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四十八話 ソフィアとのコミュ2

今回のダイス


①おうちでご飯。その後、延長線に突入?泊まりになるか…?

1d3 

→1、2:拒否 3:恩人だしなぁ……


結果【??】


②?????

1d10

→1~9:いや流石にないよ 10:おら、催眠!(冗談)


結果【??】

 食後。食べ終わった食器の片付けはあなたが魔術を用いてすぐに終わらせた。水属性と風属性の魔術のちょっとした応用である。


 ――いくつか聞いていいですか。


 テーブルをはさんで、向かい合うように椅子に座ったソフィアにあなたは問いかける。


「いいわよ」


 ソフィアは笑顔で応えた。


 ――どうしてあなたは私の状況を知っていたのですか?


 聖の母親を殺したこと、自分自身の精神状態がよろしい状態ではなかったこと。ソフィアさんはあまりに知りすぎていた。情報源に心当たりはあるが、それ以外だった時が恐ろしい。明確な答えが帰って来るか分からないが、聞いておかなければいけなかった。


「天使様のお告げよ。私はクリスチャンだから、つながりやすいみたい」


 天使……あなたの脳内には、やはり【救恤(チャリティー)】の存在が思い浮かんだ。というか接続を切りっぱなしだ。後で色々と謝らないといけない。


 ――なるほど。


 そう言って、あなたは言葉に詰まった。聞きたいことはたくさんあった。遊戯世界をどのように戦い抜いているのか。メリケン合衆国に公的に所属しているプレイヤーはどのような待遇なのかも気になる。政府はどのような考えを持っているのか。知りたいことはたくさんあった。


 でも、自分だけが一方的に有益な情報を聞くのはなんだか悪い気がした。


 ――何か聞きたいことがあったら、答えますよ。


 あなたの言葉にソフィアは目を輝かせた。


「本当!じゃあ、あなたはどんな食べ物が好きなの?」


 あなたはもにゃっとした気分になった。


 ――魔術のコツとか、生き延びるコツとか、遊戯世界の攻略情報とか、実利があることでもいいんですよ?


 自分だけそういったことを聞くのは、なんだか申し訳ないし、アンバランスな気がした。まるで自分だけ利益を追求するような、冷たい人間みたいではないか。まあ、冷たい人間であることは否定しないが、この人にアンフェアなことはしたくなかった。


 できればそういう質問をして欲しかった。プライベートに踏み込まれるくらいなら、リスク・リターンで関係を作ってくれた方が100倍マシだ。ああ、むしろそっちを選んでくれるなら大幅に譲歩する用意があった。これが欲しかったんだろうと、安心することができた。いらないアイテムとかなら、色々と差し出してもかまわない。だから、それが目当てだと言って欲しい。これ以上自分の心をかき乱さないでくれ。


 すると、ソフィアは立ち上がり、あなたに近寄ると手を伸ばした。


 ピタリと、ソフィアの手があなたの頬に触れた。


「いいえ」


 ソフィアの笑顔と愛情があなたの瞳に映った。


「あなたの方が大切よ、緑」






『お母さん、あいとこいって何がちがうの?』


『うーん、そうね……。恋が魅力的な誰かを自分のものにしたいと思う気持ちで』


『愛が……好きも嫌いも超えて、その人に尽くすという感じかな』


『……どういうこと?』


『好きだからその人のために何かをしてあげるってことじゃなくて、嫌いだからその人のために何かをやってあげないっていうことでもない……例えると、緑がどんなに悪い子で嫌いになっても、お母さんは緑を助けてあげるってこと』


