第 七十一 話
「アキさん。服と確か、手提げカバンをトンボに斬られてたんですよね。弁償しますねっ」
そういえば、ちょっと忘れていたけど、トンボの風刃物によって、斬られていたんだ、私は。
何だか、中がチラッと見えていて、セクシーな服みたいになっている。手提げカバンは途中で置いてきていた。確認すると結構、切れ目が出来ていた。まあ、頑張ったら修理、出来そうだけど。
私は、ジヤタから、割と高級な服とカバンを買えるぐらいの、お金をもらった。
取り敢えず、服を買わないとな。恥ずかしいから。買い物を持って帰るための、カバンもあった方がいい。やっぱ、財布をなくしそうだから、ないと困りそうだ。
そう過ごすうちにハッと、私は恐ろしいことに気が付いた。
「あのっ、ジヤタ。他に、私を殺そうとしている人、いないよねっ?」
「それが、僕も叔父がどのくらいの人にお願いをしたのか、把握出来てないんですよね…」
「ええっ、そんな…」
私は困ったことになったと、頭を悩ませた。その時…。
「アキッ!」
ハルトがいた。
ハルトは、「何だ、アキ。なんて格好をして…」と言いかけて、アッと気が付いてジヤタを睨んだ。
今にも、戦闘が始まりそうなオーラだ。
そうじゃないんだよ、ハルト。それは、もう終わったんだよ。私は、どうやって説明をしようかと、また頭を悩ませた。
続く
ハルトに会えて良かったけど、ちょっと面倒くさいね。好きだなと思う人が、自分のために怒ってくれるのは、ちょっと嬉しいけど。それより、もし、何かあったら本当に大変だからね。




