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MAIN TRAFFIC1  作者: 浜北の「ひかり」
Kishikawa High School Episode:1
18/184

18列車 模型選び

 テストが終了すると部活は再スタート。これから文化祭までピッチを上げる。6月に入ると衣替えで、男子も女子もポロシャツに夏のズボン・スカートに替わる。6月初頭。僕達のモジュールが完成。ここまでくれば何をすることがない。

名寄(なよろ)(くん)。文化祭で使う車両を決めたいんだけど。」

「分かりました。」

すると、

永島(ながしま)。車両庫行くけど、一緒に行かない。」

「行きます、行きます。」

ナヨロン先輩についてまた岸川寮に赴いた。

 岸川寮に入って階段を上がって右にかじをきると右側に5枚扉が現れる。ここには分けて鉄道研究部のものが詰まっている。

「とりあえず説明しとくけど、相談室4には展示で使うときのモジュールとかが入ってて、自習室1が車両庫。自習室2と3がモジュール保管庫。自習室4はどうでもいいもんが入ってる。」

そう説明してくれた。

 アド先生が自習室1の鍵を開けて、ナヨロン先輩と僕が続けて入った。

名寄(なよろ)君。6時間で4周回だから・・・。」

「10分に1回交代が1時間で6回。6時間で36回。それが4つで144回。それだけ選べばいいんでしょ。」

「そうです。」

「じゃあ、適当にやっときますから任せてください。」

それを聞いてアド先生は他の部屋に言った。

「あのう。ナヨロン先輩。ここにあるものって全部アド先生のなんですか。」

「ああ、だいたいな。時折OBが寄贈した奴があるだけ。」

「あっ、223系とか「サンダーバード」とかいろいろある・・・。」

「自分が走らせたいやつなんでも入れていいよ。でも時折・・・。」

「それじゃあ223系と「サンダーバード」と「253系(ネックス)」と100系。」

「ああ、ごめん。言ってなかった。走らせたいって言っても新幹線(しんかんせん)はなしだ。新幹線(しんかんせん)在来線(ざいらいせん)走ることになるからな。」

「でも、E3系(イースリーけい)とか400系はありってことでるよね。」

「確かに。そういう言い方するとそうなっちゃうな。・・・入れたいのか。」

「はい。」

「分かったよ。じゃあ2本はエントリーでいいな。」

それからというもの僕達は2段ベッドの下を占領している箱の中から走らせたい車両を引き抜きまくった。キハ283系「特急スーパーおおぞら」。485系3000番台「特急はつかり」。E351系「特急スーパーあずさ」。383系「特急しなの」。373系「特急東海(とうかい)」、「快速ムーンライトながら」。683系「特急しらさぎ」。787系「特急つばめ」。代表的なものはだいたい入れた。だが144も車両を選ぶとなるとどうしてもネタが尽き気味になる。3年もこの部活にいるナヨロン先輩でも困るくらいだ。

「そうだな。今回は313系(サンイチサン)の0番と211系(ニイイチイチ)の5000番つなげて中央線(ちゅうおうせん)の快速やるっていうのもいいな。」

「ナヨロン先輩。去年の文化祭きて思いましたけど、313系に211系を連結した運用ってあるんですか。」

「あるよ。歓迎旅行(かんげいりょこう)の時にも乗っただろ。御殿場線(ほうぶつせん)の列車。後ろは211系(ニイイチイチ)だったけど前は313系(サンイチサン)の3000番だったじゃないか。」

「あのう、そんなこと言われても分かんないんですけど。」

「だよなぁ。313系(サンイチサン)ってややこしいからな。」

ため息をついて説明し始める。

「まず0番台が東海道線(とうかいどうせん)の快速で4両編成だろ。300番台がその2両編成バージョン。1000番台は0番台の中央線バージョン。1100番台はそれのLED(エルイーディー)バージョンで、1500番台が1000番台の3両編成バージョン。2300番台は2両編成でダブパン装備準備車。3000番台はダブパンの2両編成。2500番台はここら辺の3両編成で5000番台が6両固定の快速用。8000番台は中央線の「セントラルライナー」用ってな感じだからな。まだいっぱいあるけど。」

