三十七話 ハイパー・イボリューション
そろそろ現実世界に戻りたい……戻りたくない?
あなたは血反吐を吐きながら戦っていた。
610日目。この日に現われたボスは、深淵魔法を使ってくる強敵であった。
あなたは600日目の戦闘以降、強くなることに非常に高いモチベーションを保っていた。
その証拠に、深淵魔法を使ってくる相手に対しても、あなたは黒い崩壊事象のオーラを纏いながら、1歩も引かずに超越スキルを用いて応戦することができていた。
何がここまであなたを駆り立てるのか。それは、600日目のボスがあなたにもたらした恐怖だ。
あの存在に打ち勝てるようにならなければ、童子や、他の人にとんでもないことをしてしまう可能性がある。
そして何より、ああいった存在がいるという実例をあなたは知った。
つまり、この遊戯世界には運が悪ければ、他にも他者を洗脳したり、何かしら周囲に被害をバラ撒くための手先にしたりするような存在と出会う可能性があることに、あなたは気づいてしまったのだ。
常にその危険があるわけではないが、もしそういった存在と実力差がある状態で出会ってしまったら。
逃走や自害ができればまだマシだろう。あなたは最悪の可能性を想像した。
また、あなたは自分の平穏を守るためには、他のプレイヤーを寄せ付けないような強さを保つ必要がある。
今後の政治動向を予想すれば、プレイヤーの重要性が世界の政治の動向に大きな影響をもたらすことは簡単に予想できる。その上で、プレイヤー自身で徒党を組んだり、同胞を探したり、そういった動きも見られるだろう。
あなたが自身の正体を隠匿し続けることができるのは、あなたがどのプレイヤーよりもこの遊戯の攻略の先端を駆け抜け、絶大な力を手に入れているからだ。
もし、将来的に人捜しに役立つ魔法を所持したプレイヤーが現われたら。そういった深淵魔法を所持するプレイヤーが現われたら。
あなたの正体は看破され、あなたは政治やプレイヤーの様々な思惑が渦巻く表舞台に引きずり出されるだろう。
そうなれば、あなたと関わりのある人物を人質に取られるといったことがあるかもしれない。
そもそもあなたが道徳的な行動を大切にしていると知られれば、そこら辺の一般人に銃を突きつけることでさえ、脅しの対象になり得るだろう。
さらに、日常生活に余計な監視が付くかもしれない。様々な責務や、やりたくもないことをしなければいけないことになるかもしれない。
やはり表舞台に立つことは、あなたにとって悪いことばかりだ。
だからこそ、あなたは強くならなければならない。プレイヤーの様々な手法に打ち勝てる技を。絶対的なエネルギーを。駆け引きの力を。確かな力をつけ、自身の平穏を保持する必要がある。
永世中立を謳歌するには、平和主義だけでは乗り切れない。実際に現実で中立を維持している国家は、非常に軍備に力を注いでおり、いざ侵略されたら国民の多くが戦えるような心構えを持っている。
平穏は非武装の上では成り立たない。現在の国家のほぼ全てが、戦争をほとんどすることがないのにも関わらず、莫大な予算を注ぎ込んで軍隊を保持している。
力が必要なのだ。最低限、手出しをすれば痛い目を見るという力が。
侵略した時に得られるメリットを、侵略を迎え撃つ際に与えられる損害のデメリットで上回るような実力が。
誰も寄せ付けない実力を持つことができるなら、ことさら大きな安心を得られるだろう。
あなたは人間の醜さを知っている。だからこそ、想像することができる。プレイヤーの多くが、善人なわけがないと。
600日目のボスが持つような【支配】の力を持つ魔法などは、多くの人間が望み、習得しえる魔法だろう。
魔法は持ち主の人格や深層意識を正確に汲み取る。他者を支配したい、意のままに操りたいといった欲望は、人間にとってはありふれたものなのだ。
だからこそ、高い可能性をもって、あの幼女のような邪悪がプレイヤーの中から誕生することがあるだろう。
危険な可能性が存在するのはこの遊戯世界だけではない。現実世界にもあり得るのだ。
そういった邪悪な人物が将来的に出現する可能性を考慮すれば、あなたはやはり強くなる必要がある。
600日目の出来事は、あなたに非常に大きな恐怖をもたらしたが、同時にあなたの物事に対する考え方をより慎重に、より臆病にさせたといってもいいだろう。
臆病なのは度が過ぎれば悪いものであるが、あなたの内心に植え付けられた不安の種は、より最悪の未来を想定して、現在の成長を促すことになった。
あなたの最も根本的な願いは、自身の平穏な暮らしだ。
