その呼び名は嫌だっての!!
私が考え込むのを見てアインハルト兄さんが首を傾げてシアに視線を向けて口を開く。
「リアが悩んでるみたいだけどどうしたんだい?」
シアは私を見て先程の話をアインハルト兄さんに話してくれ、それを聞きアインハルト兄さんは苦笑しながら口を開く。
「確かにオリアニア様なら乗り込んできそうだね・・・・僕は入らないにしても直接伝えた方がいいと思うよ」
だよねぇ・・・・でも王都まで2ヶ月かかるんだよね。
「貴女の考えてる事は判るけど後々の事を考えれば王都に行ってオリアニア様に会った方がいいわ」
そうだね・・・・王都に行くのが嫌な訳じゃないから行く事にするか!!
「わかったよ、王都に行く事にするよ」
私がそう言うと2人は嬉しそうに微笑み、その後にシアが口を開く。
「なら私達と一緒に行きましょう!今はキルアスキルの使っていた拠点を調べているから少し時間が掛かるけど、キルアスキルの構成員全員を王都に連れて行くことになるから多分出発は2週間後位になるとは思うけど」
「わかった、それまでに用意しておく」
私がそう言うとアインハルト兄さんがシアに視線を向けて微笑みながら口を開く。
「出発の手配は隊長である君に任せるよ、僕はギルドに向かい、探索者を雇ってくる」
「わかったわ」
2人で頷き合いながら今後の事を話していたのを聞き少し驚く。
「何で探索者を雇うの?」
一応騎士団と魔術師団の部隊を引き攣れて来たんだよね?
「キルアスキル構成員の人数が60人も居るからよ」
シアが真剣な顔でそう言って来た。
「私達は総数40人で来たの、もしもの時に逃がしてしまう可能性があるわ。だからできれば10人は雇いたいわね」
納得して口を開く。
「なら私の事もその数に入れていいよ、私Sランク探索者だからね」
シアは今思い出したように頷き、アインハルト兄さんが私に視線を向けて口を開く。
「ならギルドまで一緒に来てくれないかい?顔見知りがいた方が話が進めやすいからね」
「わかったよ」
私はアインハルト兄さんとギルドに行く事になった。
「なら私は領主様と話をしてくるわ、あとで合流しましょう」
そう言ってシアが出て行った後に私達も家を出てギルドに向かう。
何事も無くギルドに着き、そのまま入ると丁度受付ラッシュで物凄い数の探索者たちが依頼を受けるべくギルドに集まって依頼ボードを睨んでいた。
そして一人の顔見知り探索者が私を見て口を開く。
「【首狩り姫】じゃねえか、お前暫くは引き篭もるって言ってなかったか?」
私はその探索者を・・・・ごっつい男を睨みながら口を開く。
「その呼び名は好きじゃないって言ってるでしょ?いい加減止めてくれないアゴット」
アゴットと呼んだごっつい探索者は苦笑しながら口を開く。
「なら【ジャイアントキリング】の方がいいか?」
「それもやだ!!もっと可愛いのがいい!!」
なんで探索者の呼び名って物騒なものしかないんだろうね!!
「リア?」
私とアゴットをやり取りを見ていたアインハルト兄さんが私にそう声をかけてきたので此処に来た目的を思い出して口を開く。
「今日は知り合いをギルドに連れて来たんだよアゴット、だから仕事を受けに来た訳じゃないんだ」
「そうか、引き篭もるのはいいがたまにはギルドに顔を出せよ【首狩り姫】」
「だからその呼び名は嫌だっての!!」
アゴットは笑いながら依頼ボードの方に歩いて行った。
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