表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC1  作者: 浜北の「ひかり」
Kishikawa High School Episode:3
168/184

168列車 進行と真似

 芝本(しばもと)発6時52分の列車の西鹿島(にしかじま)側が1005になってこれで4日連続となった日。

「もうこれ考えてもいいんじゃないかって思った・・・。」

(もえ)がそう切り出してきた。

「何考えたんだよ。」

「もうこうやって4日連続で1005が来てるんだから、これから先3週間か4週間ぐらいはずっとこれのままで行くと思うのよ。」

「ちょっと待て。それふざけるなって言いたいぞ。これが1か月ぐらいずっとこのまま続くってことだろ。」

「だってそれしか考えられないんだもん。」

「・・・。でも、期待することだけはできるよねぇ。」

「あんまり期待しないことのほうが身のためだと思う。もう木曜日なのに1005が不動ってことは来週の月曜も間違いないと思う。」

その帰りは15時54分助信(すけのぶ)発の2004で帰った。そうでもしないと体が持たない。

 翌日。10月21日。確かに。今日も1005は不動。前は2001だった

「これで5日連続。もう変わるなんてこともないかもね。」

「・・・。昨日2000形2004しか動いてなかったんだけど・・・。」

「だから、そうなったらいくら2000形が一本しか動いてなくてもこうなるんだって。それにどういう組み合わせで来るかなんて見ないと分からないじゃない。3本あるうちの前部に2000形が連結されたら、自動的に2000形は連結されなくなって1000形のどれかが来ることになるじゃない。」

(確かにそうだけど・・・。)

「でも、それでどういう連結の仕方してるかなんて・・・。」

「そんなの簡単だよ。17時42分(助信(すけのぶ)発)の4連は新浜松(しんはままつ)のほうは変わらないけど、西鹿島(にしかじま)のほうに何を連結するかなんてわからない。同じことは54分にも言えて、18時06分のやつは新浜松(しんはままつ)側は確実に変わる。昨日上島(かみじま)で見たの1004だったじゃん。」

確かにそうだった。この頃1004も5日連続で上島(かみじま)で入れ替えている。

「いや、でもさすがに・・・。」

「シー・・・。」

(もえ)が黙ってという動作をした。無線でも入ってきているのだろう。

「14レかぁ・・・。」

「14レってあの30系のやつだよねぇ。」

「えっ。うん。まぁ、あれは期待しないほうがいいって。あれにあたる時間はほとんど1000形に変わるって思ってたほうがいい・・・。」

またノイズが運転席のほうから聞こえた。無線の中にはノイズだけで終わるのもある。これはそのノイズだけではないというのは分かった。ノイズだけにしては長すぎるからだ。

「これも30系のこと・・・。」

「そうか。」

駅に停車、発車を何度か繰り返して、

「・・・。今のは16レ。1006と1007だって。」

「これってある意味最悪のパターンじゃない。だって30分のやつがこれで1006で確定じゃん。上島(かみじま)は90%1004で・・・。16時06分まで待たないとダメってことじゃん。」

「まだいいじゃん。2000形は来るんだから。本当の最悪のパターンって帰る時間にちょうどいいやつが全部1000形だぞ。」

(もえ)の言ったほうがもっと最悪だった。

 翌日。今日学校はない。こういう日は模型部屋にこもって、模型をいじる。今日は貨物列車をやりたいと思った。いつもならコキを出すところだが、今日はタキを出すことにした。

 タキということについて簡単に解説。タキのた。タはタンク車ということだけを意味する。車両がタンクの車両は一部を除き全部タンク車だ。用途はそれぞれで違うが、基本石油を運ぶということを目的に作られている。そして、キのほうだが、こちらは少々複雑になる。キは1両に積載できる石油の量を示している。家にあるタキ1000という形式には1両に石油を45t。まずこのことを頭の中に入れてもらう。キは25t以上石油・荷物を載せることができるということを意味している。その通りになっているということを確認してもらおう。この中で出てきた「コキ」、「ワム」にも同じように意味がある。他に貨車には「ワキ」、「レサ」、「タム」、「トラ」、「トキ」、「レム」、「ツム」などといった多彩な形式が存在している。

