閑話 学生生活の終わり
話がしたくてリアを探しやっと見つめたのは大学の魔術に関する貴重な資料が置いてある資料室。
始めて会った時より背は少し伸びたけどあの時感じたような可愛さは失われる事は無く、むしろ更に可愛く成長したリアがのんきに資料を読んでいた。
「リア!!!」
資料室を覗いてリアの姿を見た途端大きな声を出してしまった。
「ん?どうしたのシアそんな大きな声を出して?」
私は可愛いく首を傾げながらそう聞いてくるリアに詰め寄り口を開く。
「オリアニア様から誘われたのに断ったって本当なの?」
リアはその言葉を聞きこともなげに頷き口を開く。
「断ったよ?」
私はその事が理解できず口を開く。
「なんで?オリアニア様から直々に魔術師団へ誘われたのよ?光栄な事じゃない?」
リアは私の言葉に困ったような顔で口を開く。
「私は別にそうは思わないんだけどね、それに13歳から働くなんて嫌だ!私はまだ働きたくない!!」
ええぇぇぇぇぇぇ・・・・そんな理由で断ったの?リアの行動には驚かされてばかりだけどこの理由は今までで1番の衝撃ですわ!!
「ならリアは卒業した後どうするの?」
働きたくないならもしかして大学に残るのかしら?そんな話は今までしてなかったわよね?
「何処かで魔術の研究をしたい、大学を卒業したけどまだまだ魔術って知られてない事が多いから調べたい!!」
ああいつもの『なんで?』『どうして?』なのね。
「でしたら大学に残りますの?」
大学に残って研究員として残る人もいる、リアもそうするのだろうか?と思いそう聞くとリアは首を左右に振り口を開く。
「まだ行先は決めてないけど帝都は離れるつもりだよ」
「え?」
帝都を離れるという言葉に私は驚き口を開く。
「何故離れるの?このまま帝都で研究したらいいじゃない?何だったら場所も用意するわ」
私の言葉にリアは苦笑しながら首を左右に振り口を開く。
「シアにそこまでしてもらう訳にはいかないよ、それにもう決めた事だから」
この子は意外に意地っ張りで1度言った事は絶対にやる子だ、だからもう何を言っても無理だろう。
「なら約束してたまには帝都に来なさい、そして私に会いに来るの」
「わかった」
真剣な顔でそう言うと頷いてくれた。
「シアだって魔術師団に入るんでしょ?頑張ってね?」
そう言われて私は腕を組み口を開く。
「誰に向かって言ってるのリア?私は貴女には負けてるけど私は実力者の集うセレストーレの次席よ?2・3年で部隊長になって見せるわ!!」
「おお!!流石シア!カッコいい!!」
パチパチと私を見ながら拍手をするリアを見てもう少しでこの子と離れ離れになると思うと少し寂しい思いがした。
そして・・・卒業式当日。
「これからも魔術を楽しもう!!」
リアらしい言葉で会場が大盛り上がりし私達の卒業式が終った。
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