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MAIN TRAFFIC1  作者: 浜北の「ひかり」
Kishikawa High School Episode:2
86/184

86列車 披露と大好き

タイトルの付け方が・・・。変えないと・・・。

 3日目。今日は自由行動。長浜(ながはま)大垣(おおがき)坂田(さかた)醒ヶ井(さめがい)宿毛(すくも)と僕で長崎(ながさき)市内を研修する。バスに乗っていくことになっていたが、その出発するバスに間に合わなかったため別のバスで長崎(ながさき)に向かうことになった。

 その道中の途中で長崎(ながさき)の線路がたくさん見えてくる。ホームはその線路群の向こう側に配置されていて、ここは車庫の状態になっている。

「いるのはキハ200・・・。「シーサイドライナー」と「黒い子」と・・・。」

止まっている車両のことを醒ヶ井(さめがい)に聞かれたため、答える。

「へぇ、電車のこと詳しいんだね。」

ちょうどバスを運転していた人がそう言ってきた。

「はい。こいつ電車のことメチャクチャ詳しいですよ。」

「なんかアナウンスとかできるの。」

「えっ。出来るには出来ますけど・・・。」

ちょっと語尾を濁らせたが自分のアナウンスを披露することになった。当然台本はない。

「じゃあ、始めます。」

まず始めると宣言する。そしたら、本命に入った。

「ご乗車ありがとうございます。今日もJR東海、ご利用いただきまして、誠にありがとうございます。この列車は新快速(しんかいそく)米原(まいばら)行きです。途中停車駅は豊橋(とよはし)までの各駅と、蒲郡(がまごおり)岡崎(おかざき)安城(あんじょう)刈谷(かりや)大府(おおぶ)金山(かなやま)名古屋(なごや)尾張一宮(おわりいちのみや)岐阜(ぎふ)と、岐阜(ぎふ)から終点米原(まいばら)までの各駅に止まってまいります。列車は8両編成です。お手洗いのあります車両は1号車と3号車です。運転手、長浜(ながはま)、車掌、永島(ながしま)が途中豊橋(とよはし)までご案内をいたします。次は高塚(たかつか)高塚(たかつか)です。」

「なんで運転手が俺なんだよ。」

終わるとすぐにツッコまれた。

「固いこと言うなって。」

「すごいなぁ。・・・他のもできる。」

運転手は興味ありげに聞いてくる。それにはもちろんと答えた。結局もう一度言うことになる。

「ご乗車ありがとうございます。今日もJR西日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この列車は新快速(しんかいそく)米原(まいばら)方面、長浜(ながはま)行きです。途中停車駅は加古川(かこがわ)西明石(にしあかし)明石(あかし)神戸(こうべ)三ノ宮(さんのみや)芦屋(あしや)尼崎(あまがさき)大阪(おおさか)新大阪(しんおおさか)高槻(たかつき)京都(きょうと)山科(やましな)大津(おおつ)石山(いしやま)草津(くさつ)守山(もりやま)野洲(やす)近江八幡(おうみはちまん)能登川(のとがわ)彦根(ひこね)米原(まいばら)米原(まいばら)から終点長浜(ながはま)までの各駅です。列車は12両編です。前より8両新快速(しんかいそく)長浜(ながはま)行き。後ろより4両新快速(しんかいそく)米原(まいばら)行きです。お手洗いのあります車両は前より5号車と後ろより1号車です。なお、4号車と5号車の間、車内からの通り抜けできません。あらかじめご了承ください。運転手、坂田(さかた)、車掌、永島(ながしま)が途中大阪(おおさか)までご案内をいたします。次は加古川(かこがわ)加古川(かこがわ)です。」

補足するが、今この新快速(しんかいそく)石山(いしやま)草津(くさつ)間の南草津(みなみくさつ)が停車駅にくわえられている。

「よくそう、台本なしで言えるな。」

「これぐらいふつうだよ。どんなアマでもこれぐらいは言えるさ。大体アナウンスなんてマニュアル化してるんだから。」

マニュアル化しているというのは本当だ。例えば切り口。これは大体同じ。そのあと快速・新快速(しんかいそく)特別快速(とくべつかいそく)急行(きゅうこう)特急(とっきゅう)なら停車駅を告げていく。他に停車予定時刻を告げるのもある。

 その後長崎(ながさき)で下してもらい。自由行動で研修するところをまわる。研修の途中で何度も長崎(ながさき)市電を使うことになるのだが・・・。

路面電車は運転室を客室は分けられていない。簡易的な仕切りがあるだけである。運転士は布らしきもので覆われた向こうにいるのだが、よくその運転操作が聞こえてくる。

「カチャ、カチャ、カチャ、カチャ。」

マスコンを一気に入れた。

 同時に床から「ゴォォォォォ。」っという音が唸りを上げる。

(なんだよ。ここは吊り掛けしかいないのか。)

さっきから乗っている車両は古いということもあるが、全部うるさい。時に新しいそうな車両にも乗るのだが、それも多少うるさい。LRTのような完全に新しい車両は研修中見ただけで乗ることはなかった。