『そっかぁ……』


 そう言われて、自分は悪い子で嫌いだと思われているって、悲しくなったんだっけ。


『いやお母さんは緑のことが嫌いってことじゃないからね、勘違いしないでね??見れば分かるでしょ……?』


『うん、そうだね……じゃあ、ぼくがどんなにわるい子になってもそばにいてね』


『当たり前でしょう。お母さんなんだから』






 そんなことを思い出した。


 あなたは頬に触れるソフィアの手に自分の手を重ねた。


 あなたは瞳を閉じた。


 嘘つき。


 そんなことを考えた。






 ――そうですか……。ごめんなさい、これはちょっと恥ずかしいです。


「あら??」


 【延々】の魔術が展開され、ソフィアは気づけばもとの席の近くに立っていた。


 ――私の好きな食べ物ですか……1番は、二郎系ラーメン醤油味で野菜マシ油マシにんにく少なめ……。


「呪文かしら?」


 ――冗談です。好きですが、週4以上は少ししんどいです。


 週3ならいけるのかよ(戦慄)。


 ――お寿司は好きです。サーモンとか、マグロとか。刺し身でもいいです。


「おお、ヤマトの代表的な料理ね!」


 ――とんかつも好きです。牛丼も、うどんとかも大好きです。あと、卵かけご飯。


「なるほど、和国料理ばかり……勉強になるわね!」


 ――カレーもいいです。チーズとか、豚しゃぶをのせたりするととても美味しいです。


 しょうもない自分語りだ。言いながら、あなたはそんなことを考える。でも、ソフィアはあなたの話を楽しそうに聞いていた。この路線でいいのだろうか。あなたはソフィアの顔色を伺いながら話を続けた。


 それから、よく行く外食店の話や、そこでのエピソードを話した。オチもなければ面白いわけでもない。そんな話にソフィアは丁寧に相槌をうち、時にツッコミを入れたり、質問したりと、楽しそうに聞いてくれた。


 自分のくだらない話を長々と語ったのは、母親が死んで以来のことだった。前は学校から帰ってきて、食事の時など、その日あった出来事をよく話していた。今となっては、そんなことを誰かにしたいと思わないのに。それを久々にやったら、随分とぎこちなくなってしまった。


 ふと、時計を見た。もう、夜の7時だ。


 あなたの視線に気づいたのか、ソフィアも時間を確認する。


「夜の7時ね」


 ――はい。


 あなたは何か嫌な予感がした。


「もっとあなたといたいわ。泊まっていいかしら、緑」


 嫌です。遠慮がなければ、即答だっただろう。しかしながら、あなたにはそれができない。


 ――男女でお泊りはやばいと思います。


「ああ……そうね。確かに世間体は悪いわね」


 だよね!ぶんぶんと、あなたはソフィアの言葉に大きく頷いた。


「でも、黙っていれば誰にもバレないわ」


 あなたは驚愕した。


 ――待ってください。敬虔なクリスチャンであるソフィアさんはどこにいったんですか……。


「大丈夫よ。そもそもあなたはそういうことに興味はないでしょう?だから大丈夫よ」


 何が大丈夫なんですかね……。


 ふと、とある返しが思い浮かんだ。本来のあなたなら、思い浮かんだとしてもそれを言うことはなかっただろう。ただ、自分のくだらない話を聞いてもらった。受け入れてもらった経験をしてしまっていたから、ついたがが緩んでしまった。


 ――私も男ですから、そういうことがあるかもしれませんよ?


 ガオーと、あなたは手のひらの上で狼っぽい炎を魔術で作った。


「……」


 ソフィアさんは少し硬直して、それからニコリと笑った。


 ――??


 ゆっくりとソフィアさんが近づいてきて、座っているあなたを抱っこした。お姫様だっこである。


 ――???????


 なんで??あまりにも急な行動に、意図が分からずあなたは硬直し、なすがままだった。


 それからゆっくりとあなたは二人がけのソファーに降ろされ、そのまま押し倒された。マウントポジションである。ここからぼっこぼこに殴られるのだろうか。


「和国の漫画にはこんな名言があるそうね」


 ――?


 流れが分からず、あなたは首をかしげた。


「襲っていいのは、襲われる覚悟があるやつだけだ」


 ――それはなんかちょっとちがくないですか?


 あなたは震えながら言った。


「ええ、冗談よ。あなたと同じね」


 ソフィアはいたずらっぽく笑いながら言った。まあ、やっていることはある意味同質のものだ。襲うことがあるかもしれませんよーと暗に告げるのと、襲う直前までデモンストレーションをするの。大小の違いはあれど、やっていることは似たようなものだ。たぶん。


