盗賊との戦いⅠ
寝てた。
影手を使って効率よく食事をできるようになって、餌作りで創ったアイテムを宝箱の中に残しておくようになったことで、人間などのダンジョンに来る人達がよく此処によってくるようになった。
此処に来ればある程度の収入を見込めるということなのだろうか?
人との戦闘をしてみたいのだが、ほとんど此処に来る人は今の所全員複数人とパーティーを組んで来ている。
「ボス!今日も豊作ですよ。」
「ガハハハ我らにも運が向いてきたようだな。」
「商人を襲うよりも安全ですし、このアイアンソードなんかはEランクはありそうですぜ。」
盗賊風の男が三人で俺の創った餌を持っていっている。
この男たちは最近よく来るようになった盗賊風の男たちだが、盗賊団とかそういうのではなく普通に三人だけの盗賊チームのようだ。
このボスと呼ばれているやつは一度だけスケルトンと戦っているのを見たことがあるが、シンプルに強くて手を出したら即殺されそうだった。
相性の問題もあるだろうが、攻撃までが早いのでこっちから仕掛けてもすぐにやられる未来しか見えない。
無詠唱で火の矢を5,6本連続で放つのはチートだと思う。
あ、別に俺は戦闘狂とかでは無いよ。
コイツラ普通に犯罪行為とかをしているようなので、倒しても後腐れないかなっと。
それと、美味しそうだな‥と。
「おいお前らこれ売って娼館で一発やるぞ。」
ほう、このダンジョンの外には娼館、街があるのか。
あれで収入になるんだから、意外と高く売れるのかな?
前世で包丁とか買うときに1万円はかかってたしそんなもんか。
「ボス、待ってくだせえ」
もうひとりの盗賊の子分が俺をじっと見つめたあとに、ボスの跡をついっていった。
そいつの目が前世の俺と似ているような気がしていて少し気になった。
前世の俺はどうやって会社に一矢報いるかとかそういったことを考えることが多々あったのだが、その時の俺と雰囲気がかぶっているような気がした。
俺が働いていたブラックは無駄に給料が良かったため、どんなに過酷な労働環境でもやめるわけには行かなかったのだが。
そのせいで今があると思えば無駄に腹の立つことは無い。
腹が立つのは立つので、顔を見せたスケルトンを影手を使って物理的に倒した。
影手のレベルが上がり手の数が二本になり、効果範囲(手の長さ)が2m程度まで伸びた。
❖・❖
いつもよりも早い時間に盗賊()の子分Bがたった一人でやってきた。
ボスは居ないのかな?
「ボスが来る前にこれを売れば俺だけに金が入って今よりももっといい女が抱ける」
子分Bはそうつぶやきながら箱を開けて中のアイテムを取ろうと手を伸ばしてくる。
(ボスがいないならお前を倒して経験値に変えるのは造作も無いんだよ。)
「影手」
影手をこっそり出し、後ろからこいつの口を塞いだ。
「ング」
もう一本の手でこいつの急所を握りつぶした。
―――バキ
音がなり子分Bは泡を吹き倒れた。
影手でコチラ側に寄せて。
捕食で食べた。
思ったよりも罪悪感がなかった。
「ステータス」
________________
名前無し
種族:ボックスミミック
Lv:11
HP:250/250
MP:60/60
SP:6
進化可能レベル:10[進化可能]
スキル:捕食Lv:2 餌作りLv:2 影手Lv:2 防火Lv:2
〔スキル入手〕
________________
「おい!ガルム!」
やべ、ボスさんと子分Aが子分Bの跡をついてきていたようで、俺がミミックであることがバレてら。
良ければブクマをしてくださると嬉しいです。