2話 初めての魔法
更新頻度とかどのくらいがちょうどいいのか分からないよん。色々漁っててわかったのが1話約1万文字は多すぎるってことだよん。今回も5000文字あるよん。暇だったら付き合って欲しいよん。おそらく前書きの使い方を盛大に間違えている
朝の暖かい風が頬を撫でる。鳥のさえずりがやかましいほど頭に響く。昨日はたしか、あのまま外で寝てしまったはずだ。
「……………………………」
だが、記憶とは裏腹に、優希は柔らかいベッドの上で目を覚ました。服も、学ランではなく、チェツク柄の寝間着に着替えてある。
(………………夢だったのかな?)
頭にはそんな可能性が浮かんだが、記憶がそれを否定した。
リアリティのない話だが、確かにまだ手のひらに感触が残っている。臓物をえぐるようなあの不快感も。
そんなことを考えていると、一階から物音が聞こえてきた。
寝室があるのは二階。その真下に台所がある。物音は真下から聞こえたから、台所で何かあったのだろう。
(………もしかして……………………)
優希はある予感を感じながら、重い体を起こし、一階へと向かった。一階は既に、明かりが付いていた。
なんだかいい匂いもする。
「起きたっぷか?おはようっぷ!」
すると予想通り、下の階の台所には豚のぬいぐるみの姿をした妖精、ベルゼがいた。なにやら何かを作っているらしい。
「あぁ、えっとおはよう…………………」
寝ぼけているせいかまだ頭がうまく働かない。それでも、目の前の異質であるはず存在には驚かなかった。寝ぼけているとはいえ、昨日の出来事は忘れられるほどのことではなかったのだから、当然だろう。それと、何故か妙にベルゼの存在が心に余裕と安心をもたらしていた。
「………………なに、してるの?」
優希は気になり、ほとんど無意識のうちにそう問いかける。
料理をしていることは何となくわかっていたが、妖精が料理をする姿なんて想像すらしたこと無かったため驚き、確認のためにそう聞いた。
「見ての通り朝食を作ってるっぷ!お弁当も用意したから学校に持っていくといいっぷよ♪」
そう言いながらベルゼは、ソーセージと目玉焼き、トースターで焼いた食パンの乗った白い平たい皿を木製の机に置いた。
いい匂いのする朝食に優希のお腹は無意識のうちに反応を示す。不意になってしまった音を紛らわすように咳払いをする。
「あ、ありがとう……………」
気まずくなりながらも優希は素直にお礼を言い、ダイニングチェアを引き、腰掛けた。
いつもはめんどくさがって朝ご飯も昼ご飯も食べていなかったから、正直助かる。いくらめんどくさくても食べなければ生きていけないし、健康にも良くない。
優希はいただきますと手を合わせ、食パンをほおばり始めた。
ベルゼは食べないのかな?なんて疑問を浮かべながらベルゼをボーッと見つめる。
「そういえば、優希君、パパとママが見当たらないっぷけどどこにいるっぷか?挨拶しておきたいっぷ!」
食パンをかじる優希に、ベルゼはそう問いかけた。
「ん?あぁ…………いないよ、ここには。パパはママと離婚して別居。ママは死んじゃった」
口に含んでいた食パンを飲み込んだ優希は、特に興味がないようにそう淡々と話した。
「そうだったんぷか………………大変だっぷね」
「まぁ仕送りしてくれるし、あの人。生活費とかその他もろもろも………まぁ法律を守ってるだけって言ったらそれまでだけど」
そう言いながら優希は父親の顔を頭に浮かべようとする。
だが、優希が幼いころにすでに離婚していたため、顔どころか背格好すら思い出せない。
「仏壇とかないんだっぷか?」
記憶をたどっていた優希に、ベルゼは追加で質問を投げかける。過去の記憶から現実世界に意識を戻された優希は首をかしげた。
「………?ないけど………死体が残らないような事故?事件?だったらしいし………別にあってもなくても変わらないし………てかなんでそんなこと聞くの?」
ベルゼの遠慮のない、配慮のかけた質問に優希は眉を顰める。
別に母親が死んでしまったことは特に気にしていないが、人によっては地雷を踏みぬかれる以上のダメージがある質問をす意図が分からなかった。
「優希君のことが少しでも知りたくて……………ごめんっぷこんなこと聞いて…………」
とても思い悩んだような顔をするベルゼを見て、別に気にしていないのにと思いながらも優希は相槌をうった。
「まぁ別に僕はいいけど、ほかの人にはやめといた方がいいよ」
「わかったっぷ!」
そんな会話をしつつ、優希は少し時間をかけながら朝食を食べ終えた。
「ごちそうさまでした」
