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MAIN TRAFFIC1  作者: 浜北の「ひかり」
Kishikawa High School Episode:1
6/184

6列車 彷徨い娘

 部室の窓を割るほどの絶叫が5秒間続いた。

「マジ。ていうかふつうそういう人って北星(ほくせい)とかに行かされるんじゃないの。」

「行かなかったんだろ。あすこは完全な進学校だし。」

「そりゃあ置いといて、なんでそう・・・ってさっき言ったか。」

「でも、ナガシィってそういう風に見えないよね。」

「いや、あの性格でそう見える方がすごいと思う。」

「もうその話やめればいいじゃないですか。同じ部員なんですから。そういう目で見ない方がいいですよ。」

(くすのき)がこの話を辞めさせてからはいつもと同じバカ騒ぎに戻った。なお、この部活のクオリティーはバカ騒ぎにある。

 その頃運動場のほうでは・・・。

友紀(ゆき)はソフト部でしょ。私もソフト部に入ろうかな。」

「そう。留萌(るもい)は入ろうって思ってるんだ。木ノ本(きのもと)は。」

「えっ。まだ迷ってるけど・・・毎日練習はきついなぁ。」

「おい。中学のときだってそうだろ。だいたい運動部なら毎日練習しないとダメでしょ。」

榛名(はるな)が言いたいのは中学の途中から部活来なくなってたし、続けられるかどうか不安ってことでしょ。」

「それもあるけど・・・。」

(入るか入らないかは別として一度鉄研(てっけん)部も見に行ってみるかなぁ。)

ソフト部が練習する風景はもはや白黒でしか映っていない。色づいて見えていたのはオープンキャンパスで鉄研(てっけん)がやっていたあの展示だった。ただ、女の子が鉄研(てっけん)に入っていいのだろうか・・・。その口論(こうろん)が続いていた。

 翌日。

永島(ながしま)。ノートやってきたか。」

「昨日言ったじゃん。やる気ないって。」

「いや、いちばん最初ぐらいはやっといたほうがいいって。1か月くらいやってゴールデンウィークのあたりから面倒になりましたって言えば通るって。多分お前だけだぜ。1日目からやってないっていうのは。」

「・・・。」

ちょっと心配になったが、そうでもなかった。逆にやってある人のほうが珍しかったぐらいだった。

「出して損じゃないのか。宿毛(すくも)。」

「いや。損とは思ってない。でもあれやるのは骨がいるってことは分かった。書くスピード速い俺でも2時間はかかったぜ。さすがに90行はきついなぁ。」

「そんなこと言わないで。よけい痛みがひどくなる。」

 その放課後。

鉄研(てっけん)かぁ。)

壁に貼り付けてあるポスターを見てふと思う。そう言えば岸川に来てから鉄研(てっけん)のこと以外正直考えたことがない気がする。

(女の子でも見に行っていいんだ・・・。よし。)

心をきめてポスターが指示する部室のあるところまで行ってみることにした。だが、体育館のところまで来て足が止まる。ここに来るとバスケット部の目がある。鉄研(てっけん)を見に来たと思われたくないというのも少しある。

 すると、今来た方向から一人走ってくる人が見えた。矢のごとく自分の前を通り過ぎて、ドアノブに手をかけた。

鉄研(てっけん)部員・・・。)

その人からは何かと自分と同類のような気配がする。思い切って声をかけてみた。

「ねぇ。君、鉄研(てっけん)部員。」

顔をこちらに向ける。

「そうだよ。・・・見学に来たの。」

とりあえずここははいと返事をする。そうでなければここに来た意味がない

「そう。じゃあ、昇降口で靴替えてくれば。そうすれば、ダイレクトで帰れるから。」

「・・・分かった。替えてくるけど、私部室の場所分かんないんだけど。」

「分かった。戻ってくるまで待ってるよ。」

 待たせては悪いと思いすぐに皮靴に替えて戻った。戻るとさっきの人が約束どおり待っている。その後はその人に促され、靴をスリッパに替えて、バスケット部の隣を通ってステージ裏の通路を通って階段を上がる。左側のドアに手をかけて開けようとすると鍵がかかっている。

