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MAIN TRAFFIC1  作者: 浜北の「ひかり」
Kishikawa High School Episode:3
164/184

164列車 アナウンス

 10月9日。僕は展示が行われている篠山図書館(ささやまとしょかん)に向かった。(もえ)も暇と言っていたのでそっちのほうまでやってきた。

「今日はあすこで模型いじりじゃないのか。」

僕は中に入るとすぐにそう切り出した。

「いいじゃん。あんまり見に来れなかったんだから、見に来たっていいでしょ。」

(またあの人来てる・・・。)

永島(ながしま)さん。おはようございます。」

朝熊(あさま)から話しかけてきた。

「よーす。あっ。ちょっといいもの見せてやるぞ。ちょっとねぇ、昨日受験しに行ったらこいつに会った。」

そういうとそれまで運転台で列車をコントロールしていた人たちが僕の周りによってきた。僕は携帯(ケータイ)の写真機能を起動して、micro(マイクロ)SDの中に入っている「ドクターイエロー」の写真を見せた。

「うわぁ。「ドクターイエロー」。」

図書館の中だからそんな大きな声は出せない。小さい声で柊木(ひいらぎ)が騒いだ。

「ひどいですよ。なんで僕も誘ってくれないんですか。」

「お前なぁ。飛び級するつもりなのか。」

「・・・。でも、これ近くで撮れなかったんですか。」

「ああ。近くなら木ノ本(きのもと)たちに言ったほうがいいよ。あいつら制服の格好のまま「ドクターイエロー」撮ってたから。」

「受験の時までよくやりますね。」

北石(きたいし)はある意味感心していたようだ。

「・・・。で次は何走らせるつもりなんだ。」

僕がそう言うと空河(そらかわ)が、

永島(ながしま)さん。ちょっと見てください。5000番台(313系)の連結器全部KATO(カトー)の車体間ダンパ付きのやつに換装しました。」

「うまいなぁ・・・。」

「それに前面がKATO(カトー)カプラーじゃないから、6両単体での運用しか就けないようになってます。」

(6両で特快(とっかい)かぁ・・・。行先は大垣(おおがき)なんだな。)

(もえ)のいる前のほうを見てみた。(もえ)は展示しているスペースの前に置かれている椅子に座ってじっとこっちを見ていた。その顔はちょっと笑っている。

「次は何出すんだ。JR東海は出してるから・・・。」

「次は221系出したいと思います。永島(ながしま)先輩が来るから外回りは223系1000番台でお願いします。」

僕の声は途中から朝熊(あさま)の声に置き換わった。

「ああ。それだったら俺の1000番台(223系)は外じゃなくて内回りのほうがいい。俺の12両だから・・・。入りきったか・・・。」

「221系走らなくても知りませんよ。今日は諫早(いさはや)の6000番(223系)はないんですから。」

空河(そらかわ)が口を開いた。

「そうなのかぁ・・・。じゃあ、今日は321系持ってきてるから、京都(きょうと)西明石(にしあかし)でいいんじゃないのか。」

「それなら、両方とも同じ方向に走らせて、223系が321系ごぼう抜きするシーン作ればいいですよ。」

青海川(おうみがわ)が続けていった。

「おいおい。複線でそれやるなよ。あっちは複々線だからできる芸当だぜ。」

(家じゃあよくやってるよねぇ・・・。ナガシィ。)

「まぁ、ここは複線でふつうに走らせればいいよ。」

僕はそういうと外に1000番台(223系)を出した。内回りは321系が出された。

永島(ながしま)さん。中間のクモハ(4号車 クモハ223形)とクハ(5号車 クハ222形)のライトつけないんですか。」

「ああ。なるほど。あっちの再現かぁ。やろう。やろう。」

僕はすぐにこれに乗った。僕は中間の先頭車同士を取り外して、裏返した。箱の中に入っているレバーを取り出し、オンにする。これで基盤のほうに電気が行くようになり、クハ222形のほうはテールライト。クモハ223形のほうはヘッドライトが点灯する。本当は両方ともヘッドライトを点灯させたいが、半導体であるから仕方ない。

「よし。4番乗り場から、新快速(しんかいそく)米原(まいばら)方面(ほうめん)長浜(ながはま)行きが発車します。ドアが閉まります。ドアにご注意ください。」

永島(ながしま)さん。こっちの方も準備できました。」

「分かった。2番乗り場から、普通(ふつう)神戸(こうべ)方面(ほうめん)西明石(にしあかし)行きが発車します。ドアが閉まります。ドアにご注意ください。」

先にドアを閉めた設定の新快速(しんかいそく)が先にホームから離れていく。それに続いて、普通(ふつう)がホームから離れていった。途中普通(ふつう)は毎回この駅に停車。新快速(しんかいそく)は数周してから一回この駅に停車する。ここは本物に則させる。新快速(しんかいそく)が一周するちょっと前に、

