第 六十四 話
虫たちの種類は、バッタ、蟻、蝶、トンボ、クワガタ、カマキリ。
それで、全員、カブトムシと同じく、私よりちょっと身長が低そうで、大きい一つ目がある。
私は、どう話し掛けるか迷って「えーと、甥っ子さん」
「…ジヤタという名です」
さて、どう呼ぶべきか。敵だから、ここは呼び捨てにした方がいいか。十五、六歳かな。えーい、無駄に悩んでいる暇はない。
「ジヤタ。あの、何で国政審議機関長の甥だと名乗ったの?」
私は、モヤモヤしていたことを言った。
「それを名乗ったぐらいでは、立場が困らないと思ったからです」
確かに、今、人も逃げていないし、万が一聞かれていても、ごまかしは出来るだろう。
「…分かった。もう、いい」
「あっ!!!」
ジヤタは、何かに気が付いたのか、大声を出した。
「名乗ることで、手の内を明かしてしまったようです」
おドジさんなんだな、この人。
しかし、こっちの情報も筒抜けって感じだ。
「まあ問題ないです。あなたを、ここで殺せば失敗はなしになりますから」
「あの、私で、帳尻を合わさないでくれますか…」
私の発言を無視して、ジヤタは命令をした。
「行くんだ、虫たち」
六体の虫たちが私に、向かってくる。
どうしよう。砂粒、四つしかないのに。
カマキリの鎌が、私へと斬りかかってくる。どうにか、よける。すると、バックには蟻が。口を開いたり閉じたり、開こうとしている。
まずい、あんな大きい蟻に噛まれたら動けなくなってしまう。
それを何とかよけると、トンボが羽を羽ばたかせる。嫌な予感がして、ちょっといる場所をずらすと、服や、手提げカバンが切れた。これは、風刃物だ。危ない。
私は、今の攻撃でふらついた。クワガタがさっきのカブトムシと同じように、頭から鋏のように生えている大アゴから、ビームだと思われるものを出そうとしている。私は、砂粒に願った。「あのクワガタの目をずっと攻撃」
そう言った瞬間、他の虫たちが私を一斉に襲った。
続く
アキが、大ピンチだ!!何とかなるのかっ!?




