第 七十 話
「僕、ここの責任者につい、化物人間の力を使ってしまって、町の建物や石畳をそこそこ傷付けてしまったって、言ってきます。
町の人に、迷惑を掛けたので。それと……。
アキさん。本当に、すみませんでした」
ジヤタは、必死さが雰囲気で伝わるぐらい、想いを込めて、頭を下げた。私の、モヤモヤを半分以上、消してくれそうな謝り方。
「こんな謝る程度じゃ、すまないって分かってますけど…」
「ああ、私は、いいよ。凄く怖かったけど」
つい、余計な言い方をしてしまう。だけど、これは後々に、人を呪いたくないから、つい、余計な言い方をしてしまうのだ。そのぐらい、私の心は辛かったって、ことなんだけど。癒し方が、自分でも分からない。
「ねぇ、ジヤタ。国政審議機関長は、大分こっちのことを分かってるの?」
「は、はい。キヨカという兵隊たちの指南をしている者が、実は内部調査官というのは、分かっています。
だから、キヨカが責任者としてキュウジロウ様を監視する時は、こちらの者を二、三人入れていました。ですので、二日前のキヨカとの会話は、こっそり聞かせてもらいました」
アチャーッ。もう、私たちの作戦はバッチリ筒抜けだ。ジヤタと、最初に話した時から何となく分かってたけど。これは、さらに作戦を練らないといけない。
続く
ジヤタは結構、誠意のある少年だった。長く誠意のある対応をしてもらえばアキも、大丈夫になって許せるかもしれない。こういうことが起きないのが、一番だが。
それと情報が、漏れていた。作戦を、練り直さないと。




