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MAIN TRAFFIC1  作者: 浜北の「ひかり」
Kishikawa High School Episode:2
69/184

69列車 行けるか行けないか

現実と大きく違う個所が多々あります。ご了承ください。

 6月14日。ハクタカに振ってみた。

「ねぇ。どう思う。」

「別にいいんじゃないか。」

ハクタカからはこれが返ってきた。今いる場所は部室・・・。

「・・・。そうじゃなくて、もっと具体的な意見無いの。バカタカ。」

「バカタカ。」

「だってそうじゃない・・・。って言い合ってる場合じゃないか・・・。」

自分でこの言い合いに歯止めをかけて、

「そもそもこれがアド先生に通ると思うか。俺は通るとは思わないけど。」

ハクタカは当然のことを言った。

「思ってないけどさぁ、去年の善知鳥(うとう)先輩たちのことがあればなんかあり得るじゃん。」

「・・・。」

「旅するときはよく上野(うえの)駅に足を運ぶっていうけど・・・。」

これには正直驚いた。

「お前はおやじか。古いなぁ。」

「でも、半分間違ってないでしょ。」

ハクタカはちょっと頭を掻いた。

「あのなぁ、それは東北(とうほく)とかの人が言えることだって。」

「でも、そうとも限らないんじゃない。「カシオペア」だか「北斗星(ほくとせい)」も上野(うえの)駅から出てるわけだし。」

「・・・。」

(確かに。一概にそうとも言えないところもあるか・・・。)

「やっぱり乗るんだったら「北斗星(ほくとせい)」のほうが喜ぶよなぁ。」

ハクタカはこの言葉に飲んでいたお茶を吹いた。

「バカか。「北斗星(ほくとせい)」なんか乗れるわけないだろ。B寝台車がたったの2両しかないんだぞ。それに、2万円以内におさまらねぇよ。行くだけで予算がなくなる。」

ハクタカが言うB寝台は開放式の寝台車のこと。北斗星(ほくとせい)にはこれ以外に個室寝台がある。

「やっぱり・・・。」

しばらく黙っていた。ハクタカはため息をついて、

「乗るんだったら「北斗星(ほくとせい)」かもしれないけど、この(さい)寝台特急(ブルトレ)なら何でもよくね。今走ってるのだって「北斗星(ほくとせい)」だけじゃないんだし。「はくつる」もあるし、「あけぼの」もある。」

「えっ。寝台特急(ブルトレ)ってまだそんなに・・・。」

「シバくぞ。貴様。」

「うーん。分かった。」

「まぁ、簡単な話なんか安いのに乗っていこうって魂胆だよなぁ。家に帰ったら時刻表(じこくひょう)で何とかしてみるわ。」

「そこにも時刻表(じこくひょう)あるよねぇ。」

「あのなぁ、去年の時刻表(じこくひょう)で何ができるっていうんだよ。」

 その日の放課後。ハクタカは急いで家に帰って時刻表(じこくひょう)もめくってみた。

寝台特急(ブルトレ)かぁ。絢乃(あやの)のやつなんで今年に限って寝台特急(ブルトレ)に乗りたいって言いだしたんだろう・・・。)

それを考え出したらきりがない。しばらくそれは考えないで置いといた。

ページをめくるとあることが頭に浮かんだ。すかさずそれが載っているページを開く。

「8月1日~31日まで上野(うえの)発偶数日。」

そこに書いてあることを自分の声で言う。

(・・・。これって上野(うえの)に立ち寄るのは偶数日にしとかなきゃダメだよなぁ・・・。)

これは自分に言い聞かせなければならないと思い、ペンを持ってノートにメモる。絶対に忘れてはならない事項だ。もしこれが外れるようなものなら、旅行としてのレベルは天と地ほど違う。これは絶対に妥協してはならない。

(と言ってもなにに乗るかなぁ。「北斗星(ほくとせい)」に乗ったら最後函館(はこだて)まで行かなくちゃならない。まぁ、まずないか。昼も言ったんだし・・・。じゃあ、何に乗る。「はくつる」か。「ゆうづる」か。それとも「あけぼの」か。)

