ。サボりなんて。」

クラスのお調子者がそう言う。

「サボってんじゃねぇよ。」

その声が終わると他の人からもそういう声が聞こえてきた。なんかブーイングを食らっている感じがするが、仕方がないことだ。

「じゃあ、行ってまいります。」

ちょっと敬礼じみたことをして教室を出た。

永島(ながしま)君いいなぁ・・・。)

その後ろ姿を永原(ながはら)は見送った。

「おい、早くいかねぇとまずいんじゃないか。」

醒ヶ井(さめがい)が話しかける。

 その頃には僕たちは走って3階を横切っていた。僕たちの教室2年6組は3階の東から2番目の教室。途中に7組、8組、9組とある。授業をしている傍らを通過するとなぜかこっちを見てくる視線を感じて、なんか通りづらい。だから、速足で駆ける。

 階段を素早く降りて、そのまま昇降口に行く。昇降口で靴を履き替え、その先に続く階段を駆け下り、北門のほうへ走った。もうそこにはアド先生と柊木(ひいらぎ)たちの姿もある。なお、中学生の姿はここにはない。

「それじゃあ、永島(ながしま)君と北石(きたいし)君と柊木(ひいらぎ)君と(はやぶさ)君と潮ノ谷(しおのや)君は乗ってください。」

アド先生が声をかける。

「他の人は自転車でお願いします。箕島(みしま)君。場所はどこだかわかりますね。」

「はい。」

「それじゃあ、私たちは先に行きます。」

と言ってアド先生が車に乗り込む。僕は助手席に乗り込み、(はやぶさ)が一番後ろに、真ん中に柊木(ひいらぎ)潮ノ谷(しおのや)北石(きたいし)が乗り込んだ。

 その頃自転車に乗っていく箕島(みしま)木ノ本(きのもと)留萌(るもい)醒ヶ井(さめがい)が学校を出た。

「それじゃあ行きます。」

アド先生はそう言いウィッシュのエンジンをかけた。

 岸川の近くにある短期大学部の校舎あたりで先行する箕島(みしま)たちを追い抜き、一路瀬戸学院(せとがくいん)を目指す。瀬戸学院(せとがくいん)に到着するとアド先生は校舎の裏側の駐車場に車をまわす。そこで車を降り、僕たちは展示室に向かった。

 1204号室。

永島(ながしま)まずは何走らせる。」

留萌(るもい)が僕に聞いた。

「まずは313系でいいでしょ。」

「そうだな。」

と言ってるもいは僕に313系の箱を渡した。留萌(るもい)は車両には詳しいが基本模型をいじらないからだ。

 僕は313系(5000番台)を並べる。

留萌(るもい)。どっかに0番台(313系)のは来ない。その中からさぁ300番台(313系)とって。」

「分かった。」

留萌(るもい)はそう言って箱を探し始めた。

「ナガシィ先輩外はどうしたらいいですか。」

「外。・・・。外は・・・311系(サンイチイチ)あるかなぁ。それでいいよ。」

僕は柊木(ひいらぎ)に指示を出した。

 10時。文化祭が始まる。ポツリ、ポツリと人は来ていたが、これから多くなるのだ。

 だが、そう多くならないというのが実情だった。そんなに人がくることはない。

「ナガシィ先輩。これどう思いますか。」

誰も来ないことを言い(はやぶさ)が話しかけてきた。

 (はやぶさ)は自分の携帯電話(けいたいでんわ)の画面を僕に見せる。そして始まったものが・・・、

東京(とうきょう)品川(しながわ)新横浜(しんよこはま)小田原(おだわら)熱海(あたみ)三島(みしま)新富士(しんふじ)静岡(しずおか)。」

TOKIOのAMBITIOUS(アンビシャス) JAPAN(ジャパン)!の歌詞に東海道・山陽新幹線の駅名が告げられている。実際にある動画です。引用させていただきました。

掛川(かけがわ)浜松(はままつ)豊橋(とよはし)三河安城(みかわあんじょう)名古屋(なごや)岐阜羽島(ぎふはしま)米原(まいばら)京都(きょうと)新大阪(しんおおさか)新神戸(しんこうべ)西明石(にしあかし)姫路(ひめじ)相生(あいおい)岡山(おかやま)新倉敷(しんくらしき)福山(ふくやま)新尾道(しんおのみち)三原(みはら)東広島(ひがしひろしま)広島(ひろしま)新岩国(しんいわくに)徳山(とくやま)新山口(しんやまぐち)厚狭(あさ)新下関(しんしものせき)小倉(おぐら)博多(はかた)博多(はかた)(みなみ)―。」

