何を話したのアインハルト兄さん!!
「さあ!明日の夜は陛下と食事よ!!身なりを整えに行きましょう!!」
帝都に戻りシアの家でお世話になって1週間、私は宛がわれた部屋でニーズヘッグ相手に魔法の研究を敷いていたのだけどいきなり部屋の扉が開きセレーヌさんがにこやかな顔をしながら部屋へと入って来てそう叫ぶように言葉にしたのを聞き私は固まる。
「ん?どうしたのリアちゃん?」
固まる私を不思議そうに見ているセレーヌさんを見て現実に戻り口を開く。
「何で私がまた陛下と食事をしなきゃいけないの?」
私がそう聞くとセレーヌさんが腕を組み胸を張る。
「陛下とリリアが望んだからよ!!」
「ええぇ・・・・」
なんで皇族が私なんかと食事をしたがるの?って言うかこの前も食事したしもうよくない?
「断る事なんかは・・・・・」
上目遣いでそう訊ねるとセレーヌさんが悲しそうな顔になる。
「2人供楽しみにしていたし・・・・それに」
「それに?」
「断ったらどうなるか・・・」
「こわっ!!」
え?断ったら牢屋にでも入れられるの?とビビる私を見てセレーヌさんが苦笑する。
「まあ冗談は此処までで、出来れば一緒にしていたしをしてあげて欲しいのよ。勿論私やテリーやシアも呼ばれてるから」
まあそれならいいかな?
「わかったよ、食事会には出るよ」
私がそう言うとセレーヌさんが嬉しそうに微笑み『ぽん!』と手を叩き口を開く。
「それじゃあ明日に備えて身なりを整えに行くわよ!」
・そう言えばそんな事を言いながら部屋に入って来てたんだったね。
「え?明日お風呂に入るだけじゃ・・・・・・」
「駄目に決まってるでしょう?さあ行くわよ!!」
私はセレーヌさんに引きずられるように馬車に乗せられて街に向かい髪、体、お肌・・・と専門の店で様々な事をやられ身なりを整えた。
翌日の夜私はセレーヌさん一家とお城に向かい控室へと案内され予想外の人が部屋にいる事に驚く。
「あれ?アインハルト兄さん?アインハルト兄さんも今回の食事会に参加するの?」
事前に何も聞いてなかったから驚いてそう言うとアインハルト兄さんがとても嬉しそうな顔で頷く。
「久しぶりだねリア、今日は特別可愛いよ」
いやいや!この姿を見て可愛いとか言わないで欲しい!!セレーヌさんが用意してくれたドレスなんだけどそこかしこにピンクのリボンが付いていて絶対に似合ってないと思うんだよ!
アインハルト兄さんの言葉に内心ツッコんでいるとアインハルト兄さんの隣にいる高齢の男性が私に向かい一礼し微笑む。
「君がフローリア嬢だね?初めまして、リッツナー伯爵家の当主でアインハルトの父であるグラスナー・リッツナーだ、君の事はアインハルトからよく聞いているが話以上の可愛さだね」
・・・・アインハルト兄さん?お父さんに私の事を一体どんな風に話してるの?って言うか現リッツナー伯爵って事はとてもえらい貴族だよ?私が気軽に話していい相手じゃない気がするんだけど?
「初めましてフローリア・ランズと申します。アインハルト兄さんにはとても世話になっています」
下手な事は言わないで欲しい方がいいと思いそう言うとリッツナー伯爵が微笑み口を開く。
「普段通りの話し方で話してくれると嬉しい、アインハルトは君の事を実の妹のように思っている・・・という事は僕にとっても君は娘みたいなものだからね」
ちょ!!本当にお父さんに何を話したのアインハルト兄さん!!
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