151列車 予想外連続で
16時55分。4番線に到着した413系に乗り込む。だが、乗りこむときには注意が必要だ。ドアのある床の高さと椅子のある床の高さはものすごく違う。足をひっかけないように乗車する必要がある。乗り込んでみると、席は座れるところが残っていても、全員が固まって座れるようにはなっていなかった。シナ先生がどこかに座るように指示しても、座る気にはなれない。富山側の先頭車のロングシートのところ(金沢より)まで行って中学生と1年生に腰を下ろさせた。
16時58分。ガッコンと下から突き上げる衝撃を3回受けて、413系のモーターがうなりを上げる。ここから富山までの行程は1時間程度。だが、その工程は少し長い。
金沢から東金沢までの間に金沢の車両基地が見えてくる。ここには「サンダーバード」をはじめとするたくさんの特急車両に混じって489系「急行能登」、豪雪地帯北陸の除雪を担っている「ラッセル車」も止まっていた。森本まで来るとさすがに暇になってくる。すれ違う対向列車も多いわけではない。
「ねぇ、しりとりやりませんか。」
大嵐がふった。
「別にいいけど・・・。また鉄道シバリだよなぁ。」
「それは当然でしょう。ていうか1年経っても決着がついてませんね。」
「そのためにもやってやろうじゃないか。」
「じゃあ、誰から始めますか。」
「ここはシナ先生からスタートでしょう。」
「じゃあ、始めるけど、ここは流れからして森本スタートだな。」
「シナ先生から時計周りで行くから、次は永島先輩です。」
「「と」、富山。」
その後の順番は次の通りだ。留萌、木ノ本、柊木、隼、北石、朝熊、大嵐、朝風の順番だ。
「「ま」・・・来る途中にあった松任。」
「あれ来た。」
「あれ、絶対読めませんよねぇ。」
「たぶん地元の人でしか読めないと思う。」
「「う」・・・「う」・・・、宇都宮。」
「「やくも」。」
「モーター。」
「「あ」か・・・。「あ」。熱海。」
「「みずほ」。」
「「ほ」・・・。あっ、あっちが出てきた。「北斗星」。」
「「い」・・・これも途中にあった。動橋。」
第2周目、第3周目、第4周目と良好で進んでいく。だが、一人一人のシンキングタイムが長いため、進み方が早いとなると疑問がわくかもしれない。やっている間に西高岡までコマを進めてきていた。しりとりの方は今隼でつまっている。
「うーん。「た」。「た」。」
「次は高岡ー、高岡です。」
「あっ、高岡。」
「高岡って。車掌割り込んじゃったよ。」
「今の割り込みでピンと来た。」
「ふつうダメだろ。」
「いいじゃん別に。北石。「か」だよ。」
「はいはい。」
またしばらくの間しりとりで楽しんでいると、外をしたが赤みがかった上がクリーム色の車両とすれ違った。しりとりは一時中断である。
「何今の。」
「えっ。ここで動いてるのって北陸色の413系とか475系とか青一色の475系だよねぇ。なんで国鉄色がいるの。」
「クソッ。なんてKYな車両だよ。撮れないじゃないか。」
「おーい木ノ本。「ほ」だよ。」
「あっ、マズイ。言っちゃった。」
留萌が口を押さえた。
「言っちゃったものはしょうがないですよ。」
「じゃあ、「北陸」。」
そしてまたしばらくやっていると、
「次は呉羽ー、呉羽です。」
「ドクタークレハ。」
「「くれは」ってそっちじゃないですよ。」
「解ってる。冗談で言っただけ。」
いつになったら終わるのだろう。結局終わらないまま富山についた。ホームに降りて階段の方へ歩いて行くと、小ぢんまりとした車両がむこうへ走り去って行くのが見えた。車両は白にオレンジ色のラインをまとっている。
「「ライトレール」だ。」
全員の声がそろう。
「あと1時間あるんだし、撮りに行こうぜ。で、留萌「富山ライトレール」で。」
「ともかく、それありかよ。」
「さっき隼が使ったんだしありだろ。」
「あのなぁ、「る」から始まる駅なんて2つしかないんだぞ。まいっか。榛名、「い」だよ。」
「さくら自分の名字だからなぁ。うーん・・・。」
