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MAIN TRAFFIC1  作者: 浜北の「ひかり」
Kishikawa High School Episode:3
127/184

127列車 スカイダイビング

パラシュートなしでやろうという話。頭からじゃなくても確実に逝きますよ。

 5月8日。クリエイト展展示。

「今日はクイズやらないんだな。」

展示に来た木ノ本(きのもと)がそう言った。前からそう言うことは決まっていたのだが、木ノ本(きのもと)はそれを聞いたときいなかったから知らないのは無理もない。

「何。クイズって。」

僕はクイズなんて言葉初めて聞いた。

「ああ。キラキラ展のときいなかったから無理ないかぁ。キラキラ展の時に醒ヶ井(さめがい)がクイズみたいなのやって盛り上げようとしてくれたの。まぁ、好評だったかどうだかは知らないけど、子供には結構受けてた。」

「へぇ。ていうか、何やってんだよ。クイズって。いったいどんな問題出したんだよ。」

「うーんよく覚えてないけど、確か、東海道新幹線(とうかいどうしんかんせん)がいつ開業したとか、0系新幹線は何両つくられたとか、そんな感じの問題だった義がする。後こことここ走ってる特急はなんですかみたいなのもあったなぁ。」

「あっ。なんだ。それぐらいだったらふつうだね。」

(ふつう・・・。やっぱりそうなるんだ。)

「あっ。箕島(みしま)。」

僕はそう言って木ノ本(きのもと)の隣から箕島(みしま)のほうに行った。

「今日は「はやぶさ」と「みずほ」持ってきたんだけど。走らせる時間ある。」

「あっ。ちょっと待って。諫早(いさはや)。ちょっとそのカンペ。」

箕島(みしま)諫早(いさはや)にそう言った。カンペとはただの紙切れではなくてノート。その中には今日箕島(みしま)が考えてきた運用が書いてあった。20分単位というのは前のキラキラ展の時から変わらないままである。

「えーと終るのが15時だから。最後の14時40分からでもいいか。」

「あっ。走らせてくれるならそれでいいよ。」

わがままを聞いてもらった。僕はそれで綾瀬車両区(あやせしゃりょうく)のほうに行った。そして、諫早(いさはや)たちの手伝い。

永島(ながしま)朝熊(あさま)たちに展示ってこういう感じだよって覚えてもらうために、ほとんどのことは朝熊(あさま)たちにやらせてくれ。」

「あっ。分かった。」

さすがに僕たちが独断でバンバン進めていくというのはもう終わりなのかもしれない。2年生は何度も展示に行ったことがあるから展示がどんな感じなのかというのは分かっている。しかし、1年生はそれが分かっていない。今回はそれを分からせるためというのもあるようだ。

朝熊(あさま)。えーと。箱の中から313系の5000番台と313系の0番台出して、2両のほうの300番台出して。」

「あのう。僕はそう言われてもよく分かんないんですが・・・。」

「あっ。そうだった。己斐(こい)。お前ならわかるか。」

「あっ、はい。」

「じゃあ、それ出して、多分そっちの箱の中のどっかにある。探せ。」

今この展示に来ているのは箕島(みしま)、僕、木ノ本(きのもと)柊木(ひいらぎ)朝熊(あさま)己斐(こい)諫早(いさはや)。中学生のほとんどはこの周りでやっている展示部署のボランティアで借り出されている。そのボランティアで来ているのは新発田(しばた)大嵐(おおぞれ)青海川(おうみがわ)牟岐(むぎ)。そのほかは欠席だ。

永島(ながしま)先輩。5000番台のほうは見つかりましたけど、300番台っていうほうが見つかりません。」

「ああ。0番台っていう箱探して、それで6両入ってる方の下2両が300番台だから。」

「ありました。これをどっちですか。」

「えーと。これを内側線。えーと5番線に出して。」

「了解。」

「で、外諫早(いさはや)。2500番と211の熱愛キス。」

「熱愛・・・。永島(ながしま)さんまだそれ引っ張ってるんですか。・・・。分かりました。」

カバンの中からその箱を出して、車両基地の外側の線路に並べる。そして、時間になる。今外側を走っている223系の6000番台と221系の併結。内側を走っている225系の新快速を車両基地に引き込み、次に外側に313系の2500番台と211系3000番台(80%5000番台化)の併結。内側に313系の5000番台と300番台の特別快速。順次本線上に出していく。

「で、朝熊(あさま)225系のほうをこの編成のままこの箱の中にしまって。」

朝熊(あさま)にそう指示を出して、

諫早(いさはや)。これしまって。己斐(こい)。次787系とキハ71系を出して。」

「あの永島(ながしま)先輩。休憩ってないんですか。」

「とりあえずないって思っといて。」

展示をやっているときは僕にとってはこれがふつうになっている。家でやっているときは休憩がてら、やれるのだが、こういうときはそうもいかない。

諫早(いさはや)。この313系走り悪いけど。」

「あっ。それなら「走れ、カス」とでも言っといてください。あまりにも走らなかったらロケランでぶっ壊していいですから。」

「・・・。」

こんな感じて展示をして、早お昼になった。僕たちは分担して、お昼を食べに行く。まず、諫早(いさはや)朝熊(あさま)がお昼を食べに行き、次に己斐(こい)柊木(ひいらぎ)木ノ本(きのもと)。最後は僕と箕島(みしま)が食べに行った。僕から言わせるとこういう時のお昼はいらないお昼だ。当然そういう形で食べるから食べ終わるのは箕島(みしま)が先だった。

