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三話 出会いイベント

ダイス目安


【1】極悪

【2~10】とても悪い

【11~25】悪い

【26~40】少し悪い

【41~60】普通

【61~75】少し良い

【76~90】良い

【91~99】とても良い

【100】最高


イベント(1d100)

※76以上で発生

火【18】

水【44】

木【24】

金【77】発生

土【55】

日【37】


【金曜イベント】

幸福度(1d100)【??】


種類(1d10)【10】

1~9:出会い

10:???+出会い


場所(1d4)【4】

1.趣味(内)

2.趣味(外)

3.外

4.学校


人物

性別(1d2)【??】

1:男性

2:女性

好感度(1d100)【??】

相性(1d100)【??】

関心(1d100)【??】

「緑、いい?」



「絶対にお母さん以外の人の前で表情を変えてはいけないよ」



「心を許してはいけない」



「お母さんと緑以外の人間は、とても醜い心をしているんだから」













 ――……。


 朝。あなたは目を覚ました。


 金曜日の朝。今日学校に行ったら休みだと、あなたは気合いを入れる。


 そういえば…とあなたは先ほど見た夢の内容を思い出す。


――過去の夢を見ても心が乱れなくなったのは、ステータスのおかげなのかな。


 そう考え、あなたは身支度を始めた。



















 あなたの目は、人の心を写す特別な瞳だ。


 物心がついた時からあなたは人の心を見ていた。


 明確に人の思考が読めるといったことはないが、人の心、主に感情などをオーラのようなものとして視認することができた。


 あなたの人間嫌いの原因を大きく担うのはこの瞳なのだが、その経緯を語るのは後にして、あなたは現在少々面倒な状況におかれていた。


 学校で席替えが行なわれた。


 それだけなら特に問題はないのだが、その際、あなたの隣に座ることになった人物が問題だった。


 黒っぽい紫の、あまり綺麗とは言いがたいオーラ。


 敵意、嫌悪などを表すオーラを垂れ流しながら、隣の席の男子があなたを見ていた。


 このクラスの席替えはくじ引きによる完全なランダム制だ。だから同性同士が隣になるということはよくあることだ。


 でも、どうしてこういった人物が隣になるのだろうか。


 あなたは憂鬱になる。


 そもそも、自分は人に迷惑をかける行為や目立つ行為はしないように、細心の注意を払っている。人に恨まれるどころか、認識される機会すら乏しいはずなのだ。少なくとも自分が認識している限りでは。


 いや、自覚していないからこそ、もしかしたら根が非常に深刻なのでは?