優希は挨拶を済ませ、食器を洗面台へと持っていく。
見ると、昨日まで溜め込んでいた洗い物が綺麗に片付けられており、優希は驚いた。
「おいしかったっぷか?」
食器を水につけている優希を笑顔で見つめながら、ベルゼはそんなことを聞く。
「ん?うん………おいしかったよ。ありがとう」
優希の言葉にベルゼは満足げに笑った。その笑顔を見て、優希は安っぽい罪悪感にかられる。本当は味なんてしなかった。もともと味覚が弱いんだ。でも、今日はいつもより味を感じなかった。
そんなことを考えながら、優希はふと、時計を見た。
時刻は午前8時59分。
「あっ」
遅刻だ。
「失礼しました……………」
優希は職員室の扉をそっと閉じ、大きく深いため息を吐いた。遅刻なんて今までしたことなかったのに、初めて個人的に先生に怒られてしまった。
だが、先生も疲れていたのか、普段の生活態度も功を奏し、厳しいことは言われたものの案外早く解放された。学校はブラックだなんてのはよく聞くけど、どのくらい働いているのだろうか。
「災難だったぷねぇ」
廊下をとぼとぼと歩いているとベルゼが話しかけてきた。
「うん……………目をつけられなきゃいいけど…………………………!!??なんでここにいるの!?」
優希は肩のあたりを飛んでいたベルゼに驚き、思わず大きな声を出す。授業中なのに大きな声を出してしまった自分に驚きながら、優希は自分の口を押えた。廊下に先生がいなかったからいいものの。
「どうして学校についてきたの……………ベルゼがここにいたら目立ちまくっちゃうだろ……………」
優希は声のボリュームを抑えながら、内緒話をするときのように手を口元に添えて疑問を投げかける。
別にベルゼからは見つかっちゃいけないとかは言われていないが、優希は見つかって欲しくなかったのでベルゼをギロット睨みつけた。
「まぁまぁ………色々話しておかなきゃいけないこともあったっぷし」
「話しておかなきゃいけないこと?」
「そうっぷ。これから優希君には怪獣を倒してもらうわけだけどっぷね……………」
またその話か、と優希はため息をつく。実は家を出る前に怪獣退治の話についてベルゼはしようとしていたが、焦っていたため無視して登校してきてしまったのだ。本当は今すぐ授業に参加しに行きたいのだが、また無視していってしまうのも申し訳ないし、今の時間は体育をやっていて着替える時間と体育館に行く時間を考えるともう間に合わない。優希は仕方なく、体育の授業の参加をあきらめ、ベルゼの話をおとなしく聞くことにした。
「それでまず、衣装の話なんだっぷけどね、ズボン型の衣装を取り寄せようとしたんだっぷけど、人気で今取り寄せ不可になってるらしくて、その代わり、衣装の色を変えることならできるんだっぷけど、目立たない黒色とかに変えとくっぷか?装飾は変わらないっぷけど」
「あぁ………うん、まぁ………水色よりはまし……かな?……………………じゃぁ黒に変えといて」
教室に向かいながら、優希はベルゼの提案にそう答えを出した。ベルゼはその答えに、わかったっぷ、と返事をし、どこからか取り出したメモ帳とペンでメモをし始めた。
「あぁそうだ…………そういえば聞きたかったことがあるんだけどさ」
メモを取っているベルゼに対して優希はそう言う。その言葉にメモを取る手を止め、ベルゼは首をかしげながら優希のほうを見た。
「怪獣退治って言ってもさ、今まで僕、怪獣に会ったことがないんだけど……………やっぱり怪獣を探しに行ったりしないといけないのかな?」
怪獣にわざわざ会いに行かなければいけなのなら、休日がつぶれたり、今日みたいに学校にまた遅刻してしまうのではないかと心配し優希はそんな問いかけをした。
「あぁそのことなら安心してほしいっぷ!優希君はたまたま遭遇したりした怪獣とだけ戦ってくれればいいっぷから、わざわざ会いに行く必要はないっぷよ?」
優希はその言葉に自分の耳を疑った。だって今まで怪獣に会ったことなんかないし、怪獣に会ったことのある人間は日本の5%にもならないと、ネット記事で見たことがある。確率的にたまたま怪獣と会うのはありえなくはないが、優希が住む町には怪獣が現れた事例は少ない。だから実質、怪獣に会う確率は5%以下なわけで…………………
「なんだぁ………じゃぁあんまり気にすることないのかな?良かったぁ」
安堵のため息を吐く優希を見て、ベルゼはその場で硬直した。
「?どうしたの?」
「えっと実は言い忘れてたんだけど………怪獣って魔法少女に近寄ってくる習性があって………」
「は?」
言い忘れる?そんな重要なことを?
