145列車 条件
ネット上にある動画を引用してます。
7月2日。
「ナガシィの家来るの久しぶりだなぁ。」
萌はそう言いながらあたりを見回した。
「見まわしても珍しいものはないけどな。それに久しぶりって言っても12月に入ったんだろ。」
「入ったけど、こうしてくるのは久しぶりってこと。3年ぶりかなぁ。」
「・・・。」
僕は離れに歩いて行って、鍵を開けた。ここに来るのはほぼ毎日ではあるが、萌とこうしてはいるのは3年ぶりになるとで間違いない。
「さて、今日もやるかぁ・・・。」
僕は離れのドアを開けた。ただいまの時刻は12時49分。今日は午前中授業があったから仕方ないといえば仕方ない。萌も僕に続いて離れの中に入ってきた。この中は基本土足厳禁。この中用のスリッパに履き替えて上がってくる。
「ナガシィ。最初に何走らせるつもり。やっぱり1000番台(223系)。」
「あっ。」
僕は一つ思い出した。
「えーと。萌これからこの中での事項ね。まず、俺をいじるな。1000番台(223系)と100系は走らせるな。あと電車を走らせるっていうときもし意見が重なったらおれ優先。いいな。」
「・・・てっきりパンツ見せてとかって言ってくると思ったよ。」
「言うわけねぇだろ。」
「はぁ。ナガシィいじっちゃいけないのぉ・・・。つまないの。」
「・・・。お前。どんだけ俺いじりたいんだよ。いじるなって言ったらいじるな。」
萌から返事はなかった。もしこれでいじってきたら本当にいってやろうとも思っていたけど、僕はそこまでひどい人ではないはずだ。まぁ、思っているだけでいう気はない。僕は1000番台(223系)の箱とコキ100が入った車両ケースを4つ持ってレイアウトのほうに戻ってきた。
「えっ。自由に走らせていいよねぇ。」
「別にいいよ。さっき言ったもの以外わね。」
(よし。早速いじってやろう・・・。)
私も車両庫のほうに歩いて行って、関西なら207系か221系か321系のどれかだろう。複々線の外側を走る車両は持っていったことだから、いま私が持っていくとしたら、内側を走る221系か207系のほうがいい。207系の箱と221系の箱二つを見つけてナガシィのいるほうに行った。
「何持ってきたんだよ。」
「エヘ。207系と221系。間違ってないよねぇ。」
「・・・間違ってないな。」
僕はその時すでに1000番台を8両並べていた。後残り4両を基本編成(8両編成)に足せばいいだけだ。この頃長浜行きしか走らせていなかったから、今日は姫路行きにしようと思っていた。これをまずはこのモジュール一番大きな駅の2番線に引き込ませる。並べ終わったら車両基地と本線のコントローラーの電源投入。
「電源投入。よし。」
TOMIXのサウンドコントローラーお決まりの言葉が響き、電源ランプとその隣の非常ランプが点灯する。今度は本線上の信号機に電源を送るコントローラーの電源投入。そこまでしたら、僕は車両基地のコントローラーのつまみをまわし、サウンドコントローラーのマスコンを入れた。1000番台をゆっくりと本線上に出してきたら、スピードを少々あげて、駅まで回送。駅に到着したら、一度駅に止める。これでいつでも発車できるが、すぐには発車させない。今度はコキ100のほうだ。
「はぁ、ナガシィはそんなに長いの走らせて・・・。いいなぁ・・・。」
「子供かお前は。」
「ナガシィに言われたくないなぁ。精神年齢だったら私のほうが10くらいは年上だと思いますけど。17だったら、ナガシィは7歳だよ。」
「ありえないってそれ。」
「ていうか、駿兄ちゃん見ないうちにまたコンテナ増やした。」
「ああ。SIO規格コンテナも増えてるし、31フィートのコンテナだって増やしてる。」
「SIO・・・。ナガシィそれISOの間違いだと思うけど。」
「・・・。知らねぇだよ。コンテナのことはよく分かんないの。」
「SIO。」
「うるさい。萌。黙れ。」
変なところで墓穴を掘ってしまった。まさかもうあれは効力をなさないとは・・・。コンテナのことはよく知らないは事実だし、それを言ったら萌だって知らないことになる。もしかしたら高校3年間独学で学び続けてきたのかも・・・。もしかしたら今や萌のほうが知識的の上なのかもしれない・・・。
「萌。お前山陽と東海道全駅言える。」
