第 六十六 話
こんな時、ハルトならどうするだろう。そんなこと、考えても、しょうがないか。
私は、私なんだから。
その辺の石ころを持って私は少しだけ、斜め上に高く投げた。自然、何だろうと思って警戒から石が注目される。
私は、その時、トンボに体当たりをした。トンボは、思っていない攻撃に対処出来ずふらついた。そして、蝶には、キックをした。蝶も、まさかこういう攻撃がくるとは思わず、ふりゃふりゃっとふらつき、何とかバランスを保つので精一杯になった。
そして、私は走る。
「砂粒、ジヤタの目をずっと攻撃」
ジヤタは両目を瞑り、両手で目を防御する。私は、その手の隙間に上手く合わせ、思いっきりビンタをした。
ジヤタは、目を守るために身体を固くしていたからか、ビンタされると膝がプルプルッと震えていた。
私は虫たちがどうなったか気になって振り向くと、ちょっと光って、霧がかかったようになって、消えていった。
どうやら、私の砂粒の感覚と同じみたい、だったんだな。私の、やや慣れた砂粒は集中すると、もう一つ、目と身体があるようになって、動かすことが出来る。ただ、私の集中力が切れて、肉眼でも見えなくなると、砂粒の行方が分からなくなってしまうんだけど。
ジヤタの虫たちも、ジヤタの集中力が切れると姿が保てなくなって消える(多分、目から体内に戻った)のだ。一応、目を閉じさせるだけじゃ、足りないこともあるかもと思って、ビンタもした。何が効果があったのか、あとちょっと分からなかったが、取り敢えず消すことが出来て良かった。
私は、ジヤタからやや距離をとって、「砂粒。戻って来て」
続く
取り敢えず、虫たちを消すことは出来た。さて、アキはこの後どう、行動するのだろうか?