優希は怒りと呆れのせいで、ベルゼにぶつける言葉が見つからなかった。
時間が経つのに比例し、脳みそは冷静になり始め怒りもどんどん冷めてしまった。
「まぁ怪獣探して倒して来てって言われたら行くつもりだったし…………プラマイゼロだよ………たぶん」
「ご、ごめんっぷ」
そんな会話をしていると、いつの間にかに誰もいない教室につき、優希は窓側にある真ん中の自分の席に着いた。クラスメイトは今頃体育館で体育をしているのだろう。なんだか気まずいな。
「あともう一つ聞きたいことがあったんだけどさ、怪獣ってどうやって倒すの?」
「それはね、魔法を使うんだっぷ!」
(魔法を………そっか、契約したから僕も使えるのか)
そんなことを思い出し、自分の手を見ながら目を輝かせる。
「あっでも、素手で使うと手が傷ついちゃう魔法もあるから、これをつかんだっぷ」
魔法について考えていると、ベルゼはそう言い、どこからかステッキを取り出した。水色の柄に、ステッキの先端には星、そしてかわいらしいリボン。
「まぁ衣装に比べたら…………うん」
「衣装を黒にするから、あとでステッキも黒にしとくっぷね」
「うん。そうして……………」
優希は、衣装を初めて見た時と同じくらいに冷めた瞳でそう頼んだ。
「あっ、そうだ!今は誰もいないし、ここで魔法の練習でもするっぷか?」
ベルゼは急にそう言いだし、優希のほうを向いた。
「えっ、練習?こんなところでやって大丈夫なの?」
優希はベルゼの提案に不安な声を出す。アニメでよく見る魔法は、派手だったり爆発系が多い気がする。もし現実でもそうなら、こんなところで練習していいわけがないし、魔法が失敗すると、とんでもない大惨事になるのが定番の流れだ。
「大丈夫っぷよ!危ない魔法は使わないっぷから。まずは、服を一瞬で着替える魔法を使るようにしようっぷ!」
ベルゼはそう言いながら魔法少女の衣装を取り出した。色はまだ水色だ。
「うんわかった。でもどうやって魔法を使うの?」
衣装を無意識のうちに睨みつけながら、優希はそう問う。
「簡単だっぷよ。イメージするんだっぷ!この衣装が一瞬で体になじむ姿を…………魔法は想像力が豊かであればあるほど上手く使えるんだっぷ!最初のうちは目を瞑るとやりやすいかもっぷね」
「想像するだけでいいんだ………てっきり呪文でも唱えるのかと……………………」
そんなことを言いながら優希は、息をふっと吐き、ベルゼが言ったとおりに目を瞑った。
イメージ、想像力、どちらも自分には少し足りないような気もするが。想像を膨らませ、自分がその衣装を着ているイメージを頭に浮かべる。
(やっぱり…………似合わない………)
そんな考えが浮かんだ瞬間、頭と体が急に軽くなり、体内から何かがあふれるような、号泣した時に近い感覚が全身に広がった。それはとても、心地いい感覚だった。
「わっ!すごいっぷ!優希君!初めてなのにこんなに早く魔法が使えるなんて!」
ベルゼの声に驚き、優希は目を開けた。
「あっ…………」
(着れてる………)
先ほどまで確かに学ランを着ていた少年は、今はかわいらしい魔法少女の衣装を身にまとっていた。
必要なのか分からないカチューシャとストッキングもしっかり身につけていた。
初めて使った魔法に感動しながら優希は衣装を見つめる。
悪くないかもしれない。一瞬でもそう思ってしまった自分に驚いていると、授業が終わったことを告げるチャイムが学校中に響いた。
「あっ着替えなきゃ……………あれ学ランは?」
「それはもう一度イメージすれば出てくるっぷよ!一度成功してるし、今度はもっと簡単にできると思うっぷ!」
なるほど、と相槌をしながら、優希は再び魔法を使う。ベルゼの言うとおり、最初より簡単に魔法は発動でき、目をつぶらずとも学ランに着替えることができた。
「学校が終わったら今度は亜空間を利用した魔法について教えるっぷね!もうそろそろで人が来ちゃうから僕は家に帰るとするっぷ〜」
「うん…………わかった」
ベルゼはそう言い残し、背景に溶け込むようにしてどこかに消えてしまった。
(あっ…………ステッキ………カバンの中にでも隠しておくか…………)
優希は慎重にカバンにステッキを入れ、何事もなかったかのように席に着いた。
私はショタコンじゃないしロリコンでもないし、どちらかと言うとかっけぇおばあちゃんが好きだ
すみません嘘です。ショタもロリもかっけぇおばあちゃんも好きです
おそらく後書きの使い方を盛大に間違えている