最近は童子との関わりの中で、その目的が少々揺らいでいるが、何人にも邪魔されずに平穏に暮らしたいという願望があなたの最も重要な願いなのだ。あなた自身は自己の望みをそう捉えていた。
しかしながら、あの子との関係を決着するまで、自身の心に平穏は訪れない。
良くも悪くも、それはあなたの心に打ち込まれた楔である。そういった意味で、あなたの目指す平穏と童子との決着は、一致した目標でもある。
話を戻すが、強くなるためには、より生存日数を稼ぐことが合理的だ。
生存日数が長いほど、レベルが上がりやすいのだ。
あなたは500日目まで非常に熱心に戦い続けていたが、それでも僅かにしかレベルが上がらなかったのに対して、500日目以降はレベルが大きく上昇していった。
おそらく、その生存日数ごとにレベルの上がりやすい上限のようなものがあるのだ。
次の遊戯で500日目から600日目まで熱心に戦い続けても、今回のように劇的にレベルが上昇することはないだろう。
だからレベルをより向上させるには、より長く生存する必要がある。
つまり、より強くなる必要性を実感したあなたは、本気で610日目のボスに挑んでいたのだ。
10日目のボスは強敵であった。
おそらく、本来600日目のボスを突破できる実力があるなら、ここまで10日ごとのボスに苦戦することはないのだろうが、あなたの実力は まだまだ600日目のボスに及んでいない。
だからこそ今のあなたは、一手のミスで敗北してしまうほどに実力が伯仲した相手と死闘を繰り広げていた。
そして。
その死闘の最中、あなたは決断する。
あなたは前回、600日目の戦いで大きな反省をしていた。
それは以前入手した強欲の力を、一切使わなかったことだ。
危うい力かもしれないと警戒していたからこそだが、あそこまで追い詰められても強欲のことが全く脳裏に浮かんでいなかったのは、とてつもない失態だったと思う。
確かに危険な力かもしれないが、あの時に最もやってはいけなかったのはあの幼女に洗脳されることである。
だからこそ僅かにでも勝機をもたらしてくれるかもしれなかった、強欲という選択肢を忘れていたのは、とんでもない失態なのだ。
確かに普段やっていないことを、緊急時にでもしっかりと行えるのなら、訓練など必要ない。
そういう意味で情状酌量の余地はあるが、だからこそ今度危機的な状況に陥った時に、しっかりと強欲の力を借りられるように練習を重ねる必要がある。
だからあなたは、【異空間収納箱】の中から強欲の器を取り出す。
――器。それは剣の形をしていた。そしてその役割は、強欲の力をそこに降ろすこと。
その剣を見つけたのは、今回の遊戯の500日目までの探索の中での出来事だった。おそらく凄まじい幸運の産物なのだろう。
あなたは請い願う。
――助けてください、強欲。
『何のためにだ?』
応答はすぐに帰ってきた。
あなたは対峙しているボスの攻撃を何とかいなしながら、答える。
状況が状況であったため、まともに答えを考える暇はなく、それ故に。
その答えは紛れもなく、飾ることのないあなたの本音だった。
――あの子のために。あの子が幸せになれる道を、壊さないために。
『ちっ』
その声の主は舌打ちをした。
『仕方がない。ならば別の名前を呼べ』
――え。
『お前に貸せる力はない。お前が力を借りるべきは私ではない』
戸惑うあなた。一層激しくなる相手の攻撃もあいまって、力を借りるのは別の機会にしようかと考え始め……。
『救恤です』
強欲とは別の、女性の声が聞こえた。
『ごめんなさい。今はまだ、私の本当の名前は教えられないのです。だから、救恤と呼んでください』
いや、貴方は何者ですか。
あなたは疑問を抱くが、細かいやりとりをしている暇はなかった。
だからあなたはすぐさま願った。
――助けてください、救恤さん。
『はい、善良なる迷える子羊よ。私が貴方を導きましょう』
突如、空から輝く光が降り注ぎ、あなたの持っていた剣を照らした。
その光を浴びることで、剣の黒い刃は光り輝く白色へと変貌した。
力が溢れる。
あなたは自身に飛びかかってきたボスを剣ではじき返した。
剣から、膨大な意思の力があなたに流れ込む。
この剣自体が何らかの効果を持つと言うことはないが、誰かのために動き続ける限り、それに応じて大きな意思の力をあなたに授ける。それがこの剣の、【救恤】の能力であった。
その後、あなたはたやすく610日目のボスに勝利した。
こうしてあなたは、非常に利便性の高い奥の手を使えるようになったのだった。
次のボスに向けて、あなたは【救恤】の力がどのようなものなのか検証していた。
分かったことはいくつか。まず、この能力の発動は非常に容易であり、そして発動の際に特にリスクはないということ。
