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MAIN TRAFFIC1  作者: 浜北の「ひかり」
Kishikawa High School Episode:3
151/184

151列車 予想外連続で

 16時55分。4番線に到着した413系に乗り込む。だが、乗りこむときには注意が必要だ。ドアのある床の高さと椅子のある床の高さはものすごく違う。足をひっかけないように乗車する必要がある。乗り込んでみると、席は座れるところが残っていても、全員が固まって座れるようにはなっていなかった。シナ先生がどこかに座るように指示しても、座る気にはなれない。富山(とやま)側の先頭車のロングシートのところ(金沢(かなざわ)より)まで行って中学生と1年生に腰を下ろさせた。

 16時58分。ガッコンと下から突き上げる衝撃を3回受けて、413系のモーターがうなりを上げる。ここから富山(とやま)までの行程は1時間程度。だが、その工程は少し長い。

 金沢(かなざわ)から東金沢(ひがしかなざわ)までの間に金沢(かなざわ)の車両基地が見えてくる。ここには「サンダーバード」をはじめとするたくさんの特急車両に混じって489系「急行能登(のと)」、豪雪地帯北陸の除雪を担っている「ラッセル車」も止まっていた。森本(もりもと)まで来るとさすがに暇になってくる。すれ違う対向列車も多いわけではない。

「ねぇ、しりとりやりませんか。」

大嵐(おおぞれ)がふった。

「別にいいけど・・・。また鉄道シバリだよなぁ。」

「それは当然でしょう。ていうか1年経っても決着がついてませんね。」

「そのためにもやってやろうじゃないか。」

「じゃあ、誰から始めますか。」

「ここはシナ先生からスタートでしょう。」

「じゃあ、始めるけど、ここは流れからして森本(もりもと)スタートだな。」

「シナ先生から時計周りで行くから、次は永島(ながしま)先輩です。」

「「と」、富山(とやま)。」

その後の順番は次の通りだ。留萌(るもい)木ノ本(きのもと)柊木(ひいらぎ)(はやぶさ)北石(きたいし)朝熊(あさま)大嵐(おおぞれ)朝風(あさかぜ)の順番だ。

「「ま」・・・来る途中にあった松任(まつとう)。」

「あれ来た。」

「あれ、絶対読めませんよねぇ。」

「たぶん地元の人でしか読めないと思う。」

「「う」・・・「う」・・・、宇都宮(うつのみや)。」

「「やくも」。」

「モーター。」

「「あ」か・・・。「あ」。熱海(あたみ)。」

「「みずほ」。」

「「ほ」・・・。あっ、あっちが出てきた。「北斗星(ほくとせい)」。」

「「い」・・・これも途中にあった。動橋(いぶりはし)。」

第2周目、第3周目、第4周目と良好で進んでいく。だが、一人一人のシンキングタイムが長いため、進み方が早いとなると疑問がわくかもしれない。やっている間に西高岡(にしたかおか)までコマを進めてきていた。しりとりの方は今(はやぶさ)でつまっている。

「うーん。「た」。「た」。」

「次は高岡(たかおか)ー、高岡(たかおか)です。」

「あっ、高岡(たかおか)。」

高岡(たかおか)って。車掌割り込んじゃったよ。」

「今の割り込みでピンと来た。」

「ふつうダメだろ。」

「いいじゃん別に。北石(きたいし)。「か」だよ。」

「はいはい。」

またしばらくの間しりとりで楽しんでいると、外をしたが赤みがかった上がクリーム色の車両とすれ違った。しりとりは一時中断である。

「何今の。」

「えっ。ここで動いてるのって北陸色(ほくりくしょく)の413系とか475系とか青一色の475系だよねぇ。なんで国鉄色がいるの。」

「クソッ。なんてKYな車両(やつ)だよ。撮れないじゃないか。」

「おーい木ノ本(きのもと)。「ほ」だよ。」

「あっ、マズイ。言っちゃった。」

留萌(るもい)が口を押さえた。

「言っちゃったものはしょうがないですよ。」

「じゃあ、「北陸(ほくりく)」。」

そしてまたしばらくやっていると、

「次は呉羽(くれは)ー、呉羽(くれは)です。」

「ドクタークレハ。」

「「くれは」ってそっちじゃないですよ。」

「解ってる。冗談で言っただけ。」

 いつになったら終わるのだろう。結局終わらないまま富山(とやま)についた。ホームに降りて階段の方へ歩いて行くと、小ぢんまりとした車両がむこうへ走り去って行くのが見えた。車両は白にオレンジ色のラインをまとっている。

