1.調査員、早速派遣へ
「こんにちは!東京都超遺物収集文化保全省本庁より派遣されました後鳥羽凛と申します!皆様、今回の調査にご協力していただけると幸いです!」
挨拶、元気な挨拶は大事である。第一印象は高いテンションの方が良い。そう考える凛であったが
「着任ご苦労様、後鳥羽調査員。私は石川支部の支部長、後藤と申します。今回の超遺物への調査支援、ありがたく存じます。以後、お世話になるかと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。」
余りにも機械的で硬い返事であった。空気を読めてないわけではないが、滑ってしまった場違い感は否めない。
「自分は後鳥羽調査員の"ツイン"、葉月陣と申します。こちらこそお世話になります。調査員として派遣された身でありますが、皆様と早急な事件解決に向けて尽力したいと考えております。どうかご協力いただけると幸いです。」
淡々と応える相棒を横目に見つつ、(あぁこれが正解か)と凛は自分が空回っていた事に気がつく。
"ツイン"
保全省が派遣する男女一組の単位である。言うなれば直接調査現場へと赴き、解決を担当のエージェントである。
「しかし、ツイン一組だけとは…今回の事件、本庁としては重く受け止められていないようだ。」
「後藤支部長、お言葉ですが私は"アーツ"出身です。十分お力になれるかと」
"アーツ"
ツインの中でもエリート中のエリート。保全省が特別訓練としてもっとも過酷な訓練を卒業した者だけに与えられる階級である。
「これは失礼。アーツの方がいれば百人力だ。今回の件は我々も尽力を致します。着任早々お疲れかと存じますので、改めて明日からよろしくお願いします。部屋は当支部の宿舎をご利用ください。先の者に既に伝えてあります。狭いかとは思いますが、くつろいでいただければと」
(アーツ出身で見直したか!)と思う後鳥羽であったが、後藤の態度は変わらなかった。
「では、お言葉に甘えて失礼いたします。凛、行こう」
「今後ともよろしくお願いします!」
退出して宿舎へと向かう2人だったが
「あれがオトナの余裕ってヤツか」
「バカなこと言ってないでサッサと行くぞ」
「ちょっと!私の自己紹介をバカって言いたいわけ!?」
「バカなことを言わなかっただけで安堵しているよ」
ギャイギャイと話しながら宿舎へと向かうのだった。