 考え込み、目がグルグルしたような様子であなたは考え込む。


 この隣の男子は人当たりが非常に良く、友達がたくさんいる感じの人だった気がするが…。


 ……。


 分からない。


 どうしてここまで嫌われているのだろうか。


 あなたは疑問に思った。


 そして、よく分からないので考えることを止めた。


 まあ、実害がなければオーケーだし。


 それから、金曜日である今日さえ終われば…とあなたは気合いを入れ直し、隣の人物を意識からシャットアウトした。






















 嫌いな人物を問われたら、俺は高梨緑と答えるだろう。


 今日、隣の席になってしまったやつだ。


 まあ、声高に1人の人物を嫌いと言ったら俺のイメージが壊れるし、変な空気になるから嫌いといった態度は表には出さないが。


 こいつがそこら辺のキモオタみたいなやつなら、色々理由をつけていじめのような状態にできるのだが、残念なことにこいつはそういった隙がない。


 いや、そんなやつならそもそも嫌う理由もないんだが。


 こいつは女子のあたりには意外と人気があるし、一部の男子からも人気がある。そういった状況にするには、現状ではまず不可能だろう。


 まあ、人気があるのは分からなくはない。


 こいつの顔立ちは女っぽいが、整っている。


 そしてなによりも、儚くて今にも消えてしまいそうな幻想的な雰囲気が、神秘的な何かを感じさせる。まあ、嫌いだが。


 こいつが表情を変えたところを見たことがないし、そういう話を聞いたこともない。


 そういった面も併せて、こいつはクラスの奴らから妖精さんや精霊さんなどと呼ばれている。


 森に住んでそうとか、敬ったらご利益がありそうとか、いろいろとおかしな噂も立っている。


 これだけだとなんでこいつのことが嫌いなのかと疑問に感じるかもしれないが、これは同族嫌悪と真逆のベクトルを持つ、自分と全く違う者を嫌う感じなのだと思う。


 こいつは自分からコミュニケーションを一切取らない。


 いや、そういうやつは別に珍しいわけじゃないし、嫌いというわけではない。だが、こいつはそういった奴らとは違う。


 孤独なやつは割とそのことが恥であることを自覚しているというか、どこか卑屈な態度をしているような気がするのだが、こいつはそういったものが一切無い。


 目立つ行為はしないが、とても楽しそうに生きている。孤独を好き好んでいるといった感じだろうか。


 人の機微を察するのがそこそこ得意だからなんとなく分かるが、こいつは誰かに話しかけられると少し嫌そうな気だるい雰囲気を出す。


 あとすごい不思議だが、こいつの前髪の一部分はたぶんこいつの気分によって動く。


 こいつの前髪の一部分がやけにワックスでべっとりとしているのは、たぶんこれを抑えるためなのではないだろうか。これに気づいた時以来、凝視すればなんとなくこいつの感情が分かるようになった。


 ゆっくりリズムをとるように、僅かに前髪の一部分が揺れ動いてるときはたぶんこいつは楽しんでいる。一人で本を読んでいるときなどはこんな感じだ。


 真逆に誰かに話しかけられるとこいつの髪の毛はほんの少しだけピンとなる。たぶん警戒とか、嫌悪を示してるのだと思う。


 まとめるとこいつはたぶん人が好きではなく、1人の方が楽しそうだ。


――だから、俺はこいつが嫌いだ。


 俺が人間関係の構築に必死になり、話し方、相手の表情、雰囲気。その他様々なものに気を遣って、労力を費やしてよりよい人間関係を維持しているのに。


 こいつと比べると、それが馬鹿みたいだと感じるのだ。


 そんなことをしなくても楽しく生きていけるという実例を示されているようで、本当に腹が立つ。


 今日の昼休みも、こいつは1人で飯を食って、その後に1人で読書をしている。読んでいる本はよく分からない英語のタイトルの本。頭が良さそうだ。


 これがキモオタとかが読んでるラノベとかなら、からかってやることも……いや、変な親しみを持った奴らが寄ってくるかもしれないから、あまり良い方法ではないな。


 こいつの雰囲気はあれだから、そういうファンタジーな話が好きなキモオタやメルヘンな願望を抱いている女子、言い換えると非日常を望むようなやつらが、たまにこいつと話をしたそうにしているのを見かける。


 まあ、こいつが僕は宇宙人とか、妖精なんだとか言い出したら俺でもちょっと信じてしまいそうだもんな。変なきっかけを作ってしまったら飛びついてくるに違いない。


 はあ、とため息をつく。


 嫌がらせをしてやりたいが、なかなかいい手が思い浮かばない。


 こいつの鞄にこっそりとクラスの女子の下着とか入れて変態疑惑とかかけてやりたいが、残念ながらこいつの場合は盗んだと言うより誰かが濡れ衣をかけるためにやったとか、もしくはその女子が変な性癖をこじらせているといった解釈の方が先にくるだろう。


 俺でもこいつがそんなことをするとは思えない。


 じゃあ、直接こいつの物を隠したり壊したりするのはどうだろうかと思うが、このクラスの担任はいじめ防止とかに熱意を入れている面倒くさい教師だから、そういった分かりやすいことは絶対面倒な展開に繋がるからできない。