「間もなく5番乗り場を、列車が通過します。危ないですから、黄色い線まで下がってお待ちください。・・・。間もなく2番乗り場に、普通(ふつう)神戸(こうべ)方面(ほうめん)西明石(にしあかし)行きが7両で参ります。黄色い線の内側までお下がりください。足元白色(しろいろ)、丸印。1番から7番で2列に並んでお待ちください。」

「えっ。なんですか。その丸印とかって。」

朝熊(あさま)が疑問に思ったらしく聞いてきた。

大阪(おおさか)はこれ必ず言うぜ。足元白色(しろいろ)、三角印とか。」

新快速(しんかいそく)がもう一周するしようとしているころでは次のアナウンスは遅い。

「間もなく5番乗り場に、新快速(しんかいそく)米原(まいばら)方面(ほうめん)長浜(ながはま)行きが12両で参ります。黄色い線まで下がってお待ちください。足元白色(しろいろ)、三角印、1番から12番で2列に並んでお待ちください。前より8両、新快速(しんかいそく)長浜(ながはま)行き。後ろより4両、新快速(しんかいそく)米原(まいばら)行きです。途中京都(きょうと)山科(やましな)にお急ぎのお客様、この列車が先に着きます。」

「へぇ、そんなことも言うんですか。ここら辺は普通(ふつう)しかないからそれ言いませんよねぇ。」

「まず、言う必要がないな。」

東京(とうきょう)の方だって、快速(かいそく)でもほとんど普通(ふつう)と変わりませんから、こういうこと言ってないですよねぇ。」

東京(とうきょう)でこのアナウンスは聞いたことがないな。」

「間もなく2番乗り場に、普通(ふつう)西明石(にしあかし)行きが7両で参ります。危ないですから、黄色い線まで下がってお待ちください。足元白色(しろいろ)、丸印、1番から7番で2列に並んでお待ちください。途中新大阪(しんおおさか)大阪(おおさか)にお急ぎのお客様、次に2番乗り場に到着いたします快速(かいそく)が先に着きます。忘れてるよ。ナガシィ。」

(もえ)がそう言ってくれた。確かに忘れていたかもしれない。今からこういうアナウンスをしても321系がホームに到着するのが先だっただろう。

(あの人もよく知ってるなぁ・・・。)

「ねぇ、新快速(しんかいそく)は俺がやるから、普通(ふつう)お願い。」

「なんでよ。ここは私が新快速(しんかいそく)で、ナガシィが普通(ふつう)でしょ。」

「・・・。」

「文句言わない。」

「後でいじるからね。」

「それなし。・・・5番乗り場から、新快速(しんかいそく)米原(まいばら)方面(ほうめん)長浜(ながはま)行きが発車します。駆け込み乗車はご遠慮ください。ドア閉まります。」

「2番乗り場に停車中の列車はJR京都線(きょうとせん)普通(ふつう)西明石(にしあかし)行きです。列車遅れて到着しております。乗降が終了しますと発車いたします。ドア閉まります。」

「いつからそんな設定出てきた。」

「今。」

「間もなく、5番乗り場を、列車が通過します。危ないですから、黄色い線の内側まで、下がってお待ちください。」

「間もなく2番乗り場にJR京都線(きょうとせん)普通(ふつう)西明石(にしあかし)行きが7両で参ります。足元白色(しろいろ)、丸印、1番から7番で2列に並んでお待ちください。列車遅れましたことをお詫びいたします。列車は乗降が終了しますと速やかに発車いたします。途中新大阪(しんおおさか)大阪(おおさか)にお急ぎのお客様、次に2番乗り場に停車いたします、高槻(たかつき)から快速(かいそく)普通加古川(かこがわ)行きが先に着きます。・・・。ご乗車ありがとうございました。長岡京(ながおかきょう)長岡京(ながおかきょう)です。列車遅れて降ります。乗降が終了しますと列車発車いたします。ドア閉まります。ご注意ください。新大阪(しんおおさか)大阪(おおさか)にお急ぎのお客様次の列車をご利用ください。」

(もえ)と一緒に結構遊んだと思う。特に(もえ)のほうは遅れた列車って・・・。結構現実的過ぎた。この列車で遊ぶことが終了すると今度は舞台が北陸になった。ただ北陸も関西圏とノウハウは同じ。どこから乗れということがなくなるだけで、それ以外はほとんど変わらない。

「間もなく5番乗り場を、列車が通過します。黄色い線の内側まで下がってお待ちください。」

今度はアナウンスの担当が変わっている。今萌(もえ)は「サンダーバード」のほうを受け持っている。僕は内回りの「雷鳥(らいちょう)」のほうを受け持っている。

「間もなく、2番乗り場に「特急、雷鳥(らいちょう)号」大阪(おおさか)行きが9両で参ります。黄色い線まで下がってお待ちください。「雷鳥(らいちょう)」と書かれたプラカード付近で並んでお待ちください。」