「「ライトレール」だ。」

全員の声がそろう。

「あと1時間あるんだし、撮りに行こうぜ。で、留萌(るもい)富山(とやま)ライトレール」で。」

「ともかく、それありかよ。」

「さっき(はやぶさ)が使ったんだしありだろ。」

「あのなぁ、「る」から始まる駅なんて2つしかないんだぞ。まいっか。榛名(はるな)、「い」だよ。」

「さくら自分の名字だからなぁ。うーん・・・。」

階段を上って、左にかじをきる。小ぢんまりとした北口を抜けて、左を見てみる。目の前には「ライトレール」の電停が横たわっていた。

「「いしづち」って出たっけ。」

「「いしづち」出ました。」

「うーん。じゃあ、「出雲(いずも)」。」

やっている間に「ライトレール」の始発富山駅北(とやまえききた)に来ていた。電停には終点岩瀬浜(いわせはま)までの停車駅と15分間隔できれいに発車している時刻表がかけられている。ミストが出されており、涼しさを運んで来てくれている。

桃太郎(ももたろう)。」

「「う」。なんかあるかなぁ。」

電停で「う」から始まる駅を探し始める。

北石(きたいし)それなし。」

 18時10分。さっきオレンジが走って行った方向から18時15分発の「ライトレール」が接近する。全員カメラを持ってシャッターの嵐で出迎える。来た車両の色は赤だった。

 18時11分。赤いライトレールが富山駅北(とやまえききた)に到着乗ってきた客停まっていた客を入れ替えて発車を待つ。その間に「ライトレール」の写真を収める。先頭と「PORTRAM(ポートラム)」と書かれたエンブレムを撮った。

18時15分。赤いライトレールは静かに富山駅北(とやまえききた)から発車していった。

「「う」だったら碓氷峠(あれ)があるよ。EF63。」

「EF63。」

「EF63、「あさま」、「白山(はくさん)」。」

北石(きたいし)先輩。クソくらいに有名ですよ。66.7(パーミル)。」

「あっ、碓氷峠(うすいとうげ)ね。」

「「け」かぁ。うーん。「けごん(これ)」いったら終わるし・・・、「京成(けいせい)スカイライナー」。」

すると今度は、

「えっ、何あれ。」

留萌(るもい)が声を上げた。こう言いたくなるのも分かる。僕もその目撃者の一人だ。僕達の視界に飛び込んできたのは485系だ。それも国鉄色の485系である。ここに国鉄色の485系が来るのは23時15分か、5時42分の「急行能登(のと)」しかないはずなのに。なぜこんな時間に姿を現す。

「こりゃあ見ものだな。撮り行こうぜ。」

朝風(あさかぜ)、「あさかぜ」。」

今度は全員で構内へダッシュ。「18切符」を取り出して、北改札口をパス。階段を駆け上がって行こうとしたが、後ろがついてきていない。

朝風(あさかぜ)の得意分野だろ。「海馬(かいば)セト」使えば。」

「えっ、ここで「瀬戸(それ)」を使うのはちょっと・・・。仕方ない。「瀬戸(せと)」で。」

後ろを待って階段を駆け上がる。自由通路まで行くとさっきの485系がどこに停まったのか探した。窓から下をのぞいてみる。5番線には特徴的な屋根を持った車両が、4番線にはここまで乗ってきた413系・・・475系の顔がある。隣から覗き込んだ朝風(あさかぜ)が言った。

「これじゃないですか。」

5番線のやつのことだろう。だが・・・。

「それじゃない。確かによく似てるけど、こいつは475系・・・あっ、ドア両開きだから413系か。」

留萌(るもい)が説明する。

永島(ながしま)。居ないぞ。まさかさっきの列車(やつ)って通過したんじゃないのか。」

「おかしいなぁ。「雷鳥(らいちょう)」みたいなヘッドマークは出してたのに・・・。」

「なら、通過するわけはないですか。ちゃんと探したんですか。」

「いないもんはいないんだよ。いたら「イターッ」って言うわ。」

「クソッ。撮りそこなったか。」

「うーん。撮りそこなったのは撮りそこなったとして、これからどうするかな。まだ集合時間までは時間があるし・・・。」

「集合場所の正面改札に行けばいいじゃないですか。」

「そうだな。おーいみんな。改札口の方行くぞ。で、永島(ながしま)君、鳥取(とっとり)だ。」

改札口を出るまで考えて、

「んじゃあ、ちょっとあれで有名な(やつ)はやめといて、「リゾートしらかみ」。」

留萌(るもい)の方は改札口から見て左にある待合室まで考えて、

「「みどり」・「ハウステンボス」。」

 その後、集合時間の19時00分までしりとりは続き、全員が集まったところで全員でけった。しりとり終了の後はホテルまで向かい、その間に「セントラム」も見ることができた。

 ホテルについてしばらく経った後に富山(とやま)駅に夕ごはんを食べに戻り、ホテルに戻ったらすぐにシャワーを浴びて、床に就いた。


駅や列車名でギャグいろいろできますねぇ。

突然ですが「発寒(これ)」なんて読むと思いますか。ヒントはポケットモンスターです。

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