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プロローグ:技術結集
『EXTRAWORLD』――
財政再建の一環として、国主導でVRMMOの開発に着手。
そう、国家プロジェクトだ。
開発には国の呼びかけで、大手二大メーカーがまさかの共同で行った。
二社だけでなく、ソフト会社での有名どころの殆どは会社の垣根を超えて、
それぞれの得意分野で、開発に噛んでいった。
さらに、ゲームに支障が生じそうな法律や制度も片っ端から改正していった。
そうして出来上がった『EXTRAWORLD』はそれまでの、VRゲーム、オンラインゲームからは一線を画していた。
ちなみに、この開発で生まれたVRカプセル『コクーン』を次世代ハードとして、
二大メーカー主導で様々なVRゲームも後発で生まれていったが、
それでも、技術の結晶である『EXTRAWORLD』の人気は衰えなかった。
そして、このゲーム人口を増やすため、
かつ自分達の懐を温めるために作られた禁じ手というべき法案が可決したことで、その人気は爆発した。
RMT――リアルマネートレーディングが、『EXTRAWORLD』に限って公的に許可されたのだ。