剣を抜く理由が誰かのためである限り、いくらでもその想いに【救恤】は応えてくれる。
この剣の持つ性質は、あなたの性格にちょうど良かったため、現状においては非常に利便性の高い切り札になり得た。
さらに分かったこととしては、【救恤】いわく、いつか【強欲】と雌雄を決しなければ、【救恤】の真の力は引き出せないようだ。
現状では【強欲】に挑むにはまだまだ力不足とのことなので、今は修練に励み、【強欲】に対抗しうる実力を身につけて欲しいとのこと。
また、【救恤】は非常に利便性の高い力であるが、少し困ったことがあった。
【救恤】が、滅茶苦茶信仰を推してくる。
『主へ祈りを捧げましょう、緑。そうすれば、きっと貴方も救われることでしょう』
不幸中の幸いなのは、宗教に加入することではなく、あなたに直接信仰を誘ってくることだろうか。
集団に属することが苦手なあなたにとって、教会で教えを受けにいけと言われたら、非常に大きな苦痛を味わうことになるだろう。
あなたは現在、割とまじめに信仰に励んでいた。【救恤】がとても有能なのである。下手に反感を買い、力を借りられなくなることは避けたかった。
以前よりも若干死んだような瞳で、あなたはアーメンと唱えた。
あなたの信条はともかく、そういった信仰を示したことで、【救恤】は積極的にあなたに力を貸してくれるようになった。
話しかけてくる頻度が強欲よりずっと多く、さらに謎の虚空から話しかけてくることで、あなたの目で感情を確かめられず、気を遣ったコミュニケーションが難しいという難点があるが、あなたは何とか耐えた。
心のステータスは非常に高いのだ。苦しさを感じても、それが何か悪影響を及ぼすことはなかった。
620日目のボス。それも非常に強敵であった。
【救恤】の力を借りてなお、苦戦を免れない。そんな最中、あなたは更なる力の使い方に覚醒した。
運命の女神の超越スキルを使う際に、あなたはいつも量子論の知識をもとに権能を行使していたが、戦いの最中で追い詰められ、あなたはスキルの別の使い方を思いついた。
運命とは何か。それは、絶対に避けられないものである。
神話において、そういったものを預言といったりする。かの有名なゼウスのおじいさんウラノス、ゼウスのお父さんのクロノスも、みんな与えられた預言を覆すことができなかった。
ゼウスも運命の女神であるテュケーの定めた運命を覆すことはできなかった。
さらに北欧神話にも似たような話がある。神々が皆死んでしまうと預言されたラグナロクを、主神のオーディンは何とかしようと頑張ったが、結局覆すことができずに、神々はラグナロクによって滅びることになった。
つまり、古来より運命というものは、神々でさえ覆すことができない絶対のものとして考えられていたのだ。
だからこそあなたはその運命の権能を用いて、預言を行なった。
――自分は勝利する。
それから、様々な出来事があなたに有利に作用した。
急に隕石が降ってきたり、異次元から謎の飛翔体が飛んできたり、あなたが戦いの中で様々なアイディアをひらめいて、戦いの中でより成長することができたり、と。
結果、あなたは戦いに勝利した。
しかしながら、それが薄氷の上の勝利であったことを認識して、あなたはより強くなることを心掛け、自分を支えてくれた様々な運命に感謝を捧げた。
630日目のボスに向けて更なる鍛錬に励むあなた。
そしてあなたは戦いの中で、風属性の下位魔術と、今までずっと愛用していた【延々】の魔術の覚醒に成功した。
<【等覺・時空粒子解釈】を習得した>
<【風精・蒼天ノ嵐】を習得した>
これにより、スキルを発動させることであなたの【延々】の魔術は魔法並みの強度で放つことができるようになり、さらに新たな【延々】の魔術式を使えるようになった。
しかしながら、現状のあなたはこの【延々】の新たな術式の習熟にかける時間があまりなかった。
新たな術式の問題点は、あなたの現状に知識では使いこなせないほどに、非常に高度な科学的知見をもとにした術式であることだ。
一度現実世界に帰還して、時間の解釈に関する論文等を読まなければ、この術式の使い方は理解できないだろう。
少しがっかりした反面、【延々】の覚醒はとてつもない発見をあなたにもたらした。
魔力=意思変換術式。【延々】を魔法並みの強度で放つ際に使用する術式の中に、そういったものが存在した。
これはあなたにとって非常に重要な魔術式であり、これを用いることによって、魔力そのものを意思の力に変換することができる。
つまり、魔法や深淵魔術の強度を、心のステータスやあなた自身の意思の力だけではなく、魔のステータスや魔力そのもので補強、補給を行なうことができるのだ。