階段を上って、左にかじをきる。小ぢんまりとした北口を抜けて、左を見てみる。目の前には「ライトレール」の電停が横たわっていた。
「「いしづち」って出たっけ。」
「「いしづち」出ました。」
「うーん。じゃあ、「出雲」。」
やっている間に「ライトレール」の始発富山駅北に来ていた。電停には終点岩瀬浜までの停車駅と15分間隔できれいに発車している時刻表がかけられている。ミストが出されており、涼しさを運んで来てくれている。
「桃太郎。」
「「う」。なんかあるかなぁ。」
電停で「う」から始まる駅を探し始める。
「北石それなし。」
18時10分。さっきオレンジが走って行った方向から18時15分発の「ライトレール」が接近する。全員カメラを持ってシャッターの嵐で出迎える。来た車両の色は赤だった。
18時11分。赤いライトレールが富山駅北に到着乗ってきた客停まっていた客を入れ替えて発車を待つ。その間に「ライトレール」の写真を収める。先頭と「PORTRAM」と書かれたエンブレムを撮った。
18時15分。赤いライトレールは静かに富山駅北から発車していった。
「「う」だったら碓氷峠があるよ。EF63。」
「EF63。」
「EF63、「あさま」、「白山」。」
「北石先輩。クソくらいに有名ですよ。66.7‰。」
「あっ、碓氷峠ね。」
「「け」かぁ。うーん。「けごん」いったら終わるし・・・、「京成スカイライナー」。」
すると今度は、
「えっ、何あれ。」
留萌が声を上げた。こう言いたくなるのも分かる。僕もその目撃者の一人だ。僕達の視界に飛び込んできたのは485系だ。それも国鉄色の485系である。ここに国鉄色の485系が来るのは23時15分か、5時42分の「急行能登」しかないはずなのに。なぜこんな時間に姿を現す。
「こりゃあ見ものだな。撮り行こうぜ。」
「朝風、「あさかぜ」。」
今度は全員で構内へダッシュ。「18切符」を取り出して、北改札口をパス。階段を駆け上がって行こうとしたが、後ろがついてきていない。
「朝風の得意分野だろ。「海馬セト」使えば。」
「えっ、ここで「瀬戸」を使うのはちょっと・・・。仕方ない。「瀬戸」で。」
後ろを待って階段を駆け上がる。自由通路まで行くとさっきの485系がどこに停まったのか探した。窓から下をのぞいてみる。5番線には特徴的な屋根を持った車両が、4番線にはここまで乗ってきた413系・・・475系の顔がある。隣から覗き込んだ朝風が言った。
「これじゃないですか。」
5番線のやつのことだろう。だが・・・。
「それじゃない。確かによく似てるけど、こいつは475系・・・あっ、ドア両開きだから413系か。」
留萌が説明する。
「永島。居ないぞ。まさかさっきの列車って通過したんじゃないのか。」
「おかしいなぁ。「雷鳥」みたいなヘッドマークは出してたのに・・・。」
「なら、通過するわけはないですか。ちゃんと探したんですか。」
「いないもんはいないんだよ。いたら「イターッ」って言うわ。」
「クソッ。撮りそこなったか。」
「うーん。撮りそこなったのは撮りそこなったとして、これからどうするかな。まだ集合時間までは時間があるし・・・。」
「集合場所の正面改札に行けばいいじゃないですか。」
「そうだな。おーいみんな。改札口の方行くぞ。で、永島君、鳥取だ。」
改札口を出るまで考えて、
「んじゃあ、ちょっとあれで有名な駅はやめといて、「リゾートしらかみ」。」
留萌の方は改札口から見て左にある待合室まで考えて、
「「みどり」・「ハウステンボス」。」
その後、集合時間の19時00分までしりとりは続き、全員が集まったところで全員でけった。しりとり終了の後はホテルまで向かい、その間に「セントラム」も見ることができた。
ホテルについてしばらく経った後に富山駅に夕ごはんを食べに戻り、ホテルに戻ったらすぐにシャワーを浴びて、床に就いた。
駅や列車名でギャグいろいろできますねぇ。
突然ですが「発寒」なんて読むと思いますか。ヒントはポケットモンスターです。