「開けんの面倒くせぇなぁ。」

独り言を言って、その場に座った。しばらく立ったままでいたが、

「ねぇ。カギ取りに行かなくていいの。」

「そのうち先輩が来るって。それまでこのままでいいよ。」

するとその先輩が来た。先輩もまた面倒くさいと言ってその場に座る。次の人もそうだ。誰か取りに行く人はいないのだろうか。すると下から怒った声がする。その声を聞くと先輩の一人が腰を上げて、ドアを開けた。

 部室内に入ると携帯電話使い放題。同じ一年生と思われる人は木の棚のほうから車両を取りだして、机の上に置かれているモジュールで遊び始め、他の人は携帯電話をいじるかPFPでゲームをし始める。

「よーす。皆。」

後ろからすごく大きな声だ。ただ、今後ろから入って来た人は男子ではない。女子の声だ。

「おお、新入部員。これでナガシィとユウタンと合わせて3人目かぁ。」

「えっ、マジ。」

「サヤ先輩今気付いたんですか。」

「しょうがねぇだろ。こいつはスゲェ鈍感なんだから。」

「まだ部員になるとか限らないです。今日は部活見学に来ただけみたいですから。」

「へぇ。でもうれしいよ。名前なんて言うの。」

木ノ本(きのもと)榛名(はるな)です。」

榛名(はるな)ちゃんかぁ。で、ちなみに榛名(はるな)ちゃん電車好き。」

「・・・まぁ、少しは。」

「へぇ。あたしは電車全く分からないけどよろしく。善知鳥茉衣(うとうまい)よ。それで、そこでゲームやってるのがこの部活の部長の北斎院大智(きたさやだいち)で、奥で携帯いじってるのが綾瀬健斗(あやせけんと)で、もう一人携帯いじってるのが・・・。ねぇ、サヤ。ハクタカって名前なんだっけ。」

「3年生分かってて2年生分かってないってなんですか。鷹倉俊也(たかくらしゅんや)です。」

少々あきれ気味になっているのは分かる。

「それで、そこで遊んでるのが、同じ1年生の永島(ながしま)・・・。」

智暉(ともき)です。」

「そう。智暉(ともき)君だ。」

(なんてハイテンションな部活だよ・・・。)

「まあ、部員は後2人いるんだけどねぇ。今日ナヨロンとアヤノンとユウタンはどうした。」

「ナヨロンは補修。」

まずアヤケン先輩が答える。それに続けてハクタカ先輩が、

絢乃(あやの)日直(にっちょく)。」

と答えた。

「じゃあ、来るっていうことだね。」

佐久間(さくま)は帰ったと思います。」

「帰ったって。面白いのに帰るなんて本当にやなやつだな。」

「まったくだ。この部活に来なくて何が面白い。」

「そこまでいう人はごく(まれ)だと思います。」

「そうか。」

「ぼ・・・僕の場合は家でも十分楽しいですけど。」

「それはそうだろうな。」

振り向いてみるとそこにいたのはナヨロン先輩だ。

「あれ、ナヨロン補修じゃないの。」

「補修だけど、その道具ここに忘れてったみたいで探しに来ただけ。」

「多分、これだろ。はい。早くしないと補修に遅れるぜ。」

サヤ先輩がその補修道具をナヨロン先輩に手渡す。

「大丈夫。もう間に合うとか思ってないから。後、これサンキューな。」

 その後(くすのき)先輩も合流。僕は昨日と同じ6時くらいまで遊ぶ。6時になると時間だと言って帰ろうとした。見学に来た木ノ本(きのもと)もほぼ同時に帰ると言った。

 部室を出て、足早に階段を下りる。

永島(ながしま)君。ちょっといい。」

まだ部室のドアの前に立っている木ノ本(きのもと)に止められる。

「いいけど、何。」

「私って・・・鉄研(てっけん)に入ってもいいと思う。」

(なんじゃそりゃ。)


今回からの登場人物

木ノ本(きのもと)榛名(はるな) 誕生日 1993年8月13日 血液型 O型 身長 160cm

室蘭(むろらん)友紀(ゆき)  誕生日 1993年7月1日  血液型 A型 身長 162cm

留萌(るもい)さくら 誕生日 1993年7月20日 血液型 A型 身長 157cm

こういう感覚って書きづらい・・・。

思い切って女子鉄も出してみました。

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