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第 九十四 話

「そうか。王様の説得に…。よしっ、お父さんも行こう」

「えっ、でも。娘としては、お父さんに安全なところに、いてほしいんだけど…」

「何を言って…それは、親の気持ちだって、そうだ。

 普通は、親がそれを言ったりするんだから」

 父の目は、少し潤んでいる気がする。それだけ、真剣てことだろう。

「そういえば、お父さん。なんで化物人間になっているの?」

 私の発言は、きつい嫌なことを聞いているって、普通の感覚で言えば、そうなるだろう。

 だけど、一緒に説得に行くのなら、その理由を知っておかないと安心をして、互いの身を(ゆだ)ねられないのだ。



           続く

聞きづらいことを聞かないと、一緒に行けない時だって、ある。

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