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第 七十八 話

 ハルトは考えながら、言う。「…俺のイメージが正しければ。アキ、その場をグルグル回ってみて」

「えっ?」ハルトが何をさせようとしているのか、少しも分からないがやってみる。

「こう?」

 ハルトは、真剣だけど嬉しそうな感じで「そうそう」

 これで、何が出来るんだろうと思った瞬間、ハルトが「入ってきてほしくないのは?」

 私は、ますます謎で「えっ?」

「言って」

「うん。それは、えーと、私たちに危害を加えようとする人たち」

「うん。いい筋だよ。読みがいい。範囲指定」

「この空き家を中心に、半径五百メートルを結界」

 私は回りながらだが、ハルトがニッと笑ったような雰囲気を感じた。「オッケー。回るの止まって。俺が引き継ぐ」


 私の背中に、どうやらハルトが手で触れている。ちょっとドキッとする。チラッと見ると、やっぱりハルトが手で触れている。

 ときめいてしまう感じがするが、違う。ダメだ。そんな場合じゃない。

 アレッ。不思議な感じがした。何だか、ハルトの足で大地を踏み締めた気がした。意味が分からないが。

 足元から、領域が広がる感覚がする。空き家が離れていく。幻の透明な足があるようだ。


 景色が、イメージの五百メートル先まで、どんどん進んでいく。

 んっ!?アレ。キヨカのように、剣を持った人間が、四人いる。

 気になったが、我慢して進んだ。この辺がイメージのラインだ。侵入者を出さないと。

 もう一度、入ってきてほしくない人たちを思い出して、領域『風の海』で想像をする。私たちに、危害を加えようとする人たちは、出ていけ。



           続く

これで、結界は完成するのか!?

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