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第0光 始まりの魔法

お早う御座います、今日は、今晩わ。らいなぁです!


これは「科学」と「魔法」と「錬金術」を題材にしたバトルファンタジーです。(多分)

警告はありませんが、不定期になる予定です。悪しからず。

では、お楽しみください。

「お父さん!お母さん!」

 燃える民家の中で小さな少年が両親を呼ぶ。ーーしかし返事は返って来ない。

「お父さん!!お母さん!!」

 更に強く名を呼ぶーーが、やはり返事は返って来ない。

「おにいちゃん……」

 側に居た妹らしき少女が少年の袖を引く。瞳に映る色は不安と悲しみ。そんな妹を見て少年は……。

「だ、大丈夫だって、心配するなミレア」

 流石(さすが)、兄と言うべきか。こんな状況下で妹を心配させまいと、自分の感情を押し殺して妹を宥める。だが、まだ幼い少年。完全に押し殺せるはずも無く、不安がちらほらと見え隠れしていた。

 意外と子供と言うのは感情に機敏に反応するものだ。兄の見え隠れする不安を感じ取った妹は、今にも泣きそうな表情で少年の袖にしがみ付いている。

 少年はそんな妹を守るように後ろに回し、とりあえず脱出しようと出口へ向かう。そんな二人の前に……。

「あら?子供?」

 推定二十歳前後ぐらいの若い女性が立っていた。その足元には真っ赤な液体が海の様に広がっている。

「お父……さん?お母…………さん?」

 少年は驚愕する。何故なら真っ赤な海に沈む様に、兄妹の両親が横たわっていたからだ。

「なに…………を?」

 無意識に妹にその光景を見せない様にしつつ、少年は女性に問いかけていた。

「殺したのよ」

 女性はケロッとした表情で即答した。その顔色には罪の意識など欠片も無い。

「何……故?」

 ドンドン()れていく声を振り絞り、もう一度女性に問いかける少年。


「さあ?邪魔だったんじゃない?」


 まるで他人事の様に首を(かし)げた女性に、ついに少年の我慢も限界を超えた。

「貴様ァァァァァァァァア!!」

 少年はどこで覚えたのか、とても八歳の少年とは思えない声で女性に殴りかかる。

「危ないで……しょっ!」

 だが所詮は子供、殴る前に女性に簡単にあしらわれてしまう。

「くっ、この!」

 少年はもう一度殴りかかろうとして……

「眠りなさい」

 素早く少年の目の前に移動した女性が手を少年の顔に(かざ)すと、紫色の小さな魔法陣が現れ、少年の意識を一瞬で奪う。

「おにいちゃん!?」

 一部始終を見ていた少女は両親の事を理解してないのか、真っ先に兄の心配をする。

「妹?貴女(あなた)もお休みなさい」

 コツコツとハイヒールの音を鳴らしながら、女性は少女の目の前まで歩き、少年と同様に顔に手を(かざ)した。紫色の魔法陣が現れ、少女は意識を失った。

 女性は少女と少年を抱え、死んだ人には目も()れずに民家を出る。

「はあ、(よご)れ役って(つら)いわぁ……」

 女性の呟きは風に流され、誰の耳に届く事無く消え去る。

 女性が(かが)んで跳躍の準備をすると、地面に先程より大きな白色の魔法陣が現れ、高速で回転を始めた。そして女性は足を伸ばし切って跳躍する。それを補助する様に魔法陣が跳ね上がり、現実に女性を高く高く押し上げた。

「さぁて、どこ行こっかな~?」

 次々と現れる魔法陣を蹴りながら、空中を駆けて行く女性はそう言った。

いかがでしたでしょうか?

次回は一気に飛んで十年後。主人公の少年が十八歳の時になります。

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