あなたは魔力をほぼ無限に回復する覚醒スキルを所持しているため、継戦能力、瞬間火力。その両方を上げることができる、魔力=意思変換術式の発見はとても素晴らしい出来事であった。
ただ、唯一問題点を挙げるとするのなら、この変換効率が現状ではそこまで良いものではないことだ。
あなたはその術式の改良を将来的に行なおうと構想しながら、ふと、あの600日目のボスでどうしてあそこまで大幅に出力で負けていたのか、その解答に行き着いたような気がした。
おそらくあの幼女は魔力も意思の力に変換することができたため、あなたにあれほど出力で圧倒していたのだろう。
これを万全に使いこなせれば、出力の面においては、今回レベルを上げたステータスも相まって、あの幼女ともう少し対等に渡り合うことができるかもしれない。
あなたは明るい展望を描き、より一層鍛錬に励んだ。
最近、髪の毛にところどころ金髪が混じるようになってきた。
あなたは自身の毛髪の変化を、少し不思議に思った。
超越スキルをある程度制御できるようになった反面、もしかして肉体が女神化した状態に近づいてきているのだろうか?
まあ、変化が激しくなったら、【変身】の魔術を使えば大丈夫か。
あなたはそんなことを考えて、思考を別の魔術の構想や超越スキルや魔法の解釈に切り替えた。
そしていよいよ630日のボス戦が近づいてきたその日。あなたはレアエネミーに遭遇した。
レアエネミーは弱かった。黒い罅、崩壊事象のオーラを操る武術の極み、終極武術を使えるでっかい蜂であったが、肝心の終極武術の習熟度がおざなりであった。
ステータスはかなり大きくあったが、特に何の苦労もなくレアエネミーを打倒したあなたは、宝箱から超越スキルオーブを入手した。
それを手で砕くと、自分の習得しているスキルのいずれかが超越スキルになるアイテムだ。
非常に運が良かったのか。それとも、生存日数が長くなるごとに、こういったアイテムもより品質が上がるものなのか。おそらく両者なのだろうとあなたは考え、超越スキルオーブを使用した。
<【超越・竈を司る女神】を習得した>
ヘスティア……ヘスティア。最近ライトノベルで見た女神様だなぁ。
あなたの【火精・真紅ノ焔】のスキルが超越スキルになったようだ。
少し検証してみると、使用すると古代の女神を象ったような白い衣装をまとい、肉体が女性的に変わるようだった。そこら辺の変化は、あまりフォルトゥーナの超越スキルと変わらないようだ。
まあ、フォルトゥーナのような奇妙なアイテムを持たない分、こっちの方が戦いやすいかもしれない。
現状の段階では、あなたの解釈で権能を使用してみたところ、家庭を守る女神ということもあって、防御系の権能が使用できた。そして火の下位魔術を、魔法レベルの強度で放つことができるようになった。
あなたはヘスティアという女神をよく知らないし、フォルトゥーナの運命の権能ほど、戦闘にどのように活かせるかパッと思い浮かばなかったので、これも【延々】と同じように、現実世界に帰ったらヘスティアという女神について調べようと考えた。
現状では、あまりこの超越スキルを役立てることはできなさそうだとあなたは感じた。
結局の所、現状は少しでも敵を倒してレベルを上げるのが最も効果的だろう。スキルや魔術の習熟に関しては、次の遊戯で数百日かけてじっくりと鍛錬を行なうことができるのだ。
そう考えたあなたは、全ての登場するエネミーが魔法クラスの戦闘手段を持ち、かなりの習熟度をもつ脅威の戦場に再び意識を没頭させた。
630日目。おおよそ今日の夜0時にボスが現われる。
あなたはそれまでダンジョンでエネミーと戦っていた。
その探索の中、あなたは宝箱を見つけた。
ワクワクしながら開いてみると、謎の光が箱から飛び出し、消えていった。
前にもこんなことがあったなぁと思い出し、あなたは空っぽの宝箱にため息をついた。
そして夜。現在のレベルは6773であった。あなたは深呼吸をして、気を引き締める。
しかしながら。
現われたボスの姿に、あなたは硬直した。
幼少の男の子。
あなたに刻まれたトラウマが蘇り、それによってあなたの行動が一手遅れた。
さらにあなたが最近習得した【超越・竈を司る女神】のスキルのせいで、あなたはさらにその男の子への攻撃を躊躇した。
ヘスティアという神格は、全ての孤児の守護者である。つまりは、子どもを守る役割を持つ女神であったため、その影響を受けたあなたの判断はさらに鈍ったのだ。
最初は話しかけて、こちらに戦う意思がないことを――。
――あなたは心臓を抉り取られた。
胸にぽっかりと空いた穴。
――え?
