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フローラという女〜ドラクエⅤの話〜

 フローラって知ってます? ドラクエⅤの。

私、フローラが大好きなんですよ。


 フローラについての思いをただ書いていこうと思うので、よかったら読んでいってください。



1.そもそもフローラとは何者か


 ドラゴンクエストⅤっていう90年代に発売されたゲームがあるんですけど、その中のイベントで『結婚』ていうのがあるんですよ。

サブタイトルが『天空の花嫁』なんで、ほぼメインイベントですね。


 その結婚相手として2人の女性が出てくるんです。

これが、ビアンカとフローラ。


※もうひとりデボラ姉さんって人もいるんですけど、ここではSFC版について話します。


 冒険の中で、サラボナという街を訪れた主人公は、街の入り口で美しい女性と出会います。

犬をつかまえてあげた主人公にお礼を言って去っていく女性、これがフローラです。


 この直後、なんかよくわからない理由(すごい盾がもらえるとかなんとか)で主人公はフローラの花婿に立候補します。

このあたりのシナリオは結構雑で、立候補しないとストーリーが進まない仕様になっています……まあ、昔のゲームですから。


 そしてフローラ(と盾)争奪戦に参加した主人公は、重要アイテム『ほのおのリング』と『みずのリング』を求めて冒険します。


 そしてその冒険のさなか、生き別れになった幼なじみと運命的な再会を果たします。

これがビアンカ。

ビアンカとは昔、夜中に家を抜け出して秘密の冒険をしたというなにやらステキな思い出があります。


 ビアンカに事情を説明し、『最後の冒険』をして見事にふたつのリングを手に入れた主人公はビアンカと共にフローラのもとへと急ぎます。


 結婚式の準備だ! と盛り上がるルドマン(フローラの親父)の横で、主人公と仲が良さげなビアンカを見たフローラがひとこと。


もしや2人は愛しあっ(女連れで来るとか)ているのでは……?(ナメてんのかお前)


 そんなこんなで、主人公はひと晩考えてビアンカとフローラ、どちらと結婚するか決めることになります。



2.圧倒的なビアンカ人気


 まず、パッケージイラストからしてビアンカです。

箱も本体も主人公の横に立っているのはビアンカ……フローラは影もありません。


 くわえてビアンカとは幼少期の心温まる思い出があるし、一緒に冒険したり、結婚前夜にはちょっと切なげな会話をしたりして、「ああ……ビアンカ可愛いな」って思わせるイベントがなんかいろいろあります。


 ちなみに結婚前夜のフローラは爆睡してます。

結婚式に挑むのに肌のコンディションは超大事ですからね。


 シナリオを担当した堀井雄二氏がニコ生かなんかのインタビューで「ほとんどの人がビアンカを選ぶと思って作った」と語っていたそうですが、当時はビアンカの人気が圧倒的で、私のまわりもフローラ派は本当に少なかったですね。


 私も、先行してゲームを進めていた家族がビアンカを選んだので、じゃあ私はフローラでって感じで選んだだけで、フローラのことが特別好きだったわけでもありません。


 でも、この選択以来、私はフローラの魅力にズブズブはまっていくことになります。



3.フローラの魅力


 まず、ドット絵がとにかく可愛いんです。

ロングヘアに真っ白なワンピース、これがもうお嬢様っぽくて本当に可愛い。


 それから、可愛いだけじゃないんです。

フローラはめちゃくちゃ強いんですよ。


 結婚式から一夜が明けて、フローラをサラボナにおいて再び過酷な旅に出ようとする主人公に彼女は言います。


「私も旅に連れてってください」


 これ、当時はなんとも思ってなかったんですけど、なかなかすごい決意だと思います。

昨日まで深窓のお嬢さまだった女の子が、なんかよくわからない男のなんかよくわからない危険な旅についていく。


 まあ、実際は盾の抱き合わせ商法みたいな感じで結婚させられそうになってたので、そこまで大事にされてたのかは謎ですが……平和そうに見えるサラボナも、ブオーンとかいうやべー魔物の脅威にさらされてたことが後になってわかるんで、そのあたりは仕方ない部分もあります。


 そんなこんなで反対する親父を説得して主人公と一緒に旅に出たフローラ。

親父の心配通り、彼女は行く先々でまあまあひどい目に遭います。


 まず、昨日までふつうの女の子だったのに、いきなり横山三国志の甘寧がぶん回してそうなゴツい武器(モーニングスター)を渡されてモンスターと戦わされます。

これね、ドラクエの世界では当然のように受け入れられてるけど、どんなに弱いモンスターでも、殺すのって最初は絶対抵抗があると思うんですよ。

ベホマスライムとか可愛いし。


 さらには妊娠初期なのにすげー険しい岩山に登らされます。

この山、モンスターが出るのは当然として、人が寝てる間に勝手に武器を研ぐ気持ち悪いババアまで住みついてます。


 そんなホラー体験もしながら、やたら標高が高くてろくな医療機関もなさそうなクソ田舎の村で倒れたり、そのあと体調悪いのに落とし穴だらけのダンジョンを越えさせられたりと受難は続き、極めつけに出産直後に誘拐されてそのまま10年間石にされてしまいます。


 石にされるとかやばくないですか?

