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第 八十二 話
「そこを歩いてくれないか?」ハルトが、ジヤタに向けて頼む。
「そこを、ですか?」
「うん。アキは、反対側からジヤタとすれ違うように歩いて」
「分かった」
「じゃあ、スタート」と言って、ハルトは分かりやすくするために、パンッと、手を叩いた
「近付いてきたら、互いに、防御魔法を相手にかける」ハルトは、急に指示をした。
「出来るかな…?」私は、そう言って、ジヤタに防御魔法を被せる感じで出した。歩くことで勢いが付いて、それに防御魔法というイメージだけで、案外作れた。
ジヤタは、私に、包み込むようにかけた。化物人間でなくなっても、やっぱり魔法を使う腕は、ある程度あるんだな。
すると、ハルトは両手を広げ、三つのそこまで大きいとは言われない私の上半身ぐらいの大きさの、雰囲気が防御魔法の型の力のような玉を作って(分析して考えてみると、器のようなものなのかな)、私たちの防御魔法をその玉で吸ってから一人一人に、飛ばした。
続く
やっぱりハルトは、累計百十二歳だけあって、魔法を教えるのも使うのも達人だね。




