48列車 ミーティング
10月中旬。テストを潜り抜けて、また部活どう再開。
「よーし。今日からまた部活どうだー。」
いつものハイテンションは善知鳥先輩だ。
「そうだな。部活動がない日ってなんかイライラするからなぁ。これでそのイライラもなくなるかぁ。」
サヤ先輩もそれに共感しているようだ。するとドアが開いた。
「手を上げろ。」
そう言って入ってきたのは諫早だ。
「何度も同じ手は食いませんよ。」
「じゃあ・・・。死んでください。」
「イサタン声変わりすぎ。」
「お前が死んでくださいっていうと本気のように思えて怖いわ。」
「そうですか。」
そう言っているとまたドアが開く。今度はナヨロン先輩だ。でも、ナヨロン先輩はすぐにドアを閉めてどっかに行った。
「バカ。久しぶりに来たんだから部活やってけ。」
善知鳥先輩が帰ろうとするナヨロン先輩を止めに部室を出ていく。しばらくするとナヨロン先輩を連れて戻ってきた。ハクタカ先輩と楠先輩も一緒だった。
「だから、いつも冗談って言ってるだろ。」
「久しぶりにやられるとね。そんなこと忘れちゃうのよ。」
「そりゃ、いろんな意味で問題だ。」
「そういえば今日アヤケンは。」
「アヤケン今日学校休んでるよ。」
「へぇ。死んだのか。」
「そう死んだ。」
「アヤケンのやつ。死んでんじゃねぇよ。」
「あのうそれ言うのはちょっと。」
楠先輩が「死んだ」という言葉を使わないように促そうとしているがそんなに効果は上がっていない。
「ハクタカ先輩。さっきから言ってる死んだってあっちの意味ですか。」
「簡単に言うと「休んだ人」。欠席したらイコール死んだことにされるから気をつけろよ。まぁ、俺は善知鳥先輩が死んでくれたほうがよっぽどありがたいけど・・・。」
「大丈夫だよ。あたしたちがいるのもあと半年ないんだから。」
(そう言われればそうだな。ナヨロン先輩と話せるのもあと半年ないのかぁ。言われてみればこの半年だけでも電車のこと結構教え込まれたなぁ。223系のこともそうだけど、もっと別の車両のことも・・・。編成も・・・。)
心の中で今まで萌と楽しく模型で遊んでいた時とは違うということを思った。
「そういえば先輩たちみんな進路とかって決まってるんですか。」
楠先輩が遊び人の先輩たちのことを心配したが、その必要はなかったらしい。サヤ先輩はすでに名古屋の中京観光専門学校合格している。善知鳥先輩は岸川学園のグループ大学。瀬戸学院大学への進学を、ナヨロン先輩は進学先だけは決まっていてあとは受けるだけだそうだ。そして今日死んでいる・・・いや、休んでいるアヤケン先輩は瀬戸学院大学を志望しているそうだ。
「中京観光って東京の帝京観光のグループですよねぇ。」
「グループっていうか姉妹校っていう感じだな。」
「結構いいところ入りますねぇ。」
「いいところって。頭がないからAOで受験したんだろうが。そこだったら実力に受かれつうの。」
「うるせぇな。いいだろ。合格しなかったら元も子もないんだし。」
「・・・。」
そんなことを言い合っていると
「みなさんお集まりですね。」
ドアから顔をのぞかせているのはアド先生だ。なんか久しぶりに見た気がする。いつもホームルームの時にあっているのだが・・・。
「まずは座ってください。ミーティングをします。」
そう言ってアド先生は部室の一番奥にある机まで歩いて行って腰を下ろした。座ると手に持っていた紙を全員に配布し始める。サヤ先輩からその紙をもらって目を通す。中身はこれからの予定。いつものことだが、この通りにやったためしはない。
「みなさん見て分かると思いますが、11月の1日と3日の暁鉄道が主催する暁フェスタと瀬戸学院大学と折尾町の展示が入っています。しかし、瀬戸学院大学と折尾町の展示が11月の14日でかぶっています。」
折尾町という言葉を聞くと先輩たち全員の顔がゆがんだ。何か嫌なことでもあったのだろうか。その顔をしている先輩たちをほったらかしてさらにアド先生が続ける。
「この14日の展示を分けたいと思います。」
そういうと、
「よし。なら3年生全員とハクタカは大学の文化祭言ってアヤノンと1年生全員で折尾町の展示やればいいと思います。」
まず善知鳥先輩が口を開いた。
「なんであたしだけ折尾町なんですか。嫌ですよ。」
「なんで。たくさん子供いるじゃん。」
「だから嫌なんです。」
「善知鳥先輩。独壇場で決めるのはやめてください。」
ハクタカ先輩が口をはさむ。
「ていうか折尾町にそんなにいらないだろ。」
サヤ先輩が続けていった。
「そうか。子供がいっぱい来るんだし監視がたくさんいたほうがいいだろ。」
「・・・。」
「じゃあ、何。9人いる高校1年生と中学生で折尾町の展示をやるってことですか。」
「はい。」
僕たちは何も話すことが泣くことが決まっていく。その結果は・・・となった。
「次。先に行われる暁フェスタの展示について話します。11月の1日と3日にかけて行われます。会場は暁鉄道の天竜暁駅です。ここの事務所の2階。3年生・2年生ならわかりますね。ここで行います。」
これまで言われている暁鉄道とは昔国鉄二俣線と呼ばれていた路線を第3セクター化して発足した鉄道会社である。地元を走っている鉄道の3つ目にあたるが遠州鉄道と遠江急行とはまた別。市や県が出資してこの鉄道を経営している。この路線を走っている車両はディーゼルカーでほとんどの列車がそれ1両で動いている。ディーゼルカーは最新であるが建造物には築70年くらいになる建物が多く一部は国の有形文化財に指定させているくらいだ。由緒正しい鉄道と言っても過言じゃないだろう。当然。僕たちが展示を行う場所としていま言われた事務所もその文化財の一員である。
「また階段急なあすこかぁ。」
「しょうがねぇだろ。それ。」
「話す前にちゃんと聞いてくださいね。」
楠先輩が3年生を抑える。
「ありがとうございます。それで次。瀬戸学院での展示ですが、教室は3021教室です。ここで行います。これも2年生は分かってますね。そして、折尾町の展示ですがこれは折尾町公会堂の1階で行います。これも2年生ならわかってますね。」
アド先生はハクタカ先輩に確認するみたいに言った。するとハクタカ先輩は他人事のように目線をそらした。
「ちょっとそれはどういうことかなぁ。」
そう言い終わると、
「それってまた新幹線使うってことですよねぇ。」
ナヨロン先輩が口を開いた。
「はい。そういうことです。」
(永島は分かるとして、他だよなぁ。少しはそういうことできる人がいたほうがいいかぁ。)
「じゃあ、新幹線のメンテナンスやったほうがいいんじゃないんですか。」
そう聞いた。
「あっ。じゃあ、明日お願いします。」
「はい。」
ちょっと明日という言葉は効いたらしい。
今日はこれからの展示と予定の確認。それだけで終わった。
ようやっと半年たちました。あと半年分は根性で上がっているので、残り分を根性で上げたいと思います。
しかし、高校生のエピソードが終わると実質×ネタが尽きてしまうんですよねぇ。自分の経験が少ないからしょうがないのですが・・・。結構長い時間皆さんを待たせる結果になると思います。しかし、このストーリーはいつか完全に完成させます。