150列車 狂ってるとお利口
ここまで続いた自分に拍手。
そして、またその列車に揺られること30分。終点金沢の近くまでやって来る。金沢を福井側には赤くなっていない七尾線に乗り入れる415系の姿を確認することができる。さらに構内に近づいて行くと681系と683系の姿も見ることができた。
(あの色の681系「サンダーバード」だよな。)
「はくたか」かもしれないが窓と同じ幅で入っている灰色のラインと窓下の青いラインを巻いている塗装は「サンダーバード」だというずり込みがある。
14時09分。終点金沢に到着。3番線ホームに降りてまず思ったことはとても蒸し暑いということである。だが、今そんなことはどうでもいい。前に停まっている681系のことはそっちのけで「はくたか17号」の発車ホームを調べる。それをやっていると、
「永島。隣のこれじゃないのか。」
「えっ。」
留萌に目を向けると何かを指差している。その方向に目を向けると「サンダーバード」にも描かれているロゴマークが見える。そのロゴには英語でこうあった。「WHITE WING」。JR西日本の「はくたか」に充当される681系のロゴだった。
(ウソだろ。「はくたか17号」は北越急行の「スノーラビット」で運行されるはず。なんで「WHITE WING」なんだ。まさか、新潟の洪水で運用自体がくるってるのか。だとすれば次の「はくたか19号」も「はくたか8号」も違う。いくら681系の「スノーラビット」が見れる確率が2分の1だとしても見れるっていう保証がない。)
「運用がくるってるんですね。しょうがないでしょ。」
傍らにいる柊木がカメラを出して9号車の方へ向って行った。僕もカメラは出したが、これの顔まで撮る気にはなれなかった。「サンダーバード」でいっぱい見てしまっているからだ。僕がこれで撮ったのは長岡となった行き先表示である。
この「はくたか17号」を見送って、1番線寄りにある待合室に向かった。
「永島。お前「はくたか17号」は両方とも「スノーラビット」だって言ってたよなぁ。」
木ノ本が文句を吹っかけに来た。
「しょうがねぇだろ。さすがに北越急行でも臨時の運用は発表されてないし、撮れないなら撮れないでしょうがないだろ。まだ、他んのがある。そっちで撮るしかない。」
なんとか木ノ本をなだめて「はくたか8号」を待つことにする。この間ちょっとホームに上がってみた。ホームには3番線に赤い七尾線の415系。5番線には青い475系。が止まっていた。写真には1枚収めた程度でまた待合室に戻る。構内ではしきりに「はくたか」の終着駅の変更が言われている。それなのに「トワイライトエクスプレス」のことは運休だろうとも遅れているとも言っていない。
(まさか・・・。いや、そうだと信じたい。)
待合室に戻りしばらくするとまた列車の遅れに関するアナウンスが流れた。
「14時18分着の「特急はくたか8号」は新潟県内の洪水の影響で20分ほど遅れて運転しております。そのままの遅れでまいりますと終点金沢到着は14時40分ごろを予定しております。」
「14時40分ごろかぁ。」
「35分くらいにホームに上がって行けばいいだろ。」
「何番線につくか分かるのかよ。」
「1番線か2番線だろ。」
「いや、こういう駅の場合そっちに入れないと問題だと思う。駅としてどうなんだろうかってなるでしょ。」
14時36分。1・2番線ホームに上がってみる。2番線には「しらさぎ」の付属編成(3両)が大口を開けて、基本編成の到着を待っていた。なら、到着するのは1番線だろう。大口を開けている先頭をとって「はくたか8号」の到着を待った。
14時40分。1番線に「はくたか8号」が到着する。その681系はさっきのと違い顔が赤い。この色こそ北越急行の通称「スノーラビット」である。先頭に向かうついでに横にある「SNOW RABBIT EXPRESS」と「HOKUETSU EXPRESS」というロゴを写真に収める。そして、その先頭を収める。さっきの681系でグレーだった部分が赤になったようなものである。他に窓に下に赤いラインが配されている。その雄姿を撮影していると、
「フィン、フォン、ファン、フォン。」
独特のミュージックフォンを奏でて2番線の「特急しらさぎ」が発車していった。数分後。それを追う形で1番線の「はくたか」も発車していった。また、それを追うように2番線に「特急サンダーバード」が入線。今度は天が味方してくれたのか基本編成は681系を充当していた。その「サンダーバード」が発車すると15時15分発の「雷鳥」が入線。パノラマグリーンでないことは置いといて、その列車も写真に収める。この「雷鳥」が2番線で客を集めている間にさっきの「はくたか8号」が6番線に戻って来る。触れてはいなかったが付属編成の方は683系8000番台であった。すると、電話が鳴った。相手は北石だ。