肌とか髪とか内臓とかいろいろ大丈夫なのかな。

あと、石化中も意識があるような描写があったので、精神面でもまあまあキツい気がします。


 そんなクソみたいな目に遭いながらも、主人公についてきてくれるフローラが愛しくてならないんです。



4.フローラは主人公のどこに惚れたのか


 フローラは深窓のお嬢さまです。

なんか治安が良さそうな街に住んでて、なんか育ちの良さそうな男、アンディ(趣味は笛)から言い寄られてます。


 そんなフローラの世界にある日突然現れた異邦人……それが主人公です。


 サラボナ到達時の主人公は、サラボナへの洞窟を攻略してきた直後で、おそらく風呂に入ってないし、服とかもまあまあ汚いし、多分街で生活してる人基準だと普通に臭い。


 さらに、ドラクエⅤの主人公は魔物使いなのでモンスターを連れ歩いています。


 彼は不思議な力でモンスターとも心を通いあわせることができるんですが、この世界の大多数の一般人から見たらモンスターは脅威です。

現代人の感覚で言ったら闘犬として鍛えられた血気盛んな土佐犬を5頭くらいリードをつけずに連れ歩いてる感じでしょうか……怖すぎる。


 普通の感覚だとかなりやべー奴なんですが、いままで周りにはいなかったタイプの主人公の姿が鮮烈で、フローラは恋してしまいます。


 幸せなんだろうけど、変化のない日常を過ごしていたフローラ。


 なんか修道院で修行してたみたいな設定ありましたっけ? まあいいや。


 そこから、想像もつかないような世界に連れ出してくれそうな主人公を好きになってしまうのは、なんとなくわかる気がするんです。



5.選ばれなかったヒロインとしてのフローラ


 大多数のプレーヤーが選んだと思われる、主人公とビアンカが結婚した未来では、フローラはサラボナに残ってアンディと結婚します。


 結婚イベントから8年後に主人公は再びサラボナを訪れるんですが、その時はアンディの隣で幸せそうなフローラを見ることができます。


 主人公への思い、外の世界へのあこがれを断ち切ってアンディの思いを受け入れるまでには、きっとフローラの中で葛藤があったはず。


 私のセーブデータのフローラは元気にメラゾーマ連打してますが……もうひとつの未来、一度は主人公を愛して、外の世界へあこがれたけど、それを胸に秘めながらサラボナでの穏やかな幸せを受け入れるフローラのことがすごく魅力的に思えるんです。


 なんていうかね、お嬢さまがふらっと現れた旅人を好きになっちゃうっていう構図がもうたまらなく好きなんですよ。

でも、実際に連れて行ってもらうのはなかなか難しくて……そこまで含めて萌えるというか。



6.まとめ


 これって負けヒロインの魅力とも通じると思うんですよね。

前述のインタビューの通り、シナリオはビアンカを選びたくなるように作られているんです。


 報われない思いと葛藤がフローラのキャラクターに深みをもたせているとでもいうのか。


 さらっと流されてるけど、結婚すると思ってた男が他の女と結婚して町を出ていくのを見送るってかなりエグイ状況だと思うんですよ。

でも、それを乗り越えて幸せをつかみ直すのが、フローラの魅力、強さなんだと思います。


 まあ、私は何回やり直してもフローラを選ぶんですけどね。

実はDS版リメイクではデボラ姉さんと結婚しました……だって可愛いかったんだもん。

 最後まで読んでくださってありがとうございます。


 ドラクエ好きな方、よかったら感想欄でドラクエの話をしませんか。

だいぶ昔のゲームになってしまった感じはしますが、ビアンカ派の人もデボラ派の人も気軽にコメントしていっていただけたら嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
 気になったタイトルがあったので拝見いたしました、こんにちは。  長くなってしまいますが、「なんだコイツは……」と生暖かい目で見てくださればと。  まずビアンカに関してですが、主人公と共に幼少期を過…
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