遥か昔の手前の双子姉妹
書いてよ!という希望の元短編で一応書いてみました。
ただ、自信はないのであまり期待せず読んでもらえれば幸いです。
…読むなら自己責任でお願いします!
異論反論質問抗議口答えは一切聞きません!笑
では、どうぞ!
それはそれは遥か昔…ではなく、遥か昔の手前の話。とある帝国に、くり、おね、という名前の双子姉妹が暮らしていました。
え?なんで遥か昔ではなくて、遥か昔の手前かって?そもそも手前ってなんだよって?手前は手前だよ、変なことを聞くんじゃない。
ここで語り部兼主人公の俺の自己紹介。…というのが普通の流れなんだろうけれど、残念だったな。俺に名前はない。
名前がないというより、匿名希望だ。なので、誰が主人公なのかは君たちに任せる。
え?適当すぎ?知るか、そんなもん。こんくらいなのがいいんじゃないか。
さて、話を戻す。このくりとおねという姉妹、それはそれはとても可愛い姉妹で、可愛くて癒される。それでもって見てるとこっちが萌えるという要素を兼ね備えているので周りの人からの人気も高い。もちろん、俺もその一人。
「ねえねえ、こんな道の真ん中でなにぶつぶつ言ってるの?」
「ちょっと気持ち悪いよ?」
「あれ?声に出てた?」
「「うん」」
これはいけない。声に出てたか。
今俺に話しかけてきたのはもちろん、この作品の中心人物である、くりおね姉妹だ。
くりは可愛くて癒される。おねはちょっと天然が混じった萌えキャラ、という印象だ。
とはいえ、これはあくまでも主観なので実際はそうではないのかもしれないけれど。
一応くりが姉でおねが妹らしいんだけれど、二人ともどっちがどっちか分からないくらい似ているからどっちでもいい気はする。
「で、くりおね姉妹はこれから何処へ?」
「散歩してるんだよー」
「おね、散歩じゃなくて、街に買い物に行くんでしょ?忘れたの?」
「あっ、そうだった!間違えちゃった」
てへっとおねは恥ずかしがりながら微笑んだ。なにこれ、わざとじゃないの?ほんとに狙ってない?
「へえ、街に買い物か。何を買いに行くんだ?」
「え!?えーっと、それは…」
「ちょっと、ねえ?」
なんだよ、もったいぶらずに教えてくれてもいいだろうに。だが、女の子なので何か言えない事情はあるんだろう、ということで俺はこれ以上は聞かないことにした。
「…ま、言えないことの一つや二つはあるよな。変なこと聞いて悪かったな」
「あ、いいのいいの。別に隠すほどのものでもないから。お兄さんには教えてあげる」
くり、隠すほどのものじゃないならなんでもったいぶったんだよ!というツッコミはしちゃいけないんだろうなあ…。
そんなことを思っていると、おねが語り始めた。
「じ、実はね?私達、元々は一人の人間だったんだあ」
「…は?一人?」
「うん、けど、とある事がきっかけで二人に別れちゃって。で、今日は私達が元に戻れる薬が出来たっていうから街まで行くの」
「へえ、そうだったのか…。…は!?元々は一人の人間だった!?」
「え?そうだよ?知らなかったの?」
知らねーよ、そんなこと!むしろ薬屋はよく知ってたな!
ちょっと気になったので俺は姉のくりにちょっと聞いてみることにした。
「元々は一人の人間だったってことはあれか。ド〇〇ンボールの〇様とピッ〇ロみたいに別れちゃったってことか?」
「うん、そうだよ。なんか雷が私達に落ちてきて、死んだーと思ったらなんでか知らないけど二人に割れちゃってたってわけ」
…頭が痛くなってきた。つまりはあれか?雷が落ちた先にはこいつらの合体したのがいて、普通は死ぬはずのところ、原因不明のド〇〇ンボール現象が起きたと。
「じゃあ、元々の名前は?」
「くりおねだよ?」
やっぱりか!思った通りだったよ!むしろ名前の分け方安直すぎるだろ!もう少し捻れよ!
「お、おう、そうか…」
「うん、じゃあ私達もう行くね?」
「おう、じゃあな」
こうしてくりとおねは街に向かって歩いていった。これで1人に戻れるのだからめでたしめでたし。
…と俺は思っていた。だが、家に向かって歩いていると後ろから雷が落ちた。…なんか嫌な予感がする。
落ちた方向的にはくりおね姉妹が向かった方だったのですぐに走って引き返した。
「おい!大丈夫…か…?」
「「「「いたたた…。また雷落ちてきた…」」」」
「…は?」
俺は夢を見ているのだろうか。くりおね姉妹が四人いるように見える。
「「「「夢じゃないよ?現実だよ?」」」」
「やっぱりか!てか、俺の心読まないでもらえませんかね…。」
…ん?待てよ。元々今日は元に戻る薬を貰いに行くならそれで戻れるじゃん。
「なあ、四人にはなったけど、戻れるんじゃねえか?」
「「「「あ、そっか!じゃあ早く街に言って薬貰おう!」」」」
というわけで、街にやってきた。そして早速薬屋に言って事情を説明し、薬を貰おうとしたのだが…。
「悪いねえ、これ二人用で作っちゃったから四人じゃ使えないんだよ」
「いやいや、それでも三人にはなれるんじゃないのか?」
「いやあ、それが違うんだなあ。四人で飲むようには作ってないから飲んだら何が起こるかわからねぇんだ」
「「「「そっか…」」」」
「ちなみに、四人用の薬を調合するといつになるんだ?」
「一年後かなあ」
ながっ!そんなに待たなきゃいけないのかよ…。気の毒なくりおね姉妹…。
こうして、くりおね姉妹はまた雷が原因で四人に分かれてしまった。この姉妹が一人の人間に戻れるのは先が長そうだ。