94/165
第 九十四 話
「そうか。王様の説得に…。よしっ、お父さんも行こう」
「えっ、でも。娘としては、お父さんに安全なところに、いてほしいんだけど…」
「何を言って…それは、親の気持ちだって、そうだ。
普通は、親がそれを言ったりするんだから」
父の目は、少し潤んでいる気がする。それだけ、真剣てことだろう。
「そういえば、お父さん。なんで化物人間になっているの?」
私の発言は、きつい嫌なことを聞いているって、普通の感覚で言えば、そうなるだろう。
だけど、一緒に説得に行くのなら、その理由を知っておかないと安心をして、互いの身を委ねられないのだ。
続く
聞きづらいことを聞かないと、一緒に行けない時だって、ある。




