第 七十九 話
フワッ。ボコッ。ザッザッザッ。これは私の、想像の音だ。こんな感じの音じゃないかもしれないけど、姿は見えていたので、入っていた四人を風の海の流れで、追い出した。
「完成だな」
後ろから、声がした。ハルトだ。私は、ハルトをギュッと抱き締めた。作れないと思った結界が、ちゃんと出来たのが、シンプルに嬉しかったのだ。ここのところ、常に監視をされている脅威に曝されてきたことからの解放の安心感と、私の魔法が皆の役に立ったという、魔法を使えなかった自分の成長を感じた喜びなどがある。
「これで、敵意がある者は入れないし、結界への攻撃もよほどの破壊力がないと破れない。
機関長は、それに対して公には動けないから心配はない」と、ハルトは説明をする。
私は嬉しくて、「ハルトやったね」
「ああ。
ただ、トツタを明日、待ち合わせの野原に迎えに行かないといけない。それに、食事の買い物もある」
「ええっ」分かっていたはずなのに、すっかり頭から抜け落ちていて私は、驚いてしまった。
「それって、その時に狙われるかもしれないってことだよね」私は、心配になって聞いた。
続く
ここは、乱れず、進んでいこう。そうすれば、この後、国王を説得することも、何とかなるはず。