 ――タチが悪いですね……。


 ほっとしたようにあなたは言った。案外、ほだされつつあるからできたやりとりなのかもしれない。


「それで」


 ソファーに寝転がったあなたの顔をソフィアは覗き込んだ。


「今日、泊まるけどいいかしら」


 ――……。


 ――どうぞ、泊まっていってください。


 あなたは観念することにした。











「緑、一緒にお風呂に入りましょう!」


 ――嫌です。ごめんなさい。


 言えたじゃねぇか……。感動した。


 あなたは急かつ非常識なお誘いに、きっぱりとNOを突きつけた。良くも悪くも、遠慮がなくなってきている。ソフィアという人物に慣れつつあるからこその成長であった。


「タオルはまくわよ……?」


 ――非常識じゃないですか。


「そうでもないわ。見なさい。旅番組のテレビですら、大人の男女が一緒にお風呂に入っているのよ。タオルをまけば常識的なのよ?」


 ソフィアはそう言ってテレビを指差した。確かに、テレビではアナウンサーの人と芸人の人が一緒に温泉に入っていた。


 そうかな……?そうかも。いや違うだろう。


――いやまあ、そうですけど……なんかこう、もっと羞恥とか、風紀とか、淑女としてどうかとか色々あるでしょう。


「安心して、緑にならいいわ」


 いや駄目でしょ。うーむ、そうか。あちらはオーケーというスタンスだから、気を遣うような言葉では駄目なのだ。


 ――私が恥ずかしいです。見るのも、見られるのも。


「……仕方ないわね」


 ソフィアは観念した。


「じゃあ、水着で入りましょう」


 ――!?


 ソフィアはどこからかともなく水着を取り出した。


「和国には水泳の授業があると聞いたわ。だから、見られるのは大丈夫でしょう?」


 ――まあ、そうですけど……。


 水着で風呂に入るのは、なんだかなぁ……。お風呂の時はもっと自由で、のんびりしていて、それでいてちょっと歌を歌ってもいいような、リラックスできる空間であって欲しいのだが。


 でも、断るのはなんだか悪いし、自分がわがままを言っているような気がして。


 いや、この考え方自体がもはや負け組の思考なのだろう。そう考えて、今日何度譲歩をしてきたか。


 自分の意見はちゃんと言うべきだ。我慢するだけじゃ駄目なのだ。ちゃんと自分の気持ちを伝えよう。


――でもっ、水着でも……やっぱり恥ずかしいです……。


 あなたは赤面しながらも、成し遂げた。ソフィアはその言葉に目を見開き、笑った。


「ようやく、ちゃんと断ることができたわね。間違いないあなたの成長よ、緑」


 その言葉に、あなたはハッとした。自分自身の断れない性格、それを何とかしようと、彼女はあえて無茶なことを言っていたのではないか。


「でもね、プルス・ウルトラ(さらにその先へ)よ緑」


 そう言って、ソフィアは一枚の大きめの紙をどこからともなく取り出した。


 ――お、おじさん……!?


 そこにはあなたの因縁の相手、Mr.ヴィクトリーとあなたが戦っている様子が描かれていた。


「あなたはこの人に激闘の末に勝ったと聞いたわ。だから、あなたに問いかけるわ」


 ソフィアの強い眼差しがあなたを射抜く。


「水着でお風呂……まあ、シャイな人はそれも嫌がるのは何となく分かるわ。ええ、仕方ないのでしょうね」


 ――っっ。


 あなたはソフィアが言いたいことを察し、目を見開いた。


「でも、この男の人に勝利したのに、その程度で恥ずかしがっていいのかしら?」




『お前が情けない顔をしていると、お前に負けた俺も、俺に負けた奴らも浮かばれないぜ』


俺たち(敗者)の想い、少しは背負ってくれよ?』




 ――……。


 ごめんなさい、おじさん。自分が間違っていました。




 ――混浴がなんですか。私に怖いものはありません。




「じゃあ、タオルなしでいいかしら」


 ――ごめんさない水着でお願いします。


 いやー、そういうわけではないんだけどなぁ、坊主……。彼も今のやりとりを見ていたら、こんなことを言うのではないだろうか。


 こうして、あなたはまんまとソフィアの策略に嵌り、一緒に水着で混浴することになったのであった。

リザルト


①おうちでご飯。その後、延長線に突入?泊まりになるか…?

1d3 

→1、2:拒否 3:恩人だしなぁ……


結果【3】恩人だしなぁ……


②お泊りと言ったらお風呂。お誘いするソフィア。

1d10

→1~9:いや流石にないよ 10:おら、催眠!(冗談)


結果【10】おら、催眠!(冗談)



 ソフィアちゃんダイス強すぎて笑った。

 今回の話はだいぶギャグにふれたので、作者的にも楽しかったです。他作品のやつはもっとギャグにふっているのですが、ハーメルンに投稿しているゾンビRTAとか怨霊TSのやつとかの評価を見ると、8.8くらいの平均評価を受けています。この作品は8.3くらいだったりするので、実はギャグにふったほうが面白いのかもしれない……??いやまあ、前半の鬱展開があってようやくギャグ要員がそろってきたが故の話なんですけど。

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