第 八十 話
ハルトは暫く考えて、こう質問してきた。「アキは、雨が降って出掛けるなら、どうする?」
「傘かカッパを着るけど」
「そう、傘やカッパを用意すればいいんだ、要は」
ハルトはどうやら、『狙われる』の対策に対して言っているようだ。
私は不安になって「でも、それって難しいね。ほとんど側にいけないとなると、近付ける時、容赦なく殺しに来るかもしれないよね」
「うーん、取り敢えずトツタを迎えに行く時は、アキの転送魔法を使って近付くとするのが、決定だな」
私は少しプレッシャーを感じて、「ちょっと練習しないとね」
ハルトは思い付いた感じで「そして、ジヤタと俺とアキの三人で、カッパのような防御魔法を使えるかやってみよう。カッパとの違いは、顔や下からなどの攻撃からも守れるかだな」
「監視者たちがヤケになって、無関係な町人を巻き込むことも、考えておかないとね」私は一番嫌な状況を、言った。
「そうなると、テロのようなものだよな。そういう場合も想定しておいて、動くか」と、腕を組ながらハルトは話す。
「だけど、それが出来るならお城に行く時も安心出来るよね」私は、ぼんやりとだけど明るい兆しが出たなと思って、しゃべる。
「もう、あとちょっと、色々細かく考えておかないと、やや困りそうな気もするがな」まだ、難しそうなことがハルトの中では、残っているみたいだ。
続く
何も動いていないように見えても、物語は動いている。