戸惑うも、あなたは瞬時にスキルの力を使って、敗北の運命を覆そうとして――
――権能【事象確定】
何もできずに、あなたは倒れた。
言うなれば、不確定な状況の中、都合の良い事象を観測して、それを確定させるのが最も一般的なあなたの権能の使い方だが。
あなたが観測するよりも先に、あなたの死の可能性を観測され、確定させられた。
――あ。
油断。そういったものもあっただろう。
だがしかし、根本的にあなたは履き違えていた。
超越者同士の戦いは、そもそも上位魔術を使い始めたころからそうだが、同じ実力同士の戦いでも、一瞬で勝負が決まることがある。
いかに自分の必殺技を初見殺しとして叩き込むか。それが重要な戦いにおいて。
子どもだからといって、最初は気を抜いた状態で対話から始めようという価値観は、初見殺しの手段を持つ相手と対峙する状況において、戦士としてどうしようもないほど致命的なことをしている。
逆に630日目のボスはその点を全力で突いた。
ステータスにおいては一部勝っているところがあるが、相手がとてつもない装備を持っており、スキルの出力では圧倒的に負けていることを自身の知識を得る超越スキルで前もって知ったからこそ、相手の弱点を分析した上で、初撃に全てのエネルギーを注ぎ込んだ。
――【超越・全てを知る悪魔】
自身のスキルの全てを活かして、ボスはあなたに勝利したのだ。
今回の戦いは、勝率でいえばあなたの方がずっと高かったことだろう。
しかし、あなたは敗北した。
今回のことをもって、あなたが学ぶべきことは一つ。
実力差が少ない相手に関しては、決して油断してはいけないということ。
あなたはこの630日目で、遊戯を終了した。
≪ボス戦判定≫
基本的に100日ごとのボスを倒すことができる実力があれば、事故らなければ次の100日ごとのボスまで生き残ることは容易である。
しかしながら、主人公は600日目のボスにだいぶ恩情をかけてもらった上での勝利なので、600日以降の10日ごとのボスとの戦闘は少々厳しいものになる。それを加味した上で、10日ごとのボスの判定が発生する。
現状の主人公は強くなることに意欲的であり、さらに前回の戦いによって超越スキルをある程度コントロールできるようになったことで、深淵魔法を使うような敵にもそれなりに対抗することができる。
また、洗脳しようとしてきたボスがいるように、後遺症が残る存在がたまにいることを考慮しつつ、強欲を使用する可能性などを総合的に考慮すると、ボス戦の判定は以下のようになる。
1.危機
2.敗北
3.敗北
4.強欲使用
5.勝利
6.勝利
7.勝利
8.勝利
9.成長
10.覚醒
よって、これを10日ごとのボス戦で判定していく。
○ボス戦判定(1d10)
610日目【4】 強欲使用⇒勝利
1.危機
2.敗北
3.敗北
4.強欲使用
5.勝利
6.勝利
7.勝利
8.勝利
9.成長
10.覚醒
≪【救恤】詳細判定≫
○性別(1d2)
結果【2】女性
1.男性 2.女性
○関係性(1d100)
好感度【73】少し良い
相性 【87】良い
関心 【59】普通
※好感度は救恤という性質上、最低でも50になる。
○他宗教寛容判定(1d7)
結果【5】気にしない
1.異教徒死すべし
2.嫌い
3.しぶしぶ許す
4.普通
5.気にしない
6.むしろ自分の宗教が苦手
7.堕天寸前
○ボス戦判定(1d10)
620日目【10】覚醒⇒勝利
1.危機
2.敗北
3.勝利
4.勝利
5.勝利
6.勝利
7.勝利
8.勝利
9.成長
10.覚醒
※救恤により、勝率上昇
○覚醒判定(1d10)
結果【2】超越スキル
1~4.超越スキル 5~8.強欲 9.深淵魔法 10.???
