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多少の傷で済むなんて!!

重苦しい空気が流れる中アンディさんが口を開く。


「皆も注意してくれ、フローリアここら辺の床に魔力トラップはあるのかを確認してくれ。それが確認出来きるまで皆は動かないでくれ」


その言葉に皆が頷き、私は床を見てトラップがあるかどうかを確認する。


「多分無いと思う・・・けどあの建物の前に置いてある岩に魔力を感じる」


私の視線の先には縦と横約1メートルの大きな岩が鎮座していた。


私がそう言うとアンディさんが真剣な顔で口を開く。


「これまでの事からあの建物は特別な建物だと思う、だからあの建物自体に何かしらの仕掛けがあるのかもしれん」


私はアンディさんの言葉を聞き口を開く。


「危険だから諦める?」


この遺跡調査の責任者はアンディさんだ、彼が『危険だから撤退しよう』と言ったらこの調査は止めることになる。


「いや行く、魔術師団の皆は全員で【防御結界】を張ってくれ、20人掛かりの【防御結界】ならどんなものも受けられるだろう、それとフローリアとライナシア殿は攻撃の用意を・・・俺も一応魔術は使えるが2人のほうが威力は高いだろう」


私とシアは頷く。


全員が準備できたのを見てアンディさんが真剣な顔で口を開く。


「では全員ゆっくりと進むぞ?いつでも対応できるように気を引き締めてくれ」


私達全員が頷いたのを見てアンディさんと共にゆっくりと歩き出し・・・問題の岩に近くに行くとその岩から魔力は発せられ何かがその岩に向かって飛んでくるのを感じたので私は体をひねると小さな石が引き寄せられるように岩へとぶつかる。

その現象を見て首を傾げていると石がどんどん岩に引き寄せられ固まり・・・そして3メートル級の人型へと形を変えた。


「これは・・・・ゴーレムって奴だね」


人型の岩を見上げながらそう言うとアンディさんが真剣な顔で口を開く。


「よく文献に残ってる言葉だな・・・・これがゴーレムか」


私達がゴーレムを見ながら驚いているとゴーレムが両手を持ち上げて動き出す。


「え?もしかしてこれって・・私達と戦おうとしてる?」


私の言葉に魔術師の隊員20人が【防御結界】を張り私とシアはいつでも魔術を使えるように構える。


そして私達に向かい右手を振り下ろすゴーレムの一撃を20人掛かりの【防御結界】で受ける・・・・と『パキン!!』と言う音が響く。


「おいおい・・・・20人掛かりの【防御結界】を一撃で打ち砕くのかよ」


驚くアンディさんと魔術師団の隊員を見て私は口を開く。


「驚いて固まってない!狙われる!!」


私の言葉に現実に戻って来てゴーレムから離れる。


「ゴーレムに気を取られ過ぎるなよ!落とし穴にも気をつけろ!」


私達はそれを聞いて落とし穴の存在を思い出して頷く。


「リアやるわよ!!・・・・【ストームウェーブ】!!」


「わかった!【ストームウェーブ】!!」


シアと同時に【ストームウェーブ】をゴーレムに向かい放つ!


「これでどうかしら?」


上級魔術を同時にくらえば倒せると思うけど一応何がっても対応できるようにゴーレムのいる場所を見て待つ。

そして【ストームウェーブ】で起こった土煙が収まり・・・多少の傷が残るものの何事も無く立っているゴーレム。


「嘘」


もの凄く硬い奴だねアイツ!!私とシアの魔術を受けて多少の傷で済むなんて!!    


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