「なんか違ったような。」

「ああ。はい。これ小倉(こくら)のとこ小倉(おぐら)って呼んでますから。」

「・・・。」

「俺の場合はこれは小倉(こくら)としか読めないけど・・・。」

というのは中学3年生の時まで羊羹(ようかん)小倉(おぐら)小倉(こくら)と呼んでいたからだ。僕はその時までこれは小倉(こくら)以外読み方がないと思っていたからだ。

「でも、リズムに乗って覚えられるっていうのはいいよね。」

隣にいた留萌(るもい)が言った。

「はい。あたしもこれで少しは覚えようとしてるんですけど、順番が怪しくて。」

というと、

「誰かこの中で山陽本線(さんようほんせん)の駅名全部わかってる人いませんか。」

と聞いた。

「いや、全部はいないけど。」

留萌(るもい)がソッコウで否定する。

「ですよねぇ。さくら先輩はこっちじゃありませんもんねぇ。」

北石(きたいし)柊木(ひいらぎ)も分からないし・・・。」

「・・・。」

一瞬覚えようかなぁっと思った。

「他にもあるのか。」

「はい。小倉(こくら)から姫路(ひめじ)まで言っていくのとか。結構いろいろあります。」

(はやぶさ)はそういうと他の動画も流してくれた。

 今度の曲は「LEVEL5 –judgelight-」らしい。木ノ本(きのもと)が言っていた。

姫路(ひめじ)御着(ごちゃく)、ひめじ別所(べっしょ)曽根(そね)宝殿(ほうでん)加古川(かこがわ)東加古川(ひがしかこがわ)土山(つちやま)魚住(うおずみ)大久保(おおくぼ)西明石(にしあかし)明石(あかし)朝霧(あさぎり)舞子(まいこ)垂水(たるみ)塩屋(しおや)須磨(すま)―。」

これは作った人に感心する。

 そのあとこの動画は米原(まいばら)までの駅をすべて言っていった。

「これ作った人すごいよなぁ・・・。」

傍らで留萌(るもい)が言っていた。

「・・・。」

これは僕の個人的感想だが、コメントに書いてある通り、歌で覚えられるというのはいいだろう。しかし、少し強引過ぎるのではというところも少し感じた。

 なお、この動画も実際にあります。

 (はやぶさ)にこの動画を見せてもらった後、僕たちは展示のほうに没頭した。

「おい、そろそろ行かないか。貨物。」

「いいね。」

と言って僕はカバンのほうに歩いて行った。実をいうと今日は駿(しゅん)兄ちゃんのコキ26両を持ってきている。

 それを見るなり、柊木(ひいらぎ)が、

「それ使うんですか。」

と言った。

「別にいいだろ。これでやっても変わらないんだから。」

「よし、じゃあ、内外両方で貨物やるか。」

留萌(るもい)がそう提案する。

「いいね。」

「おいおい、やめろって。」

箕島(みしま)が止めようとするのを押し切って、僕たちはコキを並べ始める。外側に学校のコキ350000形+コキ250000形+コキ104形+コキ106形の高速貨物26両を。内側にコキ103+コキ102形の4両ユニット+コキ105形の2両ユニット+コキ104形+コキ106形+コキ107形+コキ110形の26両を並べる。牽引の担当は内外両方共にEF210。