「ナガシィ止まってばっかだね。」

「だって「雷鳥(らいちょう)」なんだから仕方ないだろ。「スーパー雷鳥(らいちょう)」なら話別だけど・・・。」

(もえ)の攻撃ってこういうことだったのかも。(もえ)と列車で遊んではいたけど、(もえ)のほうも空河(そらかわ)とか、鉄研の人と結構話しているので、その溶け込み具合にはある意味感心した。

永島(ながしま)さん。1300t(トン)貨物やりましょうよ。」

空河(そらかわ)が切りだしてきた。僕もそろそろやる気になっていた。貨物をやり出せばこれからはほとんどほっといていいぐらいになる。

「よしやろう。俺のほうもコキ100系大量に持ってきてるから。(もえ)。並べるの手伝って。」

「・・・。はぁ。しょうがないなぁ。」

「えっ。見てる人こき使うんですか。」

「大丈夫。俺の知ってる人だから。」

(・・・いや。そういう問題じゃなくて・・・。)

僕の必殺は前にも言った。知ってる人を使ってこき使うことだ。内回りの運転の北石(きたいし)に「雷鳥(らいちょう)」を止めるよう指示。「上野駅(うえのえき)」3番線に待避したことを確認して、ポイントを直線にする。後は先頭に機関車を立たせて、コキ26両を引っ張ればいい。その牽引機を何にするかちょっと考えた。考えた結果出た答えはEF510-500番台の貨物仕業だ。

「えっ。それに引かせるんですか。」

朝熊(あさま)の引きつった声が聞こえた。

「ああ。「安中貨物(あんなかかもつ)」やってるし、コンテナ仕業だってある。間違ってないだろ。」

「間違ってませんけど、これで1300t(トン)仕業はないです。」

「だから、空コキを増やす。前スカスカの貨物やったから、それでいこう。20両空コキ。」

「多っ。」

コンテナを乗せたのは最初の1号車から6号車にかけてと思ったが、そのあとコンテナを乗せるのも面倒くさいので、結局コンテナは外さないまま仕業を行うことにした。展示しているところに現実ではありえない光景ができた。運転担当は僕が担当した。外回りの方も貨物列車を出すというのでコキ350000だけじゃないが「スーパーライナー」を出した。こちらも26両。両方とも1300t(トン)貨物が降臨した。

「両方とも貨物かぁ。」

互いの長い貨物列車を見て一言そう言った。アド先生もそれを見たが、とても長いと言っていた。それを見に来ている子供たちもしきりに長いといい、その数を数えている。子供の数え方は機関車から数えるということをするので26両ではなく27両になってしまうけど・・・。まぁ実際の数は27だから間違ってはないか・・・。

「家じゃあできないよねぇ。こんな数。」

(もえ)がそうつぶやいた。

「ちょっと待ってください。これができるって家が相当大きいのとレイアウトが相当大きくないとできませんよねぇ。」

「家はできるんだよなぁ。1300t(トン)。」

「これができるって相当ですよねぇ。」

「ていうか家のレイアウト全線複々線だからなぁ。新幹線もあるし、その新幹線は東海道組は全部16両だし、在来線のほうは貨物抜いたら15両だし。」

(旅客列車で15。首都圏かぁ。)

「・・・。すごいですねぇ。ナガシィ先輩の家。」

「そうか。俺は別に見慣れてたから。」

(その見慣れてたってどういうことだよ・・・。)

そのあと貨物列車を何周もまわしていた。コンテナの積み下ろしを行いながら列車を走らせていく。時折空コキを増やしたり、減らしたり。そういうことを繰り返した。家みたいに大きな貨物駅がないからおろしたコンテナを整理しておく場所がなくて困る。30分ぐらいは知らせて、今度は牽引をEH200(ブルーサンダー)の単機に交代。続いてEF64の重連に交代。そして、EF66の単機。EF510(レッドサンダー)の単機。ED75の重連に交代。運航路線は常磐線(じょうばんせん)中央本線(ちゅうおうほんせん)東海道本線(とうかいどうほんせん)北陸本線(ほくりくほんせん)信越本線(しんえつほんせん)羽越本線(うえつほんせん)奥羽本線(おううほんせん)東北本線(とうほくほんせん)と少し入り組んだ形で一周してくる列車になった。

 もちろんここまで複雑にする意味はどこにもない。


90パーセント形本物に近づけています。

東京口は「次に10番乗り場に参ります列車は、普通、熱海行きです。列車は4つドア、15両編成です。」みたいな感じですよね。

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