「えっ。313系ってそんなに番台あるんですか。」

「ああ。でもこれなんか西日本の223系(ニイニイサン)に似てるんだよな。」

「223系だったら分かります。0番台と2500番台が関空快速用(かんくうかいそくよう)で1000番台と2000番台が東海道線の新快速用(しんかいそくよう)。」

「あと6000番台のダブパン車が地下鉄東西線(ちかてつとうざいせん)に乗り入れることができて、ワンパンのやつは221系(ニイニイイチ)との共通運用。5000番台は「快速マリンライナー」で5500番台が霜取り用にダブパンになった2両編成ってな。」

「あっ、223系の中にも知らないのがある。」

永島(ながしま)なら知ってると思ったけどなぁ。知らないんだ。この部活に入ってればいやでも詳しくなる。」

話しながら車両を選ぶ。

「そうだ。永島(ながしま)。貨物列車だったらどれがいい。2軸貨車だけの古き良き国鉄貨物(こくてつかもつ)か、コキ50000形だけの旧高速貨物(こうそくかもつ)か、コキ100系だけのJRF(ジェイアールエフ)の高速貨物か。もしくは鮮魚(せんぎょ)特急(とっきゅう)っていう「とびうお」か、タキ1000のタンク貨物列車か。」

「別に何がいいっていうやつはないですけど・・・。つうかそれだったら家にもあります。」

それを聞くとナヨロン先輩は何か思い出したようだった。

「あっ。そうだった。これ聞いてなかった。お前文化祭当日何持ってくる気。」

「えっ。考えてるのは「カシオペア」と「北斗星(ほくとせい)」と「トワイライトエクスプレス」と「出雲(いずも)」と「瀬戸(せと)」・・・。」

寝台特急(ブルトレ)のほとんどな。」

「あとは「雷鳥(らいちょう)」と「しらさぎ」ぐらいかな。」

ナヨロン先輩はしばらく考えてから、

「なら。「出雲(いずも)」はDD51(デデゴイチ)の重連で持ってきてくれない。あと他に「カシオペア」や「北斗星(ほくとせい)」の牽引機(けんいんき)はなにが来る予定になってる。」

「「カシオペア」はEF510の北斗星色(ほくとせいしょく)で、「北斗星(ほくとせい)」はEF81の予定ですけど。」

「EF510(アオカマ)とEF81(ホシカマ)かぁ。分かった。それで「雷鳥」っていうのはパノラマグリーン。それとも非貫通グリーン。」

「それって何か重要ですか。」

「いや、自分の中にあるイメージを膨らませてるだけ。永島(ながしま)だったら分かるだろ。模型は想像だって。」

「はい。何となく。・・・パノラマグリーンですけど。」

「はい、了解。・・・「ネックス」のさぁ253系の12両編成持ってこれる。」

「できるにはできますけど。」

「じゃあそれも頼む。で持ってくる寝台特急(ブルトレ)は「カシオペア」、「北斗星(ほくとせい)」、「トワイライトエクスプレス」、「出雲」、あとは九州(きゅうしゅう)特急(とっきゅう)の何か自分が好きなの・・・って言って分かんないか。「あさかぜ」とか東京(とうきょう)から、大阪(おおさか)から九州(きゅうしゅう)に行ってた寝台特急(ブルトレ)のことこういうんだよ。それだけでいい。できれば、牽引機は全区間エントリーが望ましいけどな。」

「はい、分かりました。」

「大体こんなところかな・・・。これじゃあサヤ達のほう考えてなかったな。自分達のほうはこれで終わりでいいか。よし永島(ながしま)。サヤ達のほうも考えるぞ。」

 他に残っていて有名な車両や特急は883系「特急ソニック」。小田急のHiSE(ハイエスイー)LSE(エルエスイー)。2000系「特急南風(なんぷう)」。キハ85「特急ひだ」。781系「特急ライラック」など。

