魔物を倒したらレベルが上ったぜ!
レベルを上げるためにはおそらく経験値たるものが必要だと思う。
RPGなんかでモンスターを倒して経験値を取得してレベルを上げる。というのが王道であり、一番わかり易い。
だがここは現実だ。
気がついたらレベルが上がる。なんてこともあるかもしれない。
何が経験値なのかはわからないのだ。
ほんの些細なことでレベルが上がるかもしれないし、1,2年モンスターを倒して漸くレベルが上がるかもしれない。
できれば、些細なことでレベルが上ってほしいと願っている。
だってまだ一回もモンスターを見てないから、モンスターとか人とかを倒さないとレベルが上がらなかったら、一生進化できずに一生動くことのできないボックスミミックのままとか嫌だし。
「餌作りLv:1」
全MPを込めて、スキルを使う。
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ランクF:ブロンズソード
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「捕食Lv:1」
木の箱に創ったブロンズソードを捕食を使って食べる。
動けない魔物なのに無駄に腹は減る。
ああ、生き物って不便だな。
動いていないこともありお腹は余り空いていないのだが、腹がへることには変わりが無い。
だからさっきみたいにMP使ってアイテム創るを繰り返してなんとか生きることができている。
(体感)一週間以上たったが魔物はまだ見てないが、人間なら何回か目の前を通り過ぎていったことが何回もある。
だが、人がこの(おそらく)ダンジョンに来るときは、当たり前だが一人で来ることはない。
もし一人食べても他のメンバーに倒されてしまっては意味がないので、屈辱的だが口を漁られて餌を持っていかれる。
人が来たときはちゃんとMP使って餌を作ってるよ。
他のミミックを見たことはないが、前世でやったゲームでは「アイテムがない=ミミック」の式が成り立つ物がほとんどだったので、ミミックじゃないよアピールとしてゴミを口の中に入れている。
―――カタッ
「ん?なにか近くにいるな?」
―――カタッ‥…カタッ…
「近づいてる近づいてる!」
―――カタッ‥
「おばけー!」
通路の角から出てきたのは、割と最初の方のダンジョンで出てくることで有名な「スケルトン」だった。
スケルトンは何もなかったかのようにカタッ‥カタッ…と音を立てて
目の前を通り過ぎていった。
「て、おーい」
せっかくの経験値ゲットチャンスを逃してなるか
俺は宝箱の蓋を開けたり閉じたりして音を立てた。
「カタッ?」
スケルトンはなぜか音が聞こえるようで、こっちに一歩一歩向かってきた。
シンプルにホラー映画なのだが、向かってきたスケルトンは両手を振り上げ
「痛い痛いチョッお前殴るな!」
両手でバンバン俺のことを叩いてきた。
「痛いって言ってんだろが!捕食!」
堪忍袋の尾が切れた俺はスケルトンを一口で丸呑みした。
「食レポします。味がしない以上!」
やっぱり創ったものを食べているときにも思ったが、この体は味覚が無いようで、スケルトンを食べたときも同様に味を全く感じなかった。
3大欲求のうち2つを発散できないって結構しんどいんだよ?
ま、この体になって一回も性欲を感じたことはないけど。
「とりまステータス」
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名前無し
種族:ボックスミミック
Lv:2
HP:205/205
MP:51/51
SP:1
進化可能レベル:10
スキル:捕食Lv:1 餌作りLv:1
〔スキル入手〕
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「よっしゃ―!レベルが上ったゾイ!」
異世界転生して約一週間(※時間の感覚が狂っているので実際は3日しか立っていません)漸くレベルが上ったー。
上がり幅がしょぼいのはおいておいて、SPってなんぞ?スキルポイントかな?
スキル入手を押したら、異世界お定番の「鑑定」スキルとか入手できたり?
「やっぱり鑑定スキルが欲しいなー。よっしスキル入手」
『スキル影手を取得しました。』
「ほ、へ?」
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