表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC1  作者: 浜北の「ひかり」
Kishikawa High School Episode:1
32/184

32列車 ようやっと

 広島(ひろしま)のホームに降り立った。全員の顔は疲れ果てていた。と言ってもすごく元気な人もいた。

「ようやっと新幹線(しんかんせん)に乗れる。」

善知鳥(うとう)先輩が体を伸ばした。

「やっと「レールスター」のお出ましかぁ。」

(100系も見れる。)

「はい、皆さんいますね。それでは乗ります。私の後に付いてきてください。」

アド先生の誘導で新幹線(しんかんせん)の改札を通り抜ける。ここからは本当に楽ができる。そして、僕が今まで乗ったことのなかった山陽新幹線(さんようしんかんせん)広島(ひろしま)博多(はかた)間を乗車(コンプリート)するのも達成できるのだ。

 17時35分。新幹線(しんかんせん)のホームに立った。ここの構内(こうない)(ひび)き渡る音。それらが新幹線(しんかんせん)というにおいを僕に運んできている。そのにおいを堪能(たんのう)していると(だれ)かが僕の背中に手を当てた。

永島(ながしま)。17時49分発の「こだま」があるぞ。もしかしたら100系じゃない。4両編成って出てるし。」

(「こだま759号」・・・。間違いない・・・。100系だ。)

4両という表示が僕の心を支配した。

 17時48分。「こだま759号」が12番線に入線してきた。黄色っぽく光る(するど)く、キリットした細い目。100系。この車両が4両や6両となってしまっている編成があるというのは(いま)だに(しん)じられない。100系は16両で白く美しい車体に2階建てが連結された新幹線(しんかんせん)車両である。僕としてはそっちの方が好きである。もしかしたら、どんなものよりも好きなのかもしれない。

「100系じゃん。」

佐久間(さくま)が隣でそう言っていた。

 興味(きょうみ)がないわけではないが、僕の前に姿を現した100系は何となく好きになれなかった。

「ああ・・・。」

(にぶ)い反応しかできなかった。

 17時49分。「こだま759号」博多(はかた)()き発車。100系が発車する後姿を携帯(ケータイ)(とら)える事が出来た。その後ろ姿は僕の思っているカッコよさよりも、(かな)しさと(さび)しさが入り混じった顔をしていると思った。

(なんだ。今のは・・・。)

この時、僕は100系が何か(うった)えているように聞こえて仕方(しかた)がなかった。

 17時54分。さっき100系が発車した12番線に「ひかりレールスター573号」博多(はかた)行きが入線してきた。8両編成の700系新幹線(しんかんせん)は、JR西日本独自(どくじ)設備(せつび)がある。その一つが備えられている4号車が僕達の乗る車両だ。

 17時55分。「レールスター」は何の揺れもなく発車した。広島(ひろしま)を出るとすぐさま外に目を向けた。さっき感じたことが何度も、何度も頭の中に思い出された。好きなやつほど伝わってくるこの気持ちは何なんだろうか。それだけが頭の中に広がり、何も考えられなくなった。

 19時00分ごろ。「間もなく終点博多(はかた)です。」とアナウンスが入った。これで今日は終了ホテルに行って、あとは休むだけである。そのはずである。

 19時06分。博多(はかた)到着(とうちゃく)。ようやっと来たのである。

「皆さん。これからホテルの方に向かいますが、バスがあるそうです。乗りたい人は乗ってください。」

アド先生がそう教えてくれた。

「よーし、3年生は全員乗るぞ。2年生と1年生諸君は歩いてこい。」

「おい。少しは後輩に(ゆず)るとかしてやれよ。」

「いいだろ。あたしは早く部屋に入って寝たいんだよ。」

善知鳥(うとう)先輩の振る舞いははっきり嫌ではあるが、1年生にはとても反抗できそうもない。

「頼んだぞ。ハクタカ、アヤノン。しっかり連れてこいよ。道迷ったりするなよな。」

といってバスに乗る人はそっちへそれていった。それていったといっても行ったのはアド先生とサヤ先輩と善知鳥(うとう)先輩だけなのだが。

「はぁ、善知鳥(うとう)先輩もああじゃなきゃいいのになぁ。」

「後で絢乃(あやの)がそう言ってたって善知鳥(うとう)先輩に言いつけていいか。」

「絶対言うなよ。」

「まぁ、言いたい気持ちは分からんわけじゃないな。あの性格がなければハイテンションでも問題ないんだけどなぁ。」

「おーい。それより俺達もホテルに行くぞ。」

「ああ、待って・・・。つうか、ホテルどこにあるか分かってんの。」

会話をずっと聞き流していたが、

「えっ。」

「ナヨロン分かってる。」

「分かってると思う。」

「だよなぁ。(だれ)か分かってる人いないの。」

「アケ先輩大丈夫ですよ。どっか歩いてればたどり着きますって。」

「いやそうは言っても・・・。」

「いいんじゃないんですか。迷いながら、歩いて行くのも。」

「いや、それ問題でしょ。なんで、そういうこと考えてないんですか。それも全員。」

「ナヨロン先輩。地図見ればいいじゃないですか。」

「ああ、地図は(もら)った次の日にゴミと間違えて捨てちゃった。」

「おい、何捨ててんの。」

「なあ、ハクタカ。あたしのバッグに地図入ってると思うから出して。」

「はっ。自分で出せよ。」

「えっ。いいじゃん。バッグある方向にいたんだから。」

「なんじゃそりゃ。」

(くすのき)先輩が背負っているバッグのチャックを開けて中を探す。

「・・・。あっ、あったぞ。」

「ありがとう、ハクタカ。」

ナヨロン先輩のほうに歩いて行って、

「ナヨ先輩。これ見てくださいよ。」

「地図あったんだ・・・。アヤケン、見て。」

「おい。ふつう地図読めるだろ。」

「うっさい。」

僕と木ノ本(きのもと)は少し会話に入った。そして箕島(みしま)たちはというと唖然(あぜん)とした顔でこのやり取りを聞いていた。

 歩き出すと晩御飯の話になった。

永島(ながしま)木ノ本(きのもと)。一緒に博多(はかた)ラーメン食べに行こうぜ。」

佐久間(さくま)に誘われた。

「博多ラーメンねぇ・・・。」

「別に、そんなの食べに行かなくてもいいじゃん。」

「はっ。博多まで来てラーメン食べてかないってどうよ。」

「夕ごはんなんてコンビニで十分だよ。それに、博多ラーメンなんて浜松(あっち)でも食べれるだろ。本場(ほんば)がどうとは思わないな。」

「そう言わずに、食っとこうぜ。」

「私はいいよ。そこにローソンあったからそれでいいし。」

「あっそ。永島(ながしま)は。」

「夕飯()()しないからいいよ。」

「ああ、そうかい。なんで二人とも()(もん)にルーズなんだよ。」

 博多の街を歩いて何分くらい経っただろう。ようやっと宿泊(しゅくはく)するホテルに到着した。もらったカードキーの示す部屋にすぐに入った。夕飯を食べに佐久間(さくま)達が出ていったことと僕の部屋に遊びに来たこと以外は平和にベットの上で休んでいた。

 21時39分。だんだん(まぶた)が重くなってきた。そして、いつのまにか寝てしまった。


今回は短かった・・・。

本当ならそこのご当地グルメを食べたいと思うのがふつうですが、そういうことに興味ない人もいると思いました。


こういうこと思うのは・・・だけかなぁ。


あと皆さんに報告します。累計アクセス回数1000突破いたしました。ユニークのほうは201・・・。やっぱりネタがネタだったかなぁ・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