 ここで出てきた単語を説明する。「吊りかけ」とはモーターの設置方式の一つ。よく「吊り掛けモーター」と言うが、これは「モーター」の意味はない。あるとすれば、そのように設置されている「モーター」のことを言っているのかもしれない。

 話がそれたが、「吊り掛け式」とはどういうモーターの設置をしているかというと車輪のギアに対して、モーターのギアが直結されていることを言う。今発達している「カルダン式」とは違いコストを抑えられる。だが、台車にかかった揺れがじかにモーターに伝わってしまうため、モーターの寿命は「カルダン式」よりもはるかに短い。

 もう一つのLRTとは「超低床車(ちょうていしょうしゃ)」のことを言う。基本路面電車のことを言っているわけだが、詳しく言うと路面電車の中でも道路すれすれに床がある車両のことを言う。世界的に今このLRT、もしくは路面電車が地球環境にいいとされ見直されている。

 これは余談だが、浜松(はままつ)にもLRTを建設するという計画がある。

 路面電車に揺られ、回るところをまわり終えてしまったら長崎(ながさき)に戻ってくる。長崎(ながさき)で待っても2時間以上まだ時間がある。広いところに来て、長崎(ながさき)駅のほうを見てみた。

「・・・。」

 目の前に止まっているのは白く丸い鼻の車両。

醒ヶ井(さめがい)。「かもめ」が止まってるぞ。」

醒ヶ井(さめがい)に声をかける。

長浜(ながはま)。ちょっと待って。」

醒ヶ井(さめがい)長浜(ながはま)に声をかけて、二人でそっちに向かった。

 近くまで来ると広場とホームは当然だが、改札で分断されている。そして、中を見てみれば、

留萌(るもい)。」

留萌(るもい)を呼んでこちらに来てもらう。

留萌(るもい)何してんの。」

「何してるって。かわいい「かもめ」を撮ってただけだよ。」

(かわいい「かもめ」ねぇ・・・。)

「どうした。140円払って入ってくればいいじゃん。」

「いや、ちょうどだし、留萌(るもい)こいつ撮ってくんない。」

「別にいいけど。」

留萌(るもい)に了承を得たので、自分の携帯(ケータイ)をズボンのポケットの中から取り出す。カメラ機能を起動させて、

「撮ってくんない。ここの真ん中のボタン押せば撮れるから。」

「わかった。」

留萌(るもい)は僕から携帯(ケータイ)を受け取り885系のほうに歩いていく。数秒後戻ってきて、

「こんな感じだけど。」

と言って僕に見せた。

「ありがとう。」

「俺も頼む。」

というと留萌(るもい)は右手を差し出した。

「撮影料1000円だ。」

「はっ。入場券で入ったほうがよっぽど安上がりじゃないか。」

「ほらほら。撮って欲しかったら1000円払えって。」

「お前なぁ。」

醒ヶ井(さめがい)はそういうとどっかに行って、長浜(ながはま)たちがいるほうに歩いて行った。

「お前はもうお見上げとか買い終わったのか。」

「勝った身決まってるでしょ。もう回りきったからここにいるに決まってるじゃん。」

と言って僕にその袋を見せた。

 それから僕は留萌(るもい)と別れて、お土産を階に行った。自分用には携帯(ケータイ)ストラップでカステラのキャラクター。後は適当に家のものとかを買った。それが終わると本当に暇になる。結局留萌(るもい)のいたところに戻って、また留萌(るもい)と雑談。その後入ってきた783系「かもめ」と気動車のハウステンボス塗装になっている車両を留萌(るもい)に撮ってもらい、そろそろ集合時間となった。

 集合時間に今度は集合できたため、ホテルに直行。またおなじみの反省・感想を書いて、提出。

 その日の夜。僕は3枚も絵に送った。本文には友達に撮ってもらったと付け加えた。

 4日目。今日はハウステンボスと明太子(めんたいこ)作り・・・。

 ハウステンボスに到着したときは783系の「特急ハウステンボス」が撮れるかと思ったが、ハウステンボスと駅は思った以上に離れていたため、すぐにあきらめた。

 辛子(からし)明太子(めんたいこ)づくりでは普段体験することができない明太子(めんたいこ)づくりを体験。食べるととても辛いらしいが、僕は辛いものが苦手である。これは父さんかじいちゃんか駿(しゅん)兄ちゃんが食べるだろうと思いながら作った。

 それを終えたらホテルに。ドアを開けるととても狭いことにびっくりした。去年来た臨地研修でもこんなに狭い部屋には止まっていない。こういうときに都会の狭さというものを実感する。

 というような感じで4日目も終了。

 5日目。太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)に行ったあとに博多(はかた)に赴く。

 太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)ではおみくじをひいたり、お参りしたりした。引いたおみくじは大吉と吉。待人に目が行った。