「何。」
「永島先輩、今どこにいるんですか。」
「んっ。1・2番線にいるけど。」
「あっそうですか。出来ればすぐ来てもらいたいんですけど。僕達は6・7番線の富山側にいますから。」
「ああ、分かった。今から行くよ。」
と言って電話をきり、みんなを促して、6・7番線に向かった。
6番線にはさっきの「はくたか」が「19号」となって発車の時を待っている。その姿を少し撮影しながら、僕達は北石の言っていた方へ歩いて行った。歩いて行くと一番むこうのベンチに荷物がたくさん置かれていた。そこにいる人とホームの端に行っている3人の人影を見つける。北石達と一緒にいた人は顧問のシナ先生だった。
「永島先輩。「トワイライト」7番線に来ますよ。」
「おー。分かってる。」
朝熊に軽く返事をして自分達もそこに荷物を置いた。
「まさか、北石がここに来てるとはなぁ。」
「来ちゃ悪いのかよ。」
「そうはいってないけど、ただ意外だなって思っただけ。」
「お前も「はくたか」撮ってくればいいじゃん。荷物は俺達が見てるよ。」
「お前らはいいのか。」
「もう撮ったし。」
話しているのを聞き流しながら、7番線に「トワイライトエクスプレス」が来るのを待った。
15時23分。「トワイライトエクスプレス」より先に「特急サンダーバード」が入線。12両編成の「サンダーバード」を9両編成にして終点富山に行く列車だ。チラッとパンタグラフを見てみたが、下枠交差とシングルアーム。先頭はすべて貫通タイプ。やはり恵まれてないのだろうか。これの解放作業を見て、15時28分に見送る。「サンダーバード」が発車すると次に「トワイライトエクスプレス」が入線するという案内があった。
15時37分。構内の壁が黄色く照らされる。その照らされた光の帯はだんだんと形を変えて、こちらに接近してくる。そして、構内の柱の陰から緑に塗られたEF81が姿を現した。その後ろには同じ緑に塗られた客車が礼儀正しく付いてきている。少しずつ後ずさりして、「トワイライトエクスプレス」をしっかりと撮れるところまで移動する。その間にも「トワイライトエクスプレス」は近づいて、何のうるさい音も立てずに10両編成の停止位置に停車した。
さっそくその顔をカメラに撮影する。すると、
「永島先輩、お願いします。」
大嵐が自分の携帯を渡し、EF81-114号機の隣に立った。シャッターをきって大嵐に渡す。それを終えた後は方向幕を収めることだ。EF81の前からダッシュで24系客車の方にまわる。途中「カニ24」の隣を通って行かなければならない。またこの「カニ24」から放出される熱がとても蒸し暑い。そしてよくよく見てみれば、僕達の荷物は「カニ24」の熱にさらされていた。今はそんなことどうでもいいか。方向幕のところまで走って方向幕を収める。収めたらまたEF81の前まで走って戻る。
15時39分。ことらしき音とともに「トワイライトエクスプレス」の発車が告げられる。そして15時40分。「トワイライトエクスプレス」はゆっくりと金沢のホームから滑りだした。
「トワイライトエクスプレス」を見送ると16時23分まですることがなくなる。待合室に戻って、休憩する。16時15分。「特急雷鳥」を撮影するためにホームに戻る。16時23分。「雷鳥」は定刻通りに金沢に到着。5分あまりの停車ののち車庫に回送されていった。次は16時48分発の「特急北越」である。これの撮影までまた少し時間がある。ホームにとどまるという手もあったが、構内の蒸し暑さに負けてまた待合室に戻った。
16時35分。16時41分に金沢に到着する「北越」はおそらく1・2番線に到着するだろうと分で1・2番線に上がる。だが、1番線には413系という車両が、2番線にも車両が埋まっている。これではここには入ってこれない。どこに来るか分からないので、7番線から発車する「北越」を撮りに行った。
7番線には薄い緑と青いラインを配された485系が止まっていた。過去に「特急雷鳥」「特急白鳥」に充当されていた車両である。これの先頭をカメラに収めて発車の時を待つ。この間に16時58分発の泊行きが到着。車両は413系だった。16時47分。この列車が発車しようとした時、5番線に前面緑の特急列車が到着。ヘッドマークはLEDで「北越」と書かれている。この「北越」が到着するのと同時に下りの「北越」が発車していった。その発車を待つように6番線に停まっていた521系も僕達の前からどいた。視界がよくなったところで5番線に到着した「北越」を撮影。撮影を終えると5番線の突端にある4番線へと足を運んだ。
「はくたか」のW編成(681系)と「サンダーバード」のT編成(681系)の違いは北越急行「ほくほく線」内にあるトンネルに突入したとき、その激しい気圧変化に対応できるかできないか。
両方とも160km/hの走行性能を有してます。