 タキは本当は貨物駅に出すものじゃないけど・・・。貨物を取り扱っている駅がここしかないから仕方ないかぁ・・・。と思いながら、タキを貨物駅に並べた。

「ナガシィ、今日はタキ走らせるの。珍しいね。」

前に(もえ)がいるのは分かってたけど・・・。

「そりゃ。いつもコキだけじゃつまんないだろ。」

「別に私はつまんなくないけどねぇ・・・。」

そう言って(もえ)も中に入ってきた。

「これはEH200(ブルーサンダー)に引っ張らせるつもり。」

聞いてきた。まぁ、これを引っ張るものなんて・・・。一番の基本はEF210でもこれの基本はEH200だ。まぁ、EH200だけがタキを引っ張るわけではない。コキで基本のEF210だって引っ張るし、他の機関車だってこれを引っ張ることはあったりするのだ。

「いや、EF64の重連に引かせる。」

僕はEF64の重連を取り出してきた。中央線だ。この列車でどれぐらいの量を引っ張れるのか。本物を数えたことはないが、20両引っ張ることは可能なはずだ。というか家にあるタキ1000はちょうど20両だ。

「EH200(ブルーサンダー)じゃないの・・・。じゃあ、「しなの」でも走らせようかなぁ・・・。」

つぶやきながら、(もえ)はレイアウトの外に出た。そして、車両庫のほうに消えていった。車両庫から戻ってくると確かに「しなの」の箱を提げて戻ってきた。基本と増結で10両の「しなの」をやるつもりらしい。それは持っている箱から推測できる。

(もえ)が「しなの」をやるなら・・・。)

僕も思い立った。タキはもう16両並べてある。残りの4両はKATO(カトー)ケースに入っている。どっちを先にするか・・・。ちょっと迷ってまずタキをしっかり並べた。機関車をタキの前に置く。引っ張る貨車はだがKATO(カトー)、牽引する機関車はTOMIX(トミックス)。タキ1000どうしはKATOカプラーだが、機関車とタキ1000はオーソドックスなアーノルドカプラー。だから連結できる。連結をしたらレイアウトの中から出た。313系と211系を探しに出た。

(えーと。「セントラル(ゼニトラレル)ライナー」と0番(313系)と211系(5000番台)はどこだ・・・。)

まぁ、いつも探しているところに入ってるだろうから、探しやすいかぁ・・・。すぐに見つけて、レイアウトのほうに戻った。

「・・・。」

(もえ)は僕が持っているケースを見て、

「「セントラルライナー」持ってきたんだ。」

「違う。違う。「セントラル(ゼニトラレル)ライナー」な。」

「・・・「ゼニトラレルライナー」って。でも言ってることは半分間違ってないかぁ。310円取られるわけだし・・・。」

「俺なんてまだいい方だと思ったよ。中には「ゼニボッタクリライナー」って言った人もいるからな。」

「えっ・・・。310円ってボッタクリなの。」

「ああ。多分違うと思う。」

僕は「セントラルライナー」のほうから車庫に出した。家にはこのセットが二つあるが、両方ともにMが入っている。基本・増結という形を取っていないということはどうでもいいとして、これではいつか脱線するのではないだろうか・・・。そのあとに211系を先頭に313系を出した。これは中津川(なかつがわ)までの快速(かいそく)列車扱い。クモハ211形を先頭にした。これはこの向きのまま走って行く。

「えー。外にあの快速(かいそく)。内側でやってよ。」

快速(かいそく)ならまだいいじゃん。」

「「ゼニトラレルライナー」のほうがいいんですけど。」

「・・・。」

黙った。

「黙るな。」

こうなったらお約束。僕をいじるんだ。

「・・・。くすぐったいなぁ。」

「ねぇ、私のほうに「ゼニトラレルライナー」。それしてくれるって言ったらくすぐるのやめる。」

「お前・・・。」

「ねぇ、どっちなの。やってくれるの。やってくれないの。」

「くすぐったいから、まずやめろ。」

「こっちの質問に答えてからです。」

「・・・。」

「黙んないでよ。どっちなの。やってくれるの。やってくれないの。どっち。」

(もえ)は僕のことをくすぐり続けた。これではらちが明かないというか・・・。

「分かったよ。もう、くすぐったいなぁ・・・。」

そう言うと(もえ)の攻撃はやんだ。すぐに体を起こしたけど、くすぐられてて、まだお腹の筋肉が痛い。笑いすぎたか・・・。

「ナガシィ。顔赤いよ。」

「お前のせいだー。」

「そんなこと言ってないで、早く用意してよ。「ゼニトラレルライナー」。」

「・・・。」

(もえ)はそんなこと聞く気がないようだ。いつものことだけど・・・。さっき用意したものを位から全部取り替えるというのは面倒だ。「セントラルライナー」のほうはこの編成のまま移せばいいだけだが、快速(かいそく)のほうはどうするか・・・。せっかく211系を先頭で走らせようとしたのに・・・。ふつうに考えて、211系をそのまま前にすればいいだけの話だが・・・。