 時刻表(じこくひょう)を見てみる限り、これでいち早く青森(あおもり)につけるのは「はくつる」。22時23分に上野(うえの)発車(はっしゃ)し、青森(あおもり)到着は8時15分。その次が「ゆうづる」で、上野(うえの)を23時00分に発車(はっしゃ)し、青森(あおもり)到着は9時50分。最後は「あけぼの」。上野(うえの)を21時15分に発車(はっしゃ)し、青森(あおもり)到着は9時56分。

(到着時刻だけで見るなら「はくつる」かぁ。問題はこれでどこまで安くなるか・・・。)

今度はページを後ろのピンクのページまでめくる。ここには特急・急行の編成表が載っている。何時何分発の特急(急行)は何両で運転され、何号車が指定席か。何号車が自由席か。そのうち喫煙車は何号車か。すべてわかるようになっている。また、これから列車の運用まで知ることができるものもある。

 そのページには、

(「ゴロンとシート」・・・。)

夢じゃないかもしれない。そう思った。確か「ゴロンとシート」はリネン類(シーツ、浴衣、枕など)の設備がなかったはずだ。その分B寝台よりも安い。これなら・・・。

 翌日。このことを(くすのき)に言った。

「じゃあ、行けるんだね。」

(くすのき)は嬉しそうに話す。

「ああ。でも、問題は・・・。」

そう問題は・・・。

 その日。今日は部活がある。今日は文化祭の片づけ。寮にモジュールを運び込んでで終了。次の部活は6月16日。明日だ。今日も家に帰るとハクタカは時刻表(じこくひょう)をめくった。どこまで可能か確かめるのである。

 結果はこうだった。

 浜松(はままつ)7時05分発「ホームライナー静岡(しずおか)4号」静岡(しずおか)行き。静岡(しずおか)着8時03分。乗り換え。静岡(しずおか)8時07分発普通熱海(あたみ)行き。熱海(あたみ)着9時32分。熱海(あたみ)10時00分発「快速(かいそく)アクティー」東京(とうきょう)行き。東京(とうきょう)着11時36分。それから自由行動をして、上野(うえの)に集合。22時23分発「寝台特急(しんだいとっきゅう)はくつる」青森(あおもり)行き。青森(あおもり)着8時15分。ここからまた自由行動で青森(あおもり)に泊り、3日目に戻ってくる。青森(あおもり)7時10分発普通八戸(はちのへ)行き。八戸(はちのへ)着8時39分。乗り換え。八戸(はちのへ)8時57分発「はやて8号」東京(とうきょう)行き。仙台(せんだい)着10時25分。乗り換え。仙台(せんだい)11時04分発「快速(かいそく)仙台(せんだい)シティラビット2号」福島(ふくしま)行き。福島(ふくしま)着12時16分。乗り換え。福島(ふくしま)12時20分発普通黒磯(くろいそ)行き。黒磯(くろいそ)着14時23分。乗り換え。黒磯(くろいそ)14時36分発普通宇都宮(うつのみや)行き。宇都宮(うつのみや)着15時27分。乗り換え。宇都宮(うつのみや)15時37分発快速(かいそく)湘南新宿(しょうなんしんじゅく)ライン経由(けいゆ)逗子(ずし)行き。横浜(よこはま)着17時48分。乗り換え。横浜(よこはま)17時51分発普通熱海(あたみ)行き。熱海(あたみ)着19時14分。乗り換え。熱海(あたみ)19時24分発普通島田(しまだ)行き。沼津(ぬまづ)着19時44分。乗り換え。沼津(ぬまづ)20時00分発「ホームライナー浜松(はままつ)5号」浜松(はままつ)行き。浜松(はままつ)着21時37分。

(いける。)