 日頃の行いか……。


 俺はもう一度ため息を吐いた。


 現状、俺が出来る嫌がらせはせいぜい体育の時間にラフプレイをするくらいか。何かいいチャンスがあればなぁ……。



































 バンッ。


 体育の時間。バスケットボールの最中。


 あなたは隣の席の男子にファールをされて倒れる。


 ゴールの近くでパスをもらい、シュートをしにいこうとした結果、非常に荒いシュートブロックをされたのだ。


 ごめんごめんとその男は謝るが、あなたの目は明確に彼の悪意を映し出す。


 またか。とあなたは思うが、口に出しはしない。


 あなたは人に見られるのが嫌いだ。故に変に波風は立てたくない。


 痛い思いはステータスのおかげでしていないので、まあいいかとあなたは考えた。


 その気になれば彼のブロックを避けることはできたが、あなたはむやみにプレイヤーとしての力を振るう気はなかった。


 おそらく、今後例の遊戯の参加者、プレイヤーを探すような動きが世界で行なわれ、プレイヤーが持つ力を国がコントロールしようとするだろう。


 当たり前である。こんなびっくり人間、社会の統治組織が関与せずに無作為に暴走したら、どれだけ既存の社会に損害を与えるか。想像するだけで面倒だ。


 だがしかし。あなたは自身がプレイヤーであることを明かす気はなく、また、国に協力する気もなかった。


 あなたの目的は自身の平穏なのだ。プレイヤーであることを明かすのは、それからあまりにも遠ざかる。


 自己中心的な考えかもしれないが、人々のために自身の何かを犠牲にしてもよいと思うには……あなたは人の悪いところを見過ぎた。


 しかしながら、ランキングという機能がある以上、当然ランキング一位の水瓶は誰だと言うことになり、水瓶という漢字がある核国と和国で重点的に捜索が行なわれるだろう。


 あなたにとって幸運だったのは、ひらがなを使わず、核国語にも存在する漢字を使ったので、水瓶という人物が和国人だと断定されないことだろう。


 あなたは運動がそこそこできても、飛び抜けてできるというわけではない。それなのにあなたが急に凄まじい運動能力を晒したら、プレイヤーという概念が知れ渡れば疑われることは間違いないだろう。


 だから、あなたは抗わない。


 悔しい?


 そういった思いはなかった。あなたは既に特別であることも、優秀であることも諦めた。


 フリースローを二本とも外しながら、あなたは願う。


 どうかこの先も平穏な日々が続くようにと。

≪リザルト≫


○幸福度(1d100)

結果【6】とても悪い


○種類(1d10)

結果【10】???+出会い


⇒母親の思い出+出会い




<フラグ【母親の記憶】が解放されました>




○関心について。

初期関心は好感度によって補正をかけます。悪い、良いの場合+10。とても悪い、とても良いの場合+30。極悪、最高は+50。その他イベントや親族など、様々な要素で+補正がかかります。50が普通で、0が無関心。100が最高。

主にそのキャラクターのイベントの出現率に関係します。また、イベントの内容にも影響します。


○相性について。

好感度の上がり具合に影響します。高いほど好感度が上がりやすく、下がりにくい。低いほど好感度が下がりやすく、上がりにくい。イベントによって相手か主人公の性格が変わったら変動することもあります。



≪NEWキャラクター≫

荒田(あらた) (かじ) ♂

好感度【2】

相性 【21】

関心 【100】


驚きの好感度の低さ。この主人公は俺TUEEEEはするけど、もしかしたら交友関係がひどいことになるかもしれませんね。


あ。前回出た叔父のデータを載せておきます。




叔父 ♂

好感度【71】

相性 【93】

関心 【79】


相性良いくせに主人公が持つ叔父への好感度低すぎない?と思うかも知れませんが、仕様です。主人公の改心イベントが起こらないと他人に対する主人公の好感度は上がりません。

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