しょうがない。そうするかぁ・・・。

(はぁ・・・。俺貫通幌ついてる先頭のほうがいいんだけどなぁ・・・。)

自分の欲求を言ってみた。貫通幌がなくてもあっても変わらないのだけど、個人的には貫通幌というアイテムを先頭にして走っているというほうがいい・・・。

「ナガシィ。早く。」

そういうこと考えてたら、また(もえ)にくすぐられそうだ。「セントラルライナー」の3号車(クモハ313形8500番台)と4号車(クハ312形8000番台)の連結を切った。そして、まず4号車から6号車のほうを持って、編成ごと乗っている線路を変えた。次に同じ動作を1号車から3号車の方にもする。後はレールの上にシャリンを乗っければいいだけ。先にこの作業を完了させた。

(もえ)いいぞ。」

「ありがとう。感謝してるよ。」

(ウソつけ・・・。自分で変えるのが面倒なだけだろ。)

今度は僕のほうだ。313系の4号車(クモハ313形0番台)と211系の5号車(クハ210形5000番台)の連結を切る。5号車から8号車の211系をまず移動。そして、載せる線路に雑に置いた。整理するのはあとからでいい。

(これのライト付かないように・・・。待てよ。)

ちょっといけない考えが浮かんだ。

 僕は1号車(クハ210形5000番台)のライトをつくようにはしたが、4号車(クモハ211形5000番台)のライトはつけっぱなしにすることにした。当然走って行くとき4号車は後ろ向き。テールライトが付くことになるがそんなのは関係ない。そして、5号車の(クハ312形0番台)のライトもつけっぱなし。8号車(クモハ313形0番台)のライトをつくようにした。これでどういう状況ができるのかわかった人もいるだろう。

 そして、これを駅まで回送する。駅に回送したら、今度は方向を逆転して、走らせるだけだ。

「ナガシィ。なんで、真ん中ライトつけっぱなの。」

名古屋(なごや)・・・。いや神領(じんりょう)車両(やつ)大阪(おおさか)の真似をしてみた。」

「真似しなくていいから。そもそもなんで・・・。」

「お前が「変えろ、変えろ」うるさかったからだぞ。」

「それとこれ関係ないよねぇ。」

「3番線から、快速(かいそく)名古屋(なごや)行きが発車します。ドアが閉まります。ご注意ください。」

「・・・。」

電気を取らせる。そして、快速(かいそく)は駅を発車していった。

「ねぇ、ナガシィ。やめようよ。あの点灯。223系ならともかくあれで点灯はないって。」

「でも、あれって連結してれば何でもできるよなぁ。」

「まさか「ネックス」でもやる気。」

「「ネックス」じゃあやる気はないけど・・・。そうだな。E231とかでもいいかぁ。」

「・・・。」

「あっ。でも上に小っちゃいのしかないからやっても意味ないかなぁ。」

常磐線(じょうばんせん)のE231系なら、やって意味あるんじゃないか。」

「あっ。そっちならありかぁ・・・。」

(これ言い始めたらエンドレスになるよねぇ。「スーパーひたち」(651系)でもできるし「フレッシュひたち」(E653系)でもできるし・・・。後「スーパーあずさ」も行けるかぁ。「しなの」も例外なくできるし「ひだ」を行けちゃうし、「東海(とうかい)」・・・。)

「よーし。次は313系の5000番と5000番で新快速(しんかいそく)やろう・・・。」

「えっ。それナガシィが禁止してるんじゃなかったっけ。」

「俺がやる分にはいいの。」

(・・・。なんつうやつだ。)

「・・・。」

(もえ)は走って行く「セントラルライナー」を見た。実質これでもできる・・・。(もえ)はすぐに「セントラルライナー」を止めて、3・4号車のライトをつくようにレバーを操作した。

(うわっ。黄色い・・・。でも、我慢かぁ・・・。)

今日はライト祭りだったと思う。その翌日もライトでお祭り。そして月曜。10月24日。

「・・・。」

お互い言葉が出なかった、

「ねぇ。今日も1005。ていうかこれで明日も1005の可能性高くなっちゃったじゃん。」

「私に言うな。これだけはどうしようもできない。」

「はぁ。今日も帰りが2000形であることを願うしかないのかぁ・・・。」

「・・・。」

今日帰れる電車順で形式は、1002、1004、2002、1006となった。


JR東海はおそらく大阪の真似はしないでしょう。間違っても。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