表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC1  作者: 浜北の「ひかり」
Kishikawa High School Episode:3
167/184

167列車 新幹線 マンネリ化

 10月16日。今日も離れで模型をいじった。駿(しゅん)兄ちゃんは今日は仕事でこの離れには来ない。駿(しゅん)兄ちゃんが言うようにはたから見たらここでエッチとかそういう変なことをしているとしか思われないだろう。しかし、僕たちがしているのはそれではない。この中を走る車内灯をつけた列車を眺めているのだ。

 いつもと違った車内灯のついた列車。町並みにも明かりがついて、普段の夜をさらに演出した。僕たちはコントローラーのところにある椅子を動かして、ただボーッと走って行く車両を眺めていた。LEDに白く照らされた車内。淡い黄色に照らされている模型でもフカフカ感を感じされる重厚感抜群のグリーン。窓が縦に並ぶ2階建てとハイデッカーの位置にしか窓のないカフェテリアを備えた2階建て。また白のライトで長い窓から中がうかがえる。寝ている人、携帯(ケータイ)をいじっている人、座ってパソコンをいじって相場とかを調べる人、子供が眺める闇の世界、笑ってそれを見ている母親。想像力を働かせるだけでこの中の生活感を見いだせる。そして、最後に通り過ぎていく細くとがった赤いライン。

「カッコいいなぁ・・・。」

僕はそうつぶやいた。いつ見てもこの車両だけは引きを取らない。今までの車両の中で僕が認める一番カッコいい車両。僕はこれに一目惚れした。

 今度は前を丸い目の車両が通り過ぎる。顔に似合う数のパンタグラフ。それから飛び散る白の火花。それとパンタグラフの多さが調和して、とても幻想的な世界を作り出す。8個のパンタグラフがおりますアークのダンスだ。まぁ、そんなものみえるわけないが・・・。

「相変わらずのかわいさだなぁ・・・。0系」

今度は(もえ)がつぶやいた。

「ナガシィは100系のほうがいいんでしょ。」

「ああ。まぁな。」

僕はそういうと席を立った。もう夜の演出をするのもいいだろう。電気のスイッチはどこにあるのか。目が慣れているって言っても・・・。手探り状態でドアの近くにあるスイッチをオンにした。壁が目の前に現れて、振り向いてみるとまぶしかった。お互い目の上に手を当てて、日よけ代わりにした。中に戻って、(もえ)の隣に腰掛ける。

(もえ)ってさぁ、進学したらどうする気。まぁ、ここから通学なんて言うのもできないから向こうに下宿するんだよなぁ。」

「うん。ていうか家は進学したら家出てけって言われてるから、嫌でもそうなるけどねぇ。ナガシィはどうなってるの。」

「家もそうなるつもりっていうかそうなるしかないだろ。」

「まぁ、これで三重県とかに住んでれば話別だけどねぇ。」

「ああ。オープンキャンパスの時のあの先輩だろ。名前なんて言ったっけ。」

名張(なばり)さん。名張(なばり)さんいいよねぇ。ずっと「アーバンライナー」通学だよ。」

「でも大変なのは変わんないんだろうなぁ・・・。通学できるって言っても時間かかるのは確かだからなぁ。ていうか、何で「アーバンライナー」。それで通学してるとも限んないでしょ。」

「そうだけどさぁ・・・。」

お互い黙って前を走り去っていく新幹線を見つめた。昔はこんな光景ふつうだったのに。今は300系と700系とN700系に変わっている。そして、その一員だった300系がここからなくなろうとしている。

「100系もあと半年ぐらいだろうなぁ・・・。」

「えっ。」

「引退するの。もう4両のP編成(100系)は運用がないっていうか、廃車になってきてるんだろうけど・・・。K編成(100系)のほうも復刻色が出た時点でもうすぐって思ったほうが・・・。」

「・・・。それでもナガシィが好きなのには変わりない、あっ。」

(そうだった。K編成(100系)もP編成(100系)もナガシィの好きなのじゃないんだ。)

「そうか。そうだったね・・・。」

「・・・。廃車にされる前にさぁ、これ買いたいって思った。」

「買いたいって。新製するときに3億もかかってるやつどうやって買うのよ。つうかそんなの無理っていうがふつう。」

「無償で譲ってくんないかなぁ・・・。G(100系)の先頭。」

「・・・。ナガシィ。もうG編成(100系)の先頭なんて全部廃車になってるんじゃないの。」

「なってるね・・・。」

気は確かに落としたくなる。でも、それってある意味の夢ではないのかとも思う。自分の一番好き。彼女(もえ)以上に大切ともいえる車両の先頭を買い取って、その中を改造か、そのままにするかそこを選択。そして、その中で改造したなら、生活する。改造しなかったなら、鑑賞するだけもよし。運転室に乗って自分のこうありたいと夢見るもよし。これほどの究極の夢ってないと思う。

