明け慕の
まどろみを包んでくれている暗闇が徐々に徐々に剥がされていく。
暗闇の中で、ゆったりと泳いでいた深海魚も光を嫌って、奥へ奥へと潜ってしまう。
丑三つ時はとうに過ぎ、液晶の向こうでおはようございますが飛び交い始める。
息吹がポツリ、ポツリと、光と熱を浴びて芽吹く。変わりになにかを置き去りにして。
今は明け慕の。
夜でも、朝でもない。
狭間に広がる、水面も水底もない黒く白く灰色の海。
昏さも、耀さも、全部一緒にあって。
未来も、過去も、全部そこにある。
青くさくなったり、シニカルに微笑んだり。
秒針は均等に夜を刻んでいくけど、流れる時間は歪んでる。
引き延ばされたと思ったら気づけばすぐそこで。
できるのは過ぎた時間を照らす、明るさからの逆算だけで。
終わるのは知っていたけど、こんなに早く終わると思わなかったから、今となっては彼の自分の輪郭すら描けなくて。
もし待っているのが明るい輝きでも、この瞬間だけは、果ての知れない奥に手を伸ばしたくなる。もう少し話せないかと。
暗さとまどろみと孤独だけが描ける輪郭のない輪郭。
どこを探してもここでしか会えない。
表か裏かもわからない。2次元なのか、3次元なのか、4次元なのか。夢でも現でもない。
明け慕の君。
また、会いにこれたら。
夢うつつというか、まどろみというか、なんかぼんやりとしてる夜でも朝でもない時間ってあるよね。ってことで、そんな時間に浮かんできた言葉を繋ぎとめてみた。
異常にダウナー入ってたり、アッパー入ってたり。
色々あるけど、あの時の自分も多分きっと恐らく自分の一面です。