○どっち?(1d2)
結果【1】
1.【超越・運命を司る女神】
2.【超越・竈を司る女神】
○ボス戦判定(1d10)
630日目【2】敗北
1.敗北
2.敗北
3.強欲使用
4.勝利
5.勝利
6.勝利
7.勝利
8.勝利
9.成長
10.覚醒
※覚醒により、敗北率が低下した。
○敗因判定(1d10)
結果【6】相性
1.危機
2~4.相手が強い
5~7.相性
8~9.卑劣
10.???
≪ボス詳細判定≫
○性別(1d2)
結果【1】男性
1.男性 2.女性
○外見判定(1d7)
結果【1】幼少
1.幼少
※敗因が相性なので、強制的に子どもになる。
○ネタ容姿判定(1d5)
結果【3】普通
5の場合のみネタ
○身長(1d5)
結果【3】普通
1.とても小さい
2.小さい
3.普通
4.大きい
5.とても大きい
○体型(1d10)
結果【3】普通
1.ガリガリ
2.細い
3~6.普通
7.太め
8.デブ
9.マッチョ
10.とてもマッチョ
○容姿(1d4)
結果【1】普通
1.普通
2.整っている
3.とても整っている
4.やばい
○関係性(1d100)
好感度【34】少し悪い
相性 【62】少し良い
関心 【72】少しある
○イベント判定(1d100)
結果【96】発生!
※76以上で発生
○イベント内容(1d12)
結果【5】レアエネミー遭遇
1~5. レアエネミー遭遇
6~10.レアダンジョン発見
11. 神々の気まぐれ
12. ??への手がかり
○レアエネミー特性判定(1d5)
結果【3】終極武術を使う
1.雑魚
2.深淵魔法を使う
3.終極武術を使う
4.超越スキルを使う
5.強い
※強さは600~700日目ということで、それに殉じた強さになっている。
○習熟度(1d5)
結果【1】雑魚
1.雑魚
2.下
3.中
4.上
5.やばい
○相性(1d100)
結果【65】少し良い
○勝敗判定(1d100)
※相手の習熟度が雑魚なので、自動勝利
○勝利報酬(1d10)
結果【4】スキル
1.アイテム
2.アイテム
3.装備
4.スキル
5.魔術書
6.魔術書
7.武術書
8.コミュニケ―ションイベント
9.特殊アイテム
10.???
○品質判定(1d100)
結果【87】覚醒スキルオーブ
↓幸運バフ(+5)座敷童子バフ(+9)
結果【100】超越スキルオーブ
1~10 :上位スキル
11~90 :覚醒スキルオーブ
91~100:超越スキルオーブ
○習得超越スキル
結果【6】
1~3.【自我同一性】
4,5.【木精・深緑ノ園】
6,7.【火精・真紅ノ焔】
8,9.【等覺・星辰へ繋がる炉心】
10.新スキル
○火(1d10)
結果【4】竈
1~3.炎
4~6.竈
7~9.太陽
10.生ける炎
○男神?女神?(1d2)
結果【2】女神
1.男神 2.女神
<【超越・竈を司る女神】を習得した>
≪レアエネミー設定表≫
○容姿(1d4)
結果【3】動物
1.異形 2.怪物 3.動物 4.人型
○美しさ(1d100)
結果【15】醜い
※1ほど醜い。100ほど美しい
○格好良い可愛い(1d100)
結果【15】格好良い
※1ほど格好良い。100ほど可愛い
○動物?
結果【5】昆虫
1.哺乳類
2.鳥類
3.魚類
4.爬虫類・両生類
5.昆虫
6.その他
≪探索報酬判定≫
○探索結果(1d100)
結果【90】大成功
↓幸運バフ(+5)座敷童子バフ(+9)
結果【100】超成功
※探索結果は探索報酬の品質判定に影響する。
○探索報酬(1d10)
結果【8】コミュニケ―ションイベント
1.アイテム
2.アイテム
3.装備
4.スキル
5.魔術書
6.魔術書
7.武術書
8.コミュニケ―ションイベント
9.特殊アイテム
10.???