「かわいそうだから221系でも入れといてやるか。あとE259系(こいつ)もこっち。225系(こいつ)もこっち。」

「こっちにも「北斗星(ほくとせい)」入れときましょうか。あとは「カシオペア」も。」

「そいつら牽引するEF510(カシカマ)とEF510(アオカマ)が「いやだ、いやだ。」っていってるぜ。」

「なんですかそれ・・・。」

「まあそれは冗談だけど。これも入れてやれEF210(モモカマ)。」

「いや、ナヨロン先輩ここはEF200のほうがいいですよ。」

「EF200(ハイカマ)。そいつやめとけ。スカイダイブ経験6回の強豪だから。」

「ともかくそれどういう意味ですか。」

「今は知らなくていい。そのうち分かる。」

 そんなこと話しているうちにこちらもほとんどナヨロン先輩が決めてしまった。ここにはずっと所属していたから何がどうなっているのか分かっているのだろうか。それともただ自分の好みで選んだのか。

 その日の帰りの列車。小楠(おぐす)に停車した時だった。

「あれ、ナガシィ。」

振り向くと(もえ)の姿があった。同じ方面に通っているのだが、こうしてあったのは久しぶりだ。

「よーす。久しぶり。」

「なぁ、(もえ)。あたし邪魔見たいだからどっかいってるか。」

(もえ)の隣の人が聞いた。

「別にいいよ。ここにいても。」

「お前が小楠(おぐす)くるって珍しいな。」

「今日は友達とこっちに来ただけだから。」

「へぇ。」

「そうだ。ナガシィ。そっち文化祭っていつある。」

「確か、・・・何日だっけ。」

「そういうと思ったよ。ナガシィそういうこと気にしてないもんね。6月13日でしょ。」

「ああ、確かそう。」

「見に行くからよろしく。家から何か持ってくの。」

「「カシオペア」とか「北斗星(ほくとせい)」とか。まあいろいろ持ってくよ。」

「じゃあ、貨物も持ってくわけ。」

「貨物は持ってかない。学校にあるみたいだから。」

「そう。じゃあ26両はやらないんだ。」

外を浜松(はままつ)方面に向かう列車が通り過ぎる。

「何系。1000系。それとも2000系。」

「パンタ見えないから分かんねぇよ。多分普通だから1000系だろうな。」

「でも、1000系も2000系も関係なしに普通とか急行に使ってるよね。」

「確かに。最初から運用が分かってればこうやって苦労することもないんだろうけどな。」

「ハハ。・・・部活楽しい。」

「うん。先輩達はみんなハイテンションだし、1年生は多いし中学生からも入部があったくらいで。」

「へぇ、多いんだ。その中に女子とかいる。」

「いるよ。同じ学年の中に隠してなければお前と似てる人もいるんだけどなぁ。」

「・・・。」

このとき会話を聞いていた友達。黒崎(くろさき)には端岡(はしおか)が言った言葉が再生されていた。

(あのことって本当だったんだな。電車の話してる時のほうが生き生きしてるって。)

「へぇ、そうか。かくしてなければ私と同じね。中に入るんだね。そういう人。」

「まぁ、女子ならそういうところは意識しちゃう人もいるだろうな。」

「・・・。なんでそんな話すんのよ。暗くなるじゃん。」

「ああ、そうだな。じゃあなんか別な話でもするか。でも、何話す。」

「ナガシィ、2日に熱海(あたみ)行ってきたって言ってたじゃん。その時の話でもいいじゃん。」

「ああ、そん時の話かぁ。いいよ。」

 話している間に芝本(しばもと)に到着。(もえ)小楠(おぐす)から乗ってきた友達と別れて、僕と帰路に就いた。

「文化祭に持ってくのは去年と同じで身分証でいいんだよねぇ。」

「ああ。多分それだけでいい。」

「それじゃ6月13日見に行くから。」

そういって(もえ)と別れた。


今回は会話がマニアックすぎてごめんなさい。

この先も時折このような列車が出てくるかもしれませんが、読んでくれる人には感謝。


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