 一つは「来ます」、もう一つは「後に来る」。

 恐らく自分は「後に来る」というほうを信じたほうがいいかもしれない。

 それがすんだらよいよ帰路に就く。

 博多(はかた)の新幹線改札口を通り抜けたのは13時40分ごろだと思われた。僕は集合しているとき電光掲示に目が行った。それ以外目が行くところはないのかと聞かれると無いと答える以外ないだろう。

(14時04分「ひかり566号」新大阪(しんおおさか)行き・・・。)

「ひかり」の文字の下に「レールスター」と踊っている。

 その後自由に行動していいと聞かされたので、僕は走ってそのホームに向かった。上がるともうすでに「レールスター」はいた。ホーム中ほどにある8号車に行って写真を撮る。残念ながら、光っていたのはヘッドライトではなくテールライトだった。

 それを撮って戻ってくる。集合がかかったのは14時15分。それをし終わったら「のぞみ42号」に乗車するため、ホームに上がる。

 階段を上って博多南(はかたみなみ)方面を見てみた。すると向こうにはヘッドライトがあるのがすぐに分かる。歩いているうちにそのヘッドライトはゆっくりとこちらに近づいてくる。その近づいてくる車両を直感した。

 安全策に近寄り、そのシルエットが本当にそれか確認する。本当にそれだ。すぐに携帯(ケータイ)を出して、カメラ機能を起動する。もうすでに相手は動いている。間に合うか・・・。間に合わないか・・・。

 幸いにも100系の通過より先に携帯電話(けいたいでんわ)を構えることができた。こうなれば、半分はこっちのものだ。

 決定ボタンに指を置く。

(来い。100系・・・。)

近づいてくるのはフレッシュグリーンという色をまとった100系。100系なら白に青いラインのオリジナルカラーがよかったが、そんなこと言っている場合ではない。

 100系が近づいてくる。近づいてくる。

(今だ。)

と思った時に決定ボタンを押した。

 下手に携帯(ケータイ)を追わせないほうがいいと考えそのままにする。

 僕の横を通過する。

 撮った写真が表示される。

 決定ボタンを押してすぐに保存する。

 後ろを構えるかかまえないか一瞬迷った。

 携帯(ケータイ)を走り去っていく方向に向けて、構える。

(さようなら・・・。もう二度と君に逢うことはない・・・。)

誰かがそう言っているように聞こえた。だが、だれもそんなこと言っていない。

 それが僕が手をかけ、押そうとしたことをさせなくなった。

(二度と逢うことはない・・・。どういう意味だ。・・・。そんなことどうでもいいか。)

「俺はお前のことが大好きだー。」

両手を口元に当てて、こう言う。

(えっ。・・・。)

(対象が違うだろ。)

(成程な。)

(・・・。なんかすごく悲しそうだった・・・。二度と逢うことはないかぁ・・・。確かに。そうなんだろうけど・・・。)

(さようなら。君たちにはとってもお世話になったよ。ありがとう・・・。)

 そのすぐあとが入線してくる。乗りこむと結果またD席だったため、すぐにデッキに向かった。新大阪(しんおおさか)到着アナウンスが入るころまでデッキに居続け、「ひかり482号」がくるまでまた立つ。

 「ひかり482号」の到着は「のぞみ42号」の降りたホーム向かい側25番線。ここから発車する。さっき岡山(おかやま)に停車したとき反対側のホームにいた車両が「482号」なのだが、さっきはよくその車両を見ていなかった。なので、これから来る車両がなんなのかわからない。

 17時40分。25番線に到着した新幹線は300系。これもだんだん数が少なくなってきている車両である。これに最初に乗った時は気が高ぶったものだ。それは京都に行った時で息が0系だった。

 席にかけるとまたもD席。結構前から言っているがD席には何の用もない。デッキに行って外を見た。

 車内を見てみればほとんどの人が眠りについている。全員眠いのは分かるが、自分は寝たら負けである。息とさっきの「42号」と同様留萌(るもい)も交えて外を見ていた。新大阪(しんおおさか)を発車する時もうすでにあたりは暗くなっていたため、暗闇の中にある家の電灯と近くの高速道路を走る車のヘッドライトしか見えない。だが、楽しむものはこれだけではないのだ。

 外に押される感覚を覚えるとき、

留萌(るもい)。今のなに。」

700系(カモノハシ)。」

「だろうなぁ・・・。」

「はぁ。東海もだんだん面白くなくなってきたなぁ・・・。」

「・・・。」

 そんなこんなで浜松(はままつ)まで帰ってきた。


引き続き今回もキャラクターの由来とかまぁいろいろ。

木ノ本(きのもと)榛名(はるな)。本作では坂口(さかぐち)永島(ながしま)のキューピットの役割を果たしています。

彼女の名字は北陸本線(ほくりくほんせん)木ノ本(きのもと)駅に由来しますが、名前のほうは長野新幹線(ながのしんかんせん)安中榛名(あんなかはるな)ではありません。名前の榛名(はるな)は僕が中学生の時に興味を持った旧日本海軍の金剛型高速戦艦3番艦榛名(はるな)に由来します。

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