「お前早く戻れば。」

弁当をかきこみながら箕島(みしま)に言う。

「えっ。大丈夫だろ。諫早(いさはや)がいるし。」

「いや、大丈夫じゃないと思う。」

「・・・。そう言われると心配になって来るなぁ・・・。分かった。先に戻るよ。」

箕島(みしま)はそういうと席を立って会議室の外に出て行った。

永島(ながしま)君。」

今度はまた別の人顔を上げてみると永原(ながはら)さんだ。ボランティア・・・。

「ううん。生物部だから。今回はその手伝いというか。」

「ああ。なるほどねぇ。」

永原(ながはら)はそういうと僕の右に腰掛けた。

永島(ながしま)君ってさぁ、好きな食べ物って何。」

「えっ。しいて言うならラーメンかなぁ・・・。ていうかなんでそういうこと聞いた。」

「えっ。ちょっと気になったから。」

(気になったねぇ・・・。(もえ)は気になったことはほぼ何でも聞くタイプだけど・・・。)

「鉄研やってる永島(ながしま)君ってあんなハイテンションなわけ。」

「ハイテンション・・・。そうか。俺はそう思ったことないけど。」

(ないんだ・・・。あそこまでならふつうあると思ったんだけどなぁ・・・。)

時計をちらっと見てみると、食べ始めてもう30分ぐらい時間がたっている。確か僕の車両はこの展示の最後。まだ走る時間ではないが結構ロスをした。

「あっ。展示もどんないと。」

「えっ。でもまだ結構残ってるけど。」

「大丈夫。俺あんまり食わない人だから。どっかでがっつり食べれば問題ないし。」

そう言って席を立ち、下の展示に向かった。

(・・・。永島(ながしま)君ってやっぱり子供っぽいなぁ。)

小走りに戻っていく後ろ姿はそう見えた。

 戻ってくると走っている車両は489系だった。両方ともそうなっていた。内回りが「白山(はくさん)」で外回りが「あさま」だった。

(なんだ。単独でも走るじゃん。)

そう思いながら、机の下から展示スペースの中に入った。

 この先も何もないかと思っていた。だが、何かと車両のほうがそうさせてくれなかった。次に走らせたのは内側にキハ283系「スーパーおおぞら」。僕たちの部活では別名「燃えちゃったやつ」で通じている。その「スーパーおおぞら」が駅に到着直前に本線から床下までダイブ。損傷として、グリーン車のボディマウントカプラーが根元から折れてしまった。そのほか排気用ダクトも車体から出ている部分が折れた。そのほかは分解してしまっただけですぐに復旧した。

朝熊(あさま)。早いところ「カシオペア」出せ。」

僕はそう指示を出した。すぐに「カシオペア」が並べられ、発車した。だがこっちも問題を起こしてくれた。駅の反対側を走行中の「カシオペア」が何らかの拍子にダイブした。ここは脱線ポイントではなかった。原因はEF510のスノープロウが段差につっかえてしまい、その衝撃による転落だった。車両は1号車から4号車にかけて転落。このうち1号車と3号車と4号車が床下とフレームに分解。2号車は何とか分解は免れたものの台車マウント式のカプラーが折れるという被害を受けた。

朝熊(あさま)。早いところ「北斗星(ほくとせい)」出せ。これは何とかして直す。」

僕はそう指示を出した。朝熊(あさま)はすぐに牽引していたEF510を回収して、「北斗星(ほくとせい)」の用意を進めた。僕のほうは修復作業を進めた。作業を進めていると1号車の2号車側の連結器も先端だけ折れていることを確認した。それは何かで代用するとして、今これは問題ではない。3号車と4号車を組み立てていると僕の横を「北斗星(ほくとせい)」が通過していった。その「北斗星(ほくとせい)」も同じことを起こした。

永島(ながしま)さん。」

諫早(いさはや)がそう言ったので、とっさに体を起こす。その時にはもう遅かったぐらいだった。こちら側に24系の模型が降ってこようとしている。何とかカニから8号車ぐらいまでを抑えたが、その先は抑えれなかった。「北斗星(ほくとせい)」の7号車(スシ24形)から2号車までが落下。さっきの「カシオペア」と同様車体とフレーム。そして、室内灯が分解した。1号車(オハネフ25形)は何とかEF510との連結を切らずに残っているが、その1号車はいつ連結を切って落ちてくるかわからない状態で脱線している。落ちたほうは後にして、まずは危険度の高い1号車のほうを復旧させた。

「うわぁ。最悪。」

諫早(いさはや)は寄ってくると一言こういった。

「まぁ、空河(そらかわ)のだから、どうなってもいいか。」

(おい。)

「誰のでもいいから、まず直そう。」

分解したフレーム、床下、室内灯を回収。それをパーツごとに各号車にはめ込んでいく。鉄道模型は精密なブロック状態。こういう衝撃でも分解するし、ユーザーが改造のために分解することだってできる。だから、その反対だってできるのだ。室内灯がはまったままだった車両は3号車、5号車、6号車。飛んで行った数が合う。はまっていない2号車、4号車、7号車に室内灯をはめ、その上から該当する床下とフレームを組み立て、復旧完了。

「おい。これ走らせるのか。」

「ああ。もういいです。それここで回収します。」

諫早(いさはや)はそういうとカバンの中から「デラックス編成」の箱を出してきて、1号車から順番に「北斗星(ほくとせい)」を箱の中にしまっていった。

 その後は目立ったトラブルはなかった。今日はトラブルが多かった。そのおかげで、僕たちは普段よりも疲れてしまった。


永島(智)が持っている模型の機関車。EF66は全て下枠交差型パンタグラフ。EF65は1000番台のPF型(客貨両用)。DD51は牽引する列車に応じて。ですが、すべて重連できるようになってます。


本当にどうでもいい。

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