「もしさぁ、この家にこれの代わりに100系が置いてあったら、俺その中で暮らしたくなったかもしれない。」

「の前に25000ボルトはどうするのさ。それも交流の。」

「・・・。そういうこと考えなきゃ置きたいんだよなぁ。」

(そういうこと考えなければかぁ・・・。)

「はぁ。あの中で暮らしたいって今まで生きてて何回思ったことか。食堂車があって料理には困らないし、寝たい時はふかふかのグリーン席で寝ればいいし、暇があったら運転室に行って、マスコンいじって・・・。」

(確かそう思ったのはもう365×13日じゃなかったっけ。)

「次は何走らせようかなぁ・・・。」

(もえ)はそうつぶやいてから席を立った。車両基地のほうに行く。

「0系もう止めるのか。」

「もうって、結構走らせたよ。」

「・・・。はぁ。100系(こいつ)も変えるかぁ・・・。」

僕はコントローラーのほうに回って、駅に止める準備をした。最後も100系はわがままのままで通す。本線上に堂々と止めた。そしてそのまま置いておく。すべてが終わったという設定をしたら、車庫のほうまで100系を引き揚げさせる。車庫に止めたら、そっちに回って100系の頭をなでた。

「アハハ。よく頑張ったね。」

「・・・。」

(もえ)がそれに便乗して、僕の頭をなでている。とてもいい気がしないけど・・・。

「あれ。反撃無し。」

「何。あったほうがいいわけ。」

「だってそっちの方が面白いし。」

「ふぅん・・・。今回は100系(こいつ)に免じて許してやる。」

「えっ。なんで100系(それ)。」

「・・・。特に理由はない。」

(理由ないわけないだろ。)

僕は立ってコントローラーの隣に置いてある携帯(ケータイ)を持ってきた。それで車両基地に止まっている100系の写真をアップで撮る。今度は・・・。

(もえ)。0系だけどさぁ、一番向こうの線路に入れて。」

「えっ。いいけど、何するつもり。」

「東海道・山陽組は全部出てるんだから、あれしかないでしょ。」

僕はそう言った。0系の4号車ぐらいまで残して、あとは全部はこの中にしまう。今度はこれから走らせる予定の300系を出した。模型はこのごろリニューアルされたもの。その隣に500系、700系、N700系と並べていく。100系以外は全部4号車ぐらいまで。

「何したいかだいたい読めた。」

(もえ)はそうつぶやいて、僕の隣に寄った。手前からN700系、700系、500系、300系、100系、0系と並んだ。すべての先頭が真横から写るようにずらして配置している。

「・・・。」

「こうして並ぶとまたカッコいいね。」

「・・・。」

僕は何も答えなかった。ただこれを見てカッコいいと思っているだけじゃなかった。僕はネットで見つけたある動画のことを思い出していた。原曲を変えたネット上の人が作った歌・・・。

(友達かぁ・・・。こいつら全員友達なんだよなぁ・・・。)

いろんな会話が聞こえてきた。

(お前らはまだひよっこだ。私が面倒を見てやろう。)

(先輩。後は僕に任せてください。僕がちゃんと日本を世界一にします。)

(お前なんかに任せられるか。)

なんちゃって。お互いを冷やかしあって、それでも仲良くみんなで作り上げてきた47年だ。

「・・・。」

「ナガシィ。」

「えっ。」

「さっきからボーっとしてどうしたの。いつもの抜け方がハンパじゃなく引き出されてるよ。」

「いや。どうもしないけど・・・。」

「はぁ・・・。どうもしないねぇ・・・。私にそんなウソが通じると思う。」

「思わない。」

僕はそういうと立ち上がって、全員を整列させた。今度は300系を全部出して、300系を走らせる。(もえ)のほうは500系のほうを全部並べた。そして、500系のほうも走らせる。ずっと走らせ続けた。300系はいまは臨時ぐらいでしか「のぞみ」の仕業がないが、模型ならそんなことにとらわれる必要はない。時折駅じゃないところで300系を止めて、携帯(ケータイ)で写真を撮った。学校の展示でも暇ができたらやっていることだ。

