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第 九十二 話
とにかく、お父さんを魔法で、出すことに成功したんだ。
私は、「お父さん」と呼んで、ギュッと抱き付いた。
「アキ…。ああっ、また会えるなんて、お父さんも嬉しいよ」
ハッピーだが、この後、どうしようか?お母さんに、お父さんがいたことを報告したいけど、手紙を出したいけど、機関長の一味に、お母さんのことや、いる場所を知られてしまうかもしれない。電話を使うのも、今の状況だと面倒くさいな。
お母さんの話は、今、働いているお店で仕事をするようになってから、話したりしていない。ばれていないはずだ。
だけど、せめて手紙を、お母さんの今住んでいる部屋の机の上に転送させようかな…。
そうだ、お父さんをお母さんがいる場所に、転送すれば安全だ。
よしっ、そうしよう。
続く
アキの、思考は、忙しい。




