急接近
まゆと文博が付き合って1ヶ月**
クリスマスに私はライブへ行くためまゆに大阪へ連れていかれた。
大好きな俳優Fくんに興奮したまゆは誤ってトイレに携帯をドボン…使えなくなった。
次の日大阪デートの予定だったまゆに頼まれ携帯を貸すと知らない間に私の携帯には文博のアドレスがいれられてた。
これが私たちの始まり。もしまゆが携帯を落としてなかったらなにも始まらなかったのかな?
それを機にメル友になったものの、文博に対するイメージが悪かった私の返信は2週間に1通程度。
そんな一月のある日、ずっと未読にしてた文博からまたメールがきた。
<まゆが男友達と鍋パがあるってゆーねんけどいかしていい思う?急ぎやから返信早く返して欲しい>そこまで言われると返さざるおえず
<花純はまゆが男友達と仲よしなのも知ってるからあのメンバーなら大丈夫やと思うよ!>
四月から専門学生になるまゆは大阪で一人暮らしが決まっていた、だから最後の思い出を作らせてあげて欲しいと私は文博を説得し、話はおさまった。
ところが…その相談を機に一気に文博は私に心を許し始め、気がつけば毎晩電話をするようになっえた。
【俺と花純ってほんま気合うよな〜】《そおやな!》そんな会話を毎晩してた。
電話くらいなら大丈夫。と自分に言い聞かせて。
文博ともだいぶ打ち解けた私はまゆの送別会を提案した。みんなでパーティーを開いてプレゼントをあげるというもの。電話じゃ話はまとまらず、一度会ってご飯でも食べながら決めることにした。
初めて2人…ただ親友の彼氏に会うだけなのにお気に入りの服を着てる自分がいた。
ご飯も食べ終わり店を出た途端私は寒くてくしゃみをした。
文博はガバッと自分の着ていたニットを脱ぎ私の頭に乗せた。
「これ着ろよ。花純後ろ乗るけ?」
自転車の二人乗りくらい大丈夫やんな?ドキドキは気のせいだと自分に言い聞かせ、そっと文博の後ろに捕まった。
文博の匂いがする暖かいニットに包まれながら。