○コミュイベント(1d2)
結果【2】リクエストコミュ
1.関心コミュ 2.リクエストコミュ
≪成長判定≫
○成長判定(1d100)
結果【87】良い
○レベル向上判定
生存日数基準レベル×成長判定(0.8~1.2)
生存日数基準レベル(630日目:5900)×成長判定(1.148)=6773
※レベル判定の原則
生存日数基準レベルに成長判定を0.8から1.2の範囲に変換した数値をかけた数値によってレベルを算出する。
<あなたのレベルは6773まで上昇した>
○成長方向判定(1d10)
結果【9】エクストラ訓練
1.下位魔術の習熟
2.上位魔術の習熟
3.魔術全般の習熟
4.魔法の習熟
5.魔法の習熟
6.スキルの習熟
7.スキルの習熟
8.スキルの習熟
9.エクストラ訓練
10.超成長
※600日目のボスとの邂逅により、訓練メニューがより強さを意識した表になった。
○エクストラ訓練判定(1d10)
結果【3】強欲(救恤)
1~3.強欲(救恤)
4~6.???さんの講座
7~9.スキルに自我が芽生える
10.???
○戦闘成長判定(1d10)
加速 【42】 ⇒ 結果【10】⇒ 加速【52】
変身 【42】 ⇒ 結果【7】 ⇒ 変身【49】
延々 【(105)】 ⇒ 結果【3】 ⇒ 延々【100】(108)
木 【108】 ⇒ 結果【10】⇒ 木 【118】
火 【100】 ⇒ 結果【8】 ⇒ 火 【108】
○戦闘成長判定(1d20)
風 【(114)】 ⇒ 結果【19】 ⇒ 風【100】(133)
土 【47】 ⇒ 結果【12】 ⇒ 土【59】
雷 【90】 ⇒ 結果【16】 ⇒ 雷【100】(106)
※戦闘で多用される魔術の習熟度を向上させる。
※【加速】と【延々】は万能性が高いので、戦闘で多用されている。そして【変身】は最近、常時【木精転身】をしながら戦っているので、同じく多用されている。よって1d10の成長判定。また、火力重視という観点では火の魔術はかなり強いので、これも同じく使う頻度が高いということで、1d10で成長判定。
※雷、土、風は【多重加速電磁砲】が戦闘でかなり多用されるので、習熟しやすい下位魔術であることを考慮して1d20で上昇判定。
※木は【木精転身】が多用されるので、覚醒済みで次の段階へ進むことを考慮すると、1d10で上昇判定。
○魔術の習熟について
※覚醒済みの下位魔術は、習熟度が200まで上昇する。200まで上昇すると、超覚醒判定が入り、成功すると超覚醒し、覚醒スキルを習得できる。さらにその後300まで習熟度を上げると、超越判定が入る。
○【延々】覚醒判定(1d100)
結果【2】成功
※8以下で覚醒成功
○風属性覚醒判定(1d100)
結果【10】成功
※33以下で覚醒成功
○雷属性覚醒判定(1d100)
結果【8】失敗
※6以下で覚醒成功
○【延々】の成長方向(1d10)
結果【7】時間系の能力に進化する。
1~3.距離を自在に操れる。
4~6.従来の距離を延長する能力がさらに強化される。
7~9.時間系の能力に進化する。
10.???