これなら十分行って帰ってこれる。だが、電車に乗っている時間は半端じゃないが・・・。これは去年よりも強じんな精神力が必要だということを認識した。

 翌日。ハクタカは(くすのき)のこのことを言った。

「えー。去年の善知鳥(うとう)先輩の気持ちが分からなくないわ。そんなに電車に乗ってるの。」

「これはいくら電車がすきでも死ぬぞ。」

分かりきっていることを言った。

「確かにそうだけど。」

「これで文句がないなら、いける。大出費するのは「はくつる」と「はやて」だけ。」

「確かにそうだけど・・・。」

「だけどなんだよ。」

「確かに。喜ぶかもしれないけどこれじゃあ。3日目移動だけじゃん。」

「しょうがねぇだろ。そこは妥協しないと。青森(あおもり)から1日で帰ってこられるだけでも奇跡だと思え。もし、列車が走ってないとかあったら、俺たち帰ってこれないんだぞ。」

当然のことだ。

「じゃあ、アド先生にこれ言ってみる。」

「今日部活だし、その時でいいよ。」

 その日の放課後・・・、

「また行きますねぇ。今度はド遠いところじゃないですか。」

「お願いします。行きたいんです。」

ハクタカと(くすのき)は同時に頭を下げた。

「・・・。」

しばらく黙った状況が続く。

「分かりました。出来るだけ抑えてください。」

この言葉は信じることができなかった。飛び跳ねるということはやらず、まずは頭を下げた。

「ありがとうございます。」

 職員室を出ると、

「第一関門突破だね。」

(くすのき)が話しかけた。

「なぁ、絢乃(あやの)。なんで今年はそんなに寝台特急(ブルトレ)にこだわったんだ。」

朝風(あさかぜ)が乗りたいって言ってたからだよ。」

と答えた。

 それが終わったら二人は全員が待っている3年8組に向かった。

「今年はどこに行くのかなぁ。」

佐久間(さくま)が振った。

「今年。今年は北がいいなぁ。」

「北かぁ。私も賛成。」

「断然北だよなぁ。旅に出るときはどうしても上野(うえの)に足が行くっていうくらいだし。」

僕、木ノ本(きのもと)留萌(るもい)の順にこたえる。

「できれば北海道(ほっかいどう)がいいですね。」

新発田(しばた)が話に入ってきた。

北海道(ほっかいどう)なんて行けるわけないだろ。」

僕はそうツッコんだが、もしそうなったらそれはとてもいいことだ。僕は一度函館(はこだて)に「北斗星(ほくとせい)」で行ったことがある。その時僕は青森(あおもり)の機関車付け替えを見てやると徹夜をしていた。だが、結局途中でダウン。最後の記憶として「北斗星(ほくとせい)3号」がある駅に停車(ていしゃ)したとき右手に高架橋のようなところにある駅が見えたため、一ノ関(いちのせき)(記憶があいまいなためちがう可能性はあるが)までは目があった。結局それから2時間寝て、起きた頃には青森(あおもり)を通過した後だったというのがこれの落ちだった。

「行けたらいいだろ。」

「そうだよ。五大特急の一つに乗れるんだぜ。」

説明しよう。五大特急とは日本を走っている特急の中でも選りすぐりの特急たち。「寝台特急(しんだいとっきゅう)カシオペア」、「特急はくたか」、「特急かもめ」、「サンライズエクスプレス」、そして「特急スーパー白鳥(はくちょう)」。これらのことだ。

「うーん。そうだな・・・。」

その時教室のドアが開いた。自分のクラスでやるのにハクタカ先輩たちはどこかに言っていたのだ。

 ハクタカ先輩は黒板の前に立つ。

「お前ら。今年の臨地の行先を言うぞ。」

ハクタカ先輩は珍しく声を張り上げる。

「今年は・・・。」

この言葉の後僕は目を見開いた。

(マジかよ・・・。)


こういうのを書いてみたいと思った動機について、実際やっていた部活は普段からギャグ部活だったので、こういう世界でやってみたら面白くなるのではと思ったのがそうです。


この中に出てくるキャラクターは鉄道が好きということなので、調べながら作っているという状況になっています。そういうことをしていたら作者である僕もはまってしまい特急列車の名前も50ぐらいはこの頭の中に入ってしまっている状態です。

自慢にしか聞こえなかったかもしれませんが、自慢じゃありません。

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