「ナガシィ。乗客の迷惑かかるよ。」

「乗客乗ってないけど。」

(もえ)にツッコまれたけど、そんなことお構いなしだ。

 翌日10月17日。いつもと同じように遠州鉄道(えんてつ)芝本(しばもと)に来た。

(あずさ)。おはよう。」

「おはよう・・・。」

(ダメだ。いつ見ても鳥峨家(とりがや)と勘違いしちゃう。・・・。違うんだ。違うんだ。違うんだ。)

「どうしたの。(あずさ)。」

「ええ。なんでもない。なんでもない」

(もえ)の友達はあわてて否定した。これでは「なんでもない」と言った意味がないと思う。分かりやすいなぁと感じる。

「ねぇ、ちょっと俺って誰かに似てる。」

そう聞いてみた。

「えっ。・・・。似てるよ。似ていすぎる。迷惑っていうけに似てるわよ。中身違うけど。」

(あずさ)・・・。ナガシィよっぽど(あずさ)の頭混乱させてるなぁ・・・。)

「ナガシィ。これから来るやつ私は2002に賭けるけど、ナガシィはどうする。」

「じゃあ、1005にでもしとこうかなぁ・・・。」

(1005かぁ。当たってほしくないなぁ・・・。)

(もえ)は心の中でそう思った。

 僕だってそんなものには当たりたくない。だが、嫌な予感がするのだ。

 その時間になった。向こうから電車が近づいてくる。モーターの音ですぐに1000形ということが分かった。前の車両の車番は1002。まぁ、これはどうでもいい。問題は次に続く車両の車番。金は賭けていないけど、何が来るかには賭けいるんだ。

(1005・・・。)

心の中でハモったと思った。当たりたくない賭けにあたってしまったのだ。

「ナガシィ。当てちゃダメだよ。」

「知るか。俺も当たるなんて思わなかった。」

そう言うと1005は止まってドアが開いた。僕たちは中に乗り込んだ。走っている間にこの次の12レ以外の車両は何が来るのかということが分かる。情報により14レはいつもの51+25。その次の16レは1001+2003だった。上島(かみじま)で入れ替えたのは2004、八幡(はちまん)で入れ替えたのは1004+1007。乗って帰るのは自動的に2004だな・・・。

 翌日10月18日。

「今日は基本変わらないんだよなぁ。じゃあまた1005かぁ。」

「うん。前の1002は変わっても後ろだけは変わってくれないていうことよくあるから。」

確かに来た車両は2002+1005だった。今日の14レも変わらず。まぁ14レが変わるというのは相当だが・・・。16レは1006+2003、上島(かみじま)は1001、八幡(はちまん)は1007+2004だった。

 翌日10月19日。

「今日からはまた賭けできるなぁ。俺はそうだなぁ。そろそろ来てくれてもいいと思うから2001あたりにしとこうかなぁ・・・。」

「2001かぁ。でも、もしそうだったら、そうだったで嫌だよねぇ。」

「そうだけど・・・。で、(もえ)はどうするつもりだよ。」

「えっ。私は・・・。2004が来てくれたら大歓迎だけど、そんな都合よく来るわけないよねぇ。2003ぐらいが妥当なのかなぁ・・・。」

踏切が鳴りだして、遮断機が下がる。来た車両は・・・。

「えっ。」

お互いの声が揃った。

「おい。(もえ)変わるんじゃなかったのか。」

「えっ。これってまさかの半無限ループパターン。」

「おい。それ最悪じゃん。」

「もしかしたら、このまま変わらないっていう可能性大かも。」

「俺。それだったら嫌だよ。やっぱり遠江急行(こうきゅう)のほうでいこうかなぁ。」

「えっ。それはやめてよ。」

「じゃあ、これがなんでこのままなんだよ。」

「知らないよ。・・・でもこれって何週間も連続で来るんだよねぇ。」

「もっと最悪だな・・・。」

(電車に最悪って言えるってある意味すごいよねぇ・・・。)

「いやでも、まだ水曜。今日は偶然変わらなかったってことも。」

 翌日10月19日。

「ホントに今日も変わんなかったな。」

「ナガシィ。もうこの賭けやめよう。やるだけで心が病んじゃう。」

「・・・。ああ。やめたほうがいいかも。ていうか俺は1005(こいつ)蹴りたくなる。」

「蹴れば・・・。」

「・・・。」


運用の関係で1編成(1両)しか走ってないっていう路線もあるから・・・。


しかし、このごろの新幹線形式は山陽・上越を除けばマンネリ化しまくってますね。東海道は700とN700に。東北は近々、E5とE6になるって言ってるんですからね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