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カミカゼエース先輩の話をしようと思う  作者: BNorider
「巫女のMさん」編
16/17

中編4

「Kさん、Mさんは何のことを言ってるんですか?」


「あ、これは自分だけ霊感がないことを言っているんだと思います。以前、私の女系家族の中でMだけ霊感がないことはお話させていただきましたけど、Mはずっとそれをコンプレックスに思ってて、大人になるにつれその思いがより一層強くなったみたいで、それでグレたというわけでもないんでしょうけど、今はこんな格好して……。でも昔はすごく気が優しくて、素直でいい子だったんです。Mだけ霊感がないことはすごくかわいそうに思ってるんですけど、こればかりはどうしようもないから……」


 なるほど。それでMさんが『自分だけ除け者』って言ってたのか。その気持ちはすごくわかるな。


「そういうこともあって、できるだけMも霊感をつけたかったみたいで、本当は内定までもらっていた会社を断って、実家を継ぐことに決めたんです。それで今お婆ちゃんからみっちり神職の修行をさせられているんですけど、お婆ちゃんは身内といえども修行に関しては容赦ないから、Mも相当苦労していて、それを見ていると正直こっちが辛いです」


 そんな健気なところがあったんだな。お婆さんも少しは大目に見てやれないのだろうか? さすがにかわいそうだと思うのだが……。


「私は、Mは根がまじめで、いい子だってわかってはいても、大抵の人はすぐ見た目で判断しちゃって勘違いされることが多いから、実はあまり紹介したくなかったんですね。そして、そういうこともあるから見た目だけはまともにするように、と常日頃言っているんですけど、すねてしまうMの気持ちも痛いほどわかるので、あまり強くも言えなくて……」


 ああ、だから最初にKさんが『見た目で判断しないでくださいね』って言ってたのか。


 Kさんの話を聞いてやっと理解した。Mさんは見た目はコギャル風でも、とても健気で根がいい子だった。やっぱり人は見た目で判断しちゃいけないんだ。

 そして自分はさっきまで見た目だけでMさんのことを決め付けて、ましてや『本当に姉妹なのか?』などと軽々しく思ってしまったことに対して深く反省し、Kさんに謝ることにした。


「自分は、今のKさんの言葉を聞くまで、最初からずっとMさんの見た目と言動だけで、Mさんのことを決めつけていました。すごく反省しています。すみませんでした」


「オレもMさんのこと、すっかり勘違いしてしまってたよ。すまなかったな」


「あ、いえ。わかっていただければそれでいいんです。それはいいんですが、どうしよう。これじゃM当分起きそうにないと思う」


「まぁ、起きるまでそのまま寝かせておいてもいいんじゃないですか? その間に次に行くという○○ダムの話を、もう少し詳しく聞かせてください」



 そうやって3人でいろいろ話をしているうちに、Mさんが目を覚ました。

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