<【等覺・時空粒子解釈】を習得した>
<【風精・蒼天ノ嵐】を習得した>
全力全開のキングクリムゾン。情報量が多すぎてやばいが、早く現実世界に帰りたいので許してください。この内容を今まで通り、バトル展開を意識してやっていたら、また話が長くなっちゃいます。アンケートを見るに、明らかに需要がないし、作者もそろそろ現実が恋しくなってきたので、これは無罪でしょう。
リクエストコミュを開催して、誰かとコミュニケーションを最後にとって現実に帰ります。アンケート枠が拡大したので、面識があるプレイヤーもぶちこんでみますかね。といってもソフィアちゃんと……サイコパスな少年だけですが。
参加したい方は、ハーメルンの方へ飛んで、最新話のページの一番下のところから投票をお願いします。
○唐突な敗北
ダイスのクズ運のせい。しかしながら主人公が子どもに弱々なのは周知の事実なので、多少はね?次の遊戯では今回入手した様々な手段の研鑽ができるので、こういった敗北判定はおそらくなくなる予定。
○救恤
強欲と対になる存在。強欲の力を私欲のために使おうとすると、強欲ルートに。強欲を持っていても、私欲のために使おうとせず、誰かのためにその能力を使用すると、こちらの力が使用できる。
能力はぶっちゃけると強欲より弱い。ただし強欲は精神を乗っ取ろうとしてくるので、色々と注意が必要。
救恤とは、諸説あるが、7つの美徳に数えられるものに一つで、強欲と対になる美徳。困っている人を助ける行いを意味する。
○強欲
ヒロイン枠にもなり得たが、主人公に全く求められなかったせいで、ボス枠に回されてしまった悲しいやつ。
○ラプラスくん
能力的にも容姿的にも主人公の天敵なので、もしかしたらレギュラー化があるかもしれない。深いバックボーンは特に考えていない。ハンターハンターのキルアのごとく、主人公のハートをいただいた(物理)、凶暴なショタ。
○でっかい蜂
雑魚。
○終極武術
武術の最高峰。武術版深淵魔術。詳細は不明。崩壊現象を良い感じに操って戦う。
○上位魔術の覚醒
本日一番のミラクル。まじかー…まじか。これの覚醒スキルを構想するのに滅茶苦茶時間がかかった。セオリー・オブ・ロヴェッリとは、つまるところロヴェッリの理論ということで、ループ量子重力論のこと。作者も意味を性格に分かっていないが、つまりは時間は流れるように連続的なものではなく、粒のようなものということで、時間という概念自体存在しないのだという考え方。
○ヘスティアの超越スキル効果アイディアメモ
・竈の神なので、炎属性の強化。火の魔術を魔法レベルまで引き上げることができる。ただし超越スキルレベルまでは上げられない。なぜなら、ヘスティアという神が戦うようなシーンは神話にほとんどなく、攻撃的な性質をもたないから。
・生け贄の権能。祭壇の主でもあるので、生け贄を捧げ、代わりに何かを願うことができる?逆に、自分が生け贄を受け取ることで、他者の願いを叶える権能を使うことができる。
・家庭、及び国家の守護神的な神格でもあるので、指定した領域内をあらゆるものから守護する権能。
・処女神としての性質。異性との接触を深淵魔法レベルで避けることができる(!?)。
・国家統合の守護神としての性質。人々をまとめ上げ、国としてのまとまりを安泰にさせる(内政チート的な何か)。
・聖獣がロバなので、ロバと仲良しになれる。なお、貞操が危うくなるとどこからともなくロバがやってきて助けてくれる。神話にも実際そういう話があるので、ロバがセコムとしての役割を担ってくれる。
・全ての孤児達の守護者としての性質。孤児、子供等を見捨てることができない(デメリット)。
・プラトンさんに、神の中で彼女だけがのんびりとしていたといわれるレベルの、のんきな人物。使い過ぎると、性格が徐々にのんびり屋さんになる(デメリット)。
○フォルトゥーナの超越スキル効果アイディアメモ
・量子論の確率操作。作中で既に行なっているように、観測と未観測状態を操り、自身にとって好ましい事象を確立する。不確定性原理によって、位置やエネルギーを自在に操作することも可能。
・運命とは何か。預言的な意味合いもあり、北欧神話の主神オーディンが預言されたラグナロクに抗おうとした結果、何も変えられずに神々が滅びたように、ぶっちゃけ神以上に強い力があると人々には思われていた。つまり、滅茶苦茶強い預言をすることができる。
・主人公は理系の理屈をもってこのスキルを使うことが多い。それは既存の物理法則をベースにしている分、燃費が良い使い方であるが、運命というものを文系的に解釈して使えば、もっと色々なことができる。
・文系解釈その1が、前述してあるように預言。その2が、未来予知。フォルトゥーナの解釈には、本人も運命をよく分からないことを示すために目隠しをしている場合があるが、同時にその全ての運命を知っているかのように振る舞っている解釈もある。そこは歴史的に描かれた絵画の違いであり、人々の中でも解釈が分かれていたことを意味する。解釈が分かれているということは、人々の想念であり、共通認識、普遍的無意識から生まれた女神のイデアをその身に下ろす超越スキルにおいて、どちらの解釈も可能ということであり、その切り替えは使用者が自由に切り替えができるということでもある。
・起源が豊穣を司る女神でもあるので、習熟が進めば植物や家畜、さらには出産など、多産、そういったものをもたらす権能を使うことができるかも。