「よし。出発(しゅっぱつ)進行(しんこう)。」

と声をかけ、内回りの貨物列車を発車される。それとほぼ同じタイミングで子供を連れた人たちが中に入ってきた。

「ナゲェ。」

子供たちはモジュールによって来ると一様にそう声を上げた。

「よし。外もオーケイ。北石(きたいし)行っていいよ。」

柊木(ひいらぎ)が声を上げた。

「了解。」

北石(きたいし)はそれにこたえ、コントローラーのつまみをまわす。

 送られてくる電気にこたえEF210が動く。するとすぐにスピードに乗って走り出した。

 子供たちは走っている車両を追ってモジュールの周りを移動する。

浩太(こうた)。すごく長い列車が走ってるよ。」

親と思われる人が子供の話しかけるのを聞く。

「これってどのぐらいつないでるんですか。」

今度は僕たちのほうに話しかけてくる。

「えーと。」

それには木ノ本(きのもと)が答えようとした。だが、何両つないでいるのかすぐには分からなかったらしく。

永島(ながしま)。これっていま何両つないでる。」

「26両。」

「26両だそうです。」

「すごい。26両つないでるんだって。」

「実際にこのぐらい長い貨物列車が夜に走っていたりしますから。」

木ノ本(きのもと)はさらに説明を続けた。

 すると青木(おおぎ)さんともう一人1年位前に見た人が部屋に入ってきた。

「おいおい。長いのやってるなぁ。」

青木(おおぎ)さんはそう言った。

「まぁ、いいんじゃないか。楽しそうで。」

もう一人の人が青木(おおぎ)さんに話しかける。

「おい。外回りのコキ並べたやつ誰だ。」

その人がいきなり声を上げた。柊木(ひいらぎ)が僕ですと答えると、

「コキ101はコキ100と組まないと編成メチャクチャだろうが。」

と言った。

「おい。膳所(ぜぜ)。そんなところまで見る人はいないって。」

「気になるんです。」

膳所(ぜぜ)さんはそういうと北石(きたいし)に止めるようにいい。編成を正しく直して、走らせた。

「・・・。」

 そのあと膳所(ぜぜ)さんは内回りを走っているコキの向きもちゃんと調べてくれた。

(さすが(みなみ)先輩だな。ちゃんと並んでる。)

「これ並べたの誰。」

「あっ。僕です。」

答える。

(みなみ)さんって人知ってるかなぁ。」

「えっ。知ってますけど・・・。」

「やっぱり。」

膳所(ぜぜ)さんはそう答えた。なんかOBに聞かれることのほとんどが最初これのような気がするが・・・。

「これ本当の1300t(トン)だもんなぁ・・・。あの人には本当に感心するよ。よくここまで集めたなぁってさ。」

それは本物にたとえたらの話である。

「でも実際のるのは40t(トン)位なんだから本物の1300t(トン)なんてないんだけどなぁ。」

青木(おおぎ)さんがツッコんだ。

「そこを言っちゃおしまいでしょ。」

「・・・。」

1日目の展示はこんな感じですぎていった。

 2日目。21日もそんなに客が来ない状況で展示を行った。

 その後片付け。長方形に並べた机を元通りに並べなおす。端が2列席で、真ん中が3列席だといった。その通りに直して、直し終わると、今度はプラレールのほうを元通りに直す。

「おい。ちょっと大きな音するから、鼓膜敗れる準備しとけ。」

瀬戸学院(せとがくいん)猪谷(いのたに)さんがそう声をかける。

「よし。行くぞ。」

同じく瀬戸学院(せとがくいん)真鶴(まなづる)さんがプラレールタワーに手をかけ、

「あーっ。」

と言って倒す。その声は当然裏声だ。

「さぁ、集めろ。集めろ。」

アヤケン先輩が声をかけ、バラバラになったプラレールをある一定の規則にのっとり片付けていく。

「おい。醒ヶ井(さめがい)電池(ますいやく)だ。飲め。」

と言ってアヤケン先輩は大量に入った乾電池を飲まそうとする。

「やめてください。死にます。」

「バカ。死ぬための麻酔薬に決まってるだろ。安心して飲め。」

「安心できません。」

とこんな感じで片づけを続けた。

 その片付けが終わると僕たちが展示していた部屋に戻り、

「お疲れ様です。それではここで解散いたします。」

とアド先生が声をかけた。

「アド先生。」

僕は入口のほうに歩いていくアド先生を呼び止める。この展示で思ったことをそのまま口にした。

「キラキラ展の時にスピーカー持ってったらどうですか。」

「・・・。」

「多分、盛り上がると思います。」

今僕の頭にはそれしかなかった。その後キラキラ展までの間にこれが通ったことを知ることになる。


今回からの登場人物

瀬戸学院の人々

膳所(ぜぜ)(しげる) 誕生日 1989年7月15日 血液型 A型 身長 170cm

猪谷恵也(いのたにけいや) 誕生日 1989年11月27日 血液型 O型 身長 172cm

真鶴(まなづる)彰人(あきと) 誕生日 1989年12月21日 血液型 A型 身長 169cm


今回は岸川学園

宿毛(すくも)佑真(ゆうま)

土佐(とさ)くろしお鉄道(てつどう)宿毛(すくも)駅。


玉名(たまな)恵美(えみ)

鹿児島本線(かごしまほんせん)玉名(たまな)駅。


新城(しんしろ)隆彰(たかあき)

飯田線(いいだせん)新城(しんしろ)駅。


希望(のぞみ)(ひかる)

東海道(とうかいどう)山陽新幹線(さんようしんかんせん)の「のぞみ」。


大垣(おおがき)隆治(たかはる)

東海道本線(とうかいどうほんせん)大垣(おおがき)駅。


長浜(ながはま)(けい)

北陸本線(ほくりくほんせん)長浜(ながはま)駅。


坂田(さかた)篤士(あつし)

北陸本線(ほくりくほんせん)坂田(さかた)駅。


永原(ながはら)(もえ)

湖西線(こせいせん)永原(ながはら)駅。

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