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第 八十七 話

「ハルト、今直ぐに、トツタを出すのに挑戦しても、いいかな?はっきり、出来るかどうか、分からないけど」

 私は、少しドキドキしてしまいながら聞いた。ちょっと、自信がなかったからだ。

 ハルトはニッコリ笑って、「そりゃ、もちろん。その方が、いいよ。やってみてくれ」

 で、私が転送魔法に挑戦しようとしたら、ハルトが「アッ、ちょっと待ってくれ」と言って、しばらく空き家に戻った。そして、三十分くらい前に、作ったばかりの防御魔法と逆防御魔法を三つずつ、持って来た。

「転送魔法が、変な感じで開いて敵と接触することもあるかもしれないからな。(そな)えとかないと」私は、そう発言をするハルトの考え方が、ハルトが負けないって言える自信になっているんだろうなと、思った。やっぱり、頼もしい。


 安全に現すのなら、キヨカの仲間たちが出た方法が、一番いいんだろう。突風が吹いて、土煙が立った中から現れたから、今一、どうやったのか自分ですら、分からない。


 あの時は、ハルトがキヨカの仲間たちを見殺ししてしまうような状況が嫌で、何とかしたいって思ったら、発動した感じだからな。


 思い出すと、ますます分からなくなった。

 だけど、ただ、何も考えずに、必要な未来を(ほっ)した気がする。

 すると、悩みの、真っ黒な感じの暗いところから、真っ白な明るい感じがする穴が出現して、そこを見て悩みの心が静まって、私は、必要な力を悩みの暗い場所から、出せた気がする。


 ますます難しくなったけど。要は、本当にしたいことを、素直にしたい感じで行えばいいってことだと思う。


 自分の心を、信じられればいいのだ。


 私は「ハルト、やってみる」


 ハルトは、何があっても俺がフォローするという雰囲気の構えになる感じで、頷いた。

 ああっ、そういう風に見えるってことは私は、自分が凄くハルトを信じているんだなと思った。


 気持ちは、整った。今は、やってみるだけだ。私は、魔法を使うために、イメージに集中をした。



          続く

やっぱり自分を信じられないと、実力だって出せないよね。

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