「えっ。言えないけどどうして。」
(勝った。)
「俺いじりたかったら、そこまで覚えてからいじれよ。」
「ふぅん。ナガシィは全部言えるの。」
「上りだけだけどねぇ。覚えてから結構経つけど練習してたから、今はもう完璧。だからそれぐらい言えるようになれ。」
「・・・。ナガシィ。今どこまで言えるわけ。」
「えっ。確か、宗谷と根室と函館と学研都市と福知山と大阪環状線と阪和線と身延線と山手線の外回りと鹿児島の八代から門司港までぐらいは言えたと思った。・・・あっ。後東北と山形新幹線と東海道・山陽新幹線もあったか。」
(結構言えてるなぁ。それも無駄に・・・。)
「分かったわよ。覚えればいいんでしょ。覚えれば。そしたら、いくらいじっても文句言わないように。」
「言う。」
「言うな。」
「じゃあ、言いたい。」
「絶対言うな。」
なんて言っていてもきりがない。僕は中から出て、ここにあるパソコンを立ち上げて、その動画を萌に見せた。ここには僕が言ったもののほかに武蔵野線とかいろいろある。僕は前述したとおりこれ全部を覚えているわけではないが、結構覚えるのだ。もしかしたらオールコンプリートもできるかもしれない。
「ナガシィの暇人ぶりに改めて感心するよ。これ全部覚えたんでしょ。よく覚えるわねぇ。」
「お前で一番覚えやすいのは多分「侵略ノススメ」で学研都市と福知山線かなぁ。」
(原曲ナガシィ知らないよなぁ・・・。)
そう思いつつもそれを聞いてみた。笑えるほどそれとこれとがあっているというのがすごい。作った人に感心する。実際ありますから、本当に作った人に感心します。すごいです。
「あっていすぎるっていうのがすごいなぁ。ナガシィこれ覚えたんでしょ。だったら歌って見せてよ。」
「・・・。分かったよ。ちょっと待ってて・・・。」
曲を一度元に戻して、
「・・・。・・・。木津、西木津、祝園、下狛、JR三山木、同志社前、京田辺、大住。松井山手。長尾、藤坂、津田、河内磐船、星田、東寝屋川、忍ケ丘、四条畷。野崎。住道、鴻池新田、徳庵、放出、鴫野、京橋。大阪城北詰、大阪天満宮。北新地。新福島。海老江、御幣島、加島。うー、サン、ハイ。尼崎、塚口、猪名寺。伊丹、北伊丹、川西池田。中山寺、宝塚。生瀬、西宮名塩。武田尾、道場、三田。新三田、広野、相野。藍本、草野。古市。南矢代、篠山口。丹波大山、下滝、谷川、柏原、石生、黒井。市島、丹波竹田、福知山。ドヤ。」
「本当。むだにすごいね。・・・ていうかなんでこれが覚えやすいわけよ。時折、すごくテンポ速いところなかった。」
「大丈夫。気にするな。お前ならいけるんじゃない。」
「・・・。」
結局披露するだけになってしまった。そのあとはいつものように模型をいじって二人で遊んでいただけだった。萌はそのあと練習も何もしなかったけど・・・。
「ナガシィ。この家ってもう一編成くらい貨物なかったっけ。」
「タキとかそういうのだったらあっちにあるじゃん。」
「いや。タキじゃなくて、コキがもう一編成なかったかなぁってこと。」
「コキ50000があるよ。あっちに。」
「コキ50000かぁ・・・・。それ以外ない。コキ100で短くてもいいから。」
「ないな。」
翌日。日曜日もそんな感じですぎていった。そして、7月4日。
「萌どうしたの。さっきから何かぶつぶつ言ってるけど。」
「ああ。実はさぁ・・・。」
萌はそれから黒崎たちに事のあらましを話した。
「へぇ、ようやっとあれ話したんだな。」
「あれって。」
薗田はこのことは知らない。黒崎に聞いていた。黒崎はそのことを大雑把に薗田に話す。
「いや、でもなんでそれで駅が出てくるわけ。おかしいだろ。」
「違うって。その人が自分をいじるなら、それぐらい覚えろって言ってきてさぁ。意地でも覚えてやるって思って練習してるだけ。」
(あんた。その人のことバカにしてるよなぁ・・・。)
「にしてもすごいよねぇ。その人ってそれぐらいの作曲能力あるってことでしょ。」
「作ったのはネット上の人。それにその人に作曲能力なんてないし、音痴だし、バカだし。」
「・・・。」
「で、萌はどれぐらい覚えたわけ。」
「まず、姫路から米原までの間は覚えた。あれ結構簡単だったし。」
(やっぱりこいつの簡単っていう基準がよく分からん・・・。)
こういう動画って新駅できたら、また作